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忘却の勇者  作者: くろむ
聖魔祭編
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第十一話 自分より強い人と戦い続けるのって上達するけどしんどいよね

「何か騒がしいけどもしかして何かあったの?」


「あぁ、昨日の放課後にフレアさんが模擬戦やってたーとか聞こえたけど」


「ああ!それで結果は?」


「勝ったらしい」


「なるほどそれで」


昨日の出来事がさっそく話題となっていた。


「しかも男子に近接戦で勝ったって」


「やっぱフレアさんも強いんだねー、僕も負けてられないな」


初日で既に三人が防衛に成功している、というのは他の生徒への大きなプレッシャーとなった。


まだ挑まれていないルチアに関しては、他の三人と違って圧倒的な格の違いを入学以来見せ続けてきた影響かわざわざ挑もうとする人は現状居なかった。


だが勿論生徒全員が諦めている訳ではない。


そしてプレッシャーを感じるのは挑む側だけではない…。


「…」

______________________________________________


(やっぱこの授業が一番好きかな)


今日の二限目の授業は剣術実践。


ミナトはいつも通りアイクとでも組もうと考えていたが…。


「ミナト君、今日は私と組んでくれない?」


突然のフレアからの申し出。


「!…うん、じゃあ今日はよろしくね。フレアさん」


{聖魔祭に出るだけじゃない、ちゃんと勝ちたい!その為に私はもっと強くならなくちゃいけない}


少し驚きながらも了承したが、珍しい出来事に周囲は反応を隠せなかった


「ありがとう。ごめんねアイク君、何だか取っちゃったみたいで…」


「ううん、全然気にしないで!いつも同じ相手ばっかりってのも良くないかもだしね!」


二人共頑張ってー、と言ってからアイクは別の相手を探しに行った。


「それじゃあミナト君、よろしくお願いします」


「こっちこそよろしく」


互いに剣を取り構える。


「遠慮しないできてね、こっちも手加減はしないから」


{そして強くなる為には強い人と戦わなくちゃいけない!}


「うん!じゃあ行くよ!」


______________________________________________


「よーしじゃあ授業終わり、ちゃんとご飯食べるんだぞー」


授業が終わった頃。


「フレアさん大丈夫?」


「うん、、大丈夫だよ、、、ありがとうアイク君」


息を切らしたフレアに話しかけに行ったのはアイクだった。


「ミナト君手加減しないって言ったら本当に手加減しないからね」


「ごめん、流石にやりすぎたかも。大丈夫?」


「ううん、寧ろありがとう。手を抜かないでくれて」


もしかしたら何かあったのかもと思ったアイクとミナトは、皆でお昼を食べようと誘った。


______________________________________________


「思ったよりも席空いてて助かったねー」


「まぁこの学校人数少ないしね」


食堂にて無事席を確保し、雑談をしながらご飯を食べた。


「あーそれでミナト君に組もうって言ったのか」


「うん、出るからにはやっぱり勝ちたいなって思って」


「でも正直僕も気持ちわかるかも」


「?」


「聖魔祭で勝てるかどうか不安になったりとか、それでミナト君に頼んでみようとか」


ミナトは少し分かっていない様子だったが、フレアには通ずる気持ちがあったらしい。


「ミナト君ってさ、何か凄いんだよね」


「おぉ…急にどうした?」


「それ分かります。多分クラスの皆が思ってるよりもミナト君は凄い人なんじゃないかって」


「皆もミナト君が強いのは何となく分かってると思うんだけどこう、、、実際に相対すると分かるっていうか…」


またしてもミナトは置いて行かれている様子だったが、話は進んでいった。


「さっきフラジオ君と組んだ時も言っててさ…」


などと話している三人の席の前にに一人の生徒が通り掛かった。


「おぉルチア」


「げ」


「げって酷くない?」


ミナトへの対応は相変わらずに見えるが、一応返事はしてくれるようになっていた。


「ルチアも一緒に食べる?」


「…」


「…私は一人で食べるから」


と言ってだけ行ってしまったが。


相変わらずだなぁ、と呟いていたミナトにフレアが話し掛ける。


「多分だけどこの学校でルチアちゃんと話せるのってミナト君位だと思うよ?」


「え?本当に?やっぱり女子の中でもそういう感じなのか…」


「嫌われてるとかではないと思うんだけど、やっぱり話しかけずらい雰囲気はあるかなぁ」


「…ルチアさんって何でここに入ったんだろうね」


「いきなりだな、、まぁでも魔法関連じゃない?もっと強くなりたいとか。

そういえばそう言うアイクは?なんでここ来たの」


「ん?あぁ。昔村の近くにドラゴンが出たーってなって皆怖がってたんだけどさ、そのドラゴンを倒してくれた冒険者の人がいて、偶々その戦いを見てたっていうのもあって、そこで憧れちゃったんだ。まぁよくあるやつだよ。フレアさんは?」


「私?私も似たような理由だけど…」


「だけど?」


「その、、勇者様の絵本が好きで、、それがきっかけで…」


と言ってる間にどんどんと顔が赤くなっていった。


「ごめんごめんいきなり聞いちゃって、でも恥ずかしがる事じゃないよ!僕も好きだよ、勇者様の話」


「うぅ…」


「ってどうしたの?ミナト君」


「あぁ悪い悪い。俺も好きだよ、勇者様の話」


「?」


そう言うミナトの顔は、どこか嬉しそうに見えた。

今度はいつもとは少し違って、「ミナトの手加減しない」についての説明を。

手加減しないと言ってもただボコボコにしてる訳ではありません。

ひたすら相手の攻撃を防ぎ続けます、そして大きい隙があれば指摘も兼ねて攻撃を繰り出します。

なので相手はただただ攻撃を防がれ続け偶に反撃された時には一本取られています。

こんな感じなのでアイクは最初の頃少しショックを受けていました。

ミナトも少しやりすぎかもしれない、と思った事はありましたが手を抜くのは相手に失礼だと思い、どんな相手にも手を抜くことはしませんでした。

今回は以上!


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