第十九話 試合開始!って聞くだけで心が熱くなるよね
「んー、、ようやく始まるね」
開会式が終わり、長い伸びをしながらアイクが言った。
「思ったより長かったな」
団体戦が始まるまで、もう後僅か。
「にしても、、、強そうな人多いよね…」
周囲を見渡し、そう言葉を漏らす。
(そんなこと言ってるけど、、この大会で最初に暴れるのはお前だよ。きっと)
「…試合が始まれば分かるよ、どっちの方が強いか」
(勝ちたい気持ちも、勝たなきゃいけない理由も俺にはある。
もし負けたら何かめんどくさいことさせられるっぽいし……絶対に勝ちたい相手も居る)
頭に思い浮かんだ何人かの人物。
しかしそれらは全てミナトにとっては燃料の様な物であり、勝利へのよ思いを強くさせるものでしかない。
「それじゃあスカーフ配っていくんで、全員どちらかの手首に着けてくださいねー!」
「…」
スカーフが配られ始め、試合が始まるまでの少しの時間にミナトは何人かの人に声をかけに行った。
「フレアさん、緊張はどお?」
「あぁミナト君。今は何だか平気かも、不思議な位落ち着けてる気がする」
(!練習でさえ固い時もあったのに…一周周って克服したのか?)
「そっか、じゃあ後ろの心配はしなくて大丈夫そうだね」
「うん!ミナト君も大変な役だろうけど、頑張って」
(フレアさんは最初に思ってたよりもずっと心の強い人だ。…今になって心配したのは逆に失礼だったかも)
そう思いながらミナトは次に声をかけようと思っていた人物のところに向かった。
「やぁルチア。調子はどお?」
「…私の調子が悪いと思う?」
「まさかそんな、一応聞いただけ。今日は頼むよ」
「言われたことくらいはやってやるよ」
(相変わらず冷たい感じだけど、、ちゃんと会話はしてくれるようになったよな。
ルチアに限ってやらかしたりは無いだろうし、本当に後ろは大丈夫そうだ)
それじゃあよろしくねー、と言いながらミナトはまた別の人に話しかけに行った。
「よぉトロール、今日は頼むぞ」
「…そういうお前は余裕そうだな」
「そう?まぁ少なくとも心に余裕はあるかな」
「こりゃ頼りがいがありそうだな、存分に前線で暴れてくれ。後ろは任せろ」
「任された!お互い頑張ろうなー」
(うん、皆大丈夫そうだな)
だいたい話しておきたかった人物には話すことが出来た様子。
そしてミナトにもスカーフが配られ、いよいよ試合が始まるので配置につくよう言われる。
「行くぞ、アイク」
事前に決めておいた配置につき、今回ペアとして行動するアイクに話しかける。
「うん、やれるだけやってこよう!」
(やっぱアイクは問題無さそうだな。…お前は心配する必要ねぇだろ?クロム)
ミナトが後衛に居るクロムを一瞥した後、審判による説明が始まった。
「今から皆さんは学園側が作った魔法空間に転移します。転移した瞬間から試合は始まり、制限時間の四時間が来ればこの会場に戻ってきます。
所持スカーフが無くなり脱落した場合や、反則行為などで退場と判断された場合、この会場に強制転移となります。
それでは、転移開始!」
そう言うと数十名の教員らが協力して魔法を発動、魔法空間への転移が始まる。
(来た!ここが試合会場。本物の森みたいな場所…!)
転移された空間は事前に聞いていた通りの森の様な場所であり、魔法で作られた空間とは思えない景色だった。
生徒が転移した後のヴィーンゴールヴには、魔法空間の一部の景色を映し出した魔法が展開されており。
これによって観客たちは試合の様子を見ていた。
観客たちに見せている映像はあくまで一部のものであり、本来は無数の視点から魔法空間を見ることができ、教員たちはその機能を使って生徒らの反則行為を監視している。
「それでは第四魔法学園、出撃!!」
合図が出たのを確認し、アイクとミナトが先行。
その後ろに前衛班、更に後ろに後衛班が位置。
(前衛班との距離は何かあった時にお互い対応できる距離が理想!細かく位置を調整する必要がある)
「アイク、もうちょい前に出るぞ」
「了解!」
(何かあってもアイクのスピードなら逃げも攻めもできる。多少は大胆に行っても平気なはず)
「!前方に敵複数、数は…六人!」
「どうする?合流するか、そのまま叩くか」
その問いに二やつきながら答える。
「直行一択!俺達で潰す!」
「だよね、そう来ると思った!」
こうして二人の突撃から団体戦は始まった。
今回は魔法空間を様々な視点から見れる、ってやつの説明だよ!
これは世界観無視して言えば定点カメラと、生徒を追っかけるドローンカメラが大量にあるみたいな感じです。
そして主に戦闘など派手なことが起こっている映像を、ヴィーンゴールヴに映しています。
観客たちは四つほどの視点の映像を見ていますが、教員たちは大量の映像を見ています。
不正行為などがあればその場で判断します。
だいたい最初は警告を出しますが、何度も警告を受けたり、明らかに悪質な行為であれば退場として強制的に会場に戻ってこさせられます。
今回は以上!




