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忘却の勇者  作者: くろむ
聖魔祭編
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第十三話 邂逅って人生で言ってみたい単語ランキング六位くらいだよね

「二組の人達ってどんな感じなのかなぁ」


「こっちとそこまで変わんないとは思うけど…」


(先生の話じゃそう聞いたけど、、実際どうかな)


今日は二組との合同授業。


来る聖魔祭の団体戦にむけて練習が始まる。


団体戦では一学年で一つのチームを作り、五校全てが同時に戦う乱戦形式である。

ルールは参加者全員が手首に身に着けるスカーフを時間内に敵チームからどれだけ奪えるかの勝負。


聖魔祭は基本学年別で勝負する為、二組の生徒を知ることは団体・個人問わず重要な事で、それはミナト以外の生徒も理解している事。


「来たよ、ミナト」


そう言われてクラスの皆が見つめる方を振り向けば、同じ魔法科のたった一つの別クラスが来ていた。


「ついに、って感じか」


「今まで不思議な位何も無かったからね、教室も何故か離れてるし」


(やっぱここから見ただけで分かるな…一人だけ別格だ)


黄金の髪と透き通るような青い瞳、端正な顔立ちの彼だが纏っている雰囲気は学生のものではなかった。


(ルチアとか先生に似た雰囲気だな…)


「よーし全員揃ったな、じゃあ授業始めていくぞー」


その場の全員がミケーレの下に集合する。


「今日の授業は聖魔祭の団体戦についてだが…」


そう言いながら二クラスを見渡す。


「本当は()()とか決めたいんだけど、、お前らお互いの事なんも知らないから、取り敢えず一組と二組で練習試合するか!」


「まぁそれはそうだけどさ…」


「何か急だよな色々」


生徒の反応は大体そんな感じだった。


「じゃあスカーフ用意しとくから、それぞれ大将決めといてな」


(さて、ここまでは昨日聞いてたけどこっからどうするかな。まずは…)


「ミナト、もう話し合い始めるからこっちこっち」


「あぁ悪い悪い、すぐ行く」


そしてそれぞれクラスで分かれて作戦会議。


「こっちの大将どうするかだけど…無難に行くならやっぱ選抜の誰かか?」


「でもそれは向こうも読んでるでしょ、如何に相手の裏をかくかが団体戦で重要なんだよ」


意見は色々と飛び交っていたが、話を纏める人物が居ないため議論はあまり進んでいなかった。


対して二組の方は粛々と話し合いが進んでいる様だった。


(大将ね、、一枚でそのチームの人数分のポイントを持つ大将用スカーフを持つ人物。

これが取られるだけで戦況はかなり苦しくなる、だから生存能力が高い人が持つべきだけど…)


この人数だと大将用スカーフが取られれば22ポイント相手に加算されることになる。


(今回みたいな一騎打ちの場合だと複数のチームから少しずつ奪っていく作戦も出来ない、もし取られたら相手チーム全員分を取る位しか勝ち目がなくなる。一応相手から奪ったスカーフが残機になるから最悪それでアイクと一緒にゴリ押せば何とかいけるか?)


「ねぇミナト、大将ならルチアさんとかどうかな。結構いい感じだと思うけど」


「…確かに悪くはないけど、ルール上直接攻撃は駄目だから本来のポテンシャル引き出せないのがなぁ…」


「まぁ確かにルチアさんの魔法だと威力高すぎて牽制扱いになりにくそうだもんね」


(そこがこのルールの厄介なところだ。直接的な攻撃は禁止、だが牽制程度ならOKという曖昧なルールだからルチアが本領を発揮しにくい。だからこそ今適任なのは…)


「ちょっといいかな」


全く進んでいない話し合いに割り込んでいく。


「一応適任な人は居るんだけど…」


「?」


「フレアさん、やってくれないかな」


「わ、私!?」


「うん。基本は俺とアイクが先行する形で、攻撃重視の作戦がいいと思うんだ。今回は人数が少ないから大将の護衛を固めるとかは効果が薄い、だから自分で自分を守れる人が適任だと思う。」


「で、でも本当に私でいいの?」


「俺は勿論。もし異論がある人が居れば言って」


「……」


(ここで誰も強く出れないのは知ってる。だって誰も模擬戦で俺達に勝ってないから)


「分かった、できる限りの事はするよ!」


「ありがとう。それで一応フレアさんの護衛をしてほしいんだけど、どうかなルチア」


「…いいよ。近くにいればいいんでしょ。その代わりちゃんと相手の取ってきてよ」


「おう。任せて貰ったしやるしかないな、アイク!」


「うん!やろうミナト!」


(ふぅ、後は…)


その視線の先には居るのは…。


(クロム、お前とずっと戦ってみたかった。待ってろよ…)


「ようやく話し合いも終わったみたいだな。じゃあスカーフ配ったら、試合始めるぞー」


遂に、二組との練習試合が始まる。

今日は団体戦のルールについて!

ルールについては作中で今後更に触れていくので、今回は主にさっき出た大将用スカーフについてもっと詳しく説明していきます。

まず大将用スカーフを身に着けれるのは各チームに一人、そしてそれを身に付ける大将を審判に通達。

大将用スカーフは他のスカーフと見た目での区別は出来ません、しかしいざ相手から奪うと特殊な魔力が体内に流れ、そこで初めて大将用スカーフだと分かる仕組みです。

そしてポイント計算についてももう一度触れておきます。

例を出して説明すると、60人チームの大将用スカーフを奪うと60ポイント入ってきます。

100人チームの大将用スカーフを奪うと100ポイント入ってきます。

はい、そういう事です。

最後に残機について。

本来スカーフを奪われるとその時点で退場となります、しかし相手から奪ったスカーフがあれば一枚取られただけであれば引き続き試合続行する事が出来ます。

要は取れば取るだけ残機が増えていくシステムです。

ミナトが「残機でゴリ押す」と言っていた通り過去には十枚のスカーフを奪った生徒が大量の残機でゾンビ戦法をし、一人で大量の生徒を殲滅させた事例もあり、下手すると手が付けられない化け物が誕生する恐れがあるルールです。

今回は以上!

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