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忘却の勇者  作者: くろむ
聖魔祭編
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第九話 聖魔祭

「今日はお前らに連絡事項がある。

時期的に分かってる奴もいると思うが、ここで正式に発表する」


朝のホームルーム。これから伝えらるであろう言葉に固唾を吞む生徒達。


「今年も聖魔祭を開催します」


(おぉ聖魔祭!そう言えばこの時期か。年に一回ある五校の魔法学園が集まるビッグイベント!)


しかし周囲の反応は思っていたものとは違い、皆が緊張している様子だった。


「なんか皆結構緊張してる風じゃない?もっと盛り上がるもんだと思ってたんだけど」


隣の席にいるアイクにこっそり聞いてみる事に。


「個人戦は選抜制だからね、皆選ばれるか不安なんだよ」


「そういうもんなのか」


聖魔祭、正式には聖魔法剣術祭。


この第四魔法学園と同系列の魔法学園が五校全て揃って競い合うイベント。


昔は聖魔法剣術大会、だったが徐々に会場の周辺で出店が出始めたり、観客も年々多くなっていった事で「祭」とつくようになった。


だから生徒も、全力で戦って楽しむ!みたいな雰囲気を想像していたミナトだったが、実際はそうではなかったらしい。


「ほら、この前の魔眼の授業の時から皆もう進路の事心配しだしてたし」


「あー…」


(確かに聖魔祭で結果を出せば騎士団への推薦入団だったり、冒険者ギルドでもランクを初めから幾つか上げて貰えたりするんだっけ)


この聖魔祭で活躍する事が出来れば卒業後の道が一気に広がるのだ。


だからこそ皆も必死になるというもの。


「知っての通り聖魔祭は個人戦と団体戦があるが、個人戦は各校出場する生徒は人数が決まっている。

そしてこの学年から出場できるのは七人だ。今からその七人言ってくぞー」


(え、選抜制ってそういう感じ?しかも何か軽くない?)


「このクラスからは、ルチア、フレア、アイク、ミナト。そしてもう一つのクラスからオスカル、クロム、サヴェリオ。現在この七人が選抜選手となる」


(選抜って言うけど、、何というかこれは…)


「ちょ、ちょっと待ってください先生!それは幾ら何でも…!」


「不満か?まぁこれは我々が勝手に決めたものでしかないしな」


「何か…何か挽回のチャンスはないんですか!?」


「あるぞ」


「流石にそれは!…ってあるんですか?」


「ああ、勿論だとも」


(あんのかよ…だったら最初から言っても良かったんじゃ…)


「今挙げたのはあくまで現在の選抜選手だ。本番一週間前までならその座を奪う事は出来る。勿論ルールは存在するがな」


クラス全体が静かに言葉を聞く。


「選抜の座を奪うにはその選手と模擬戦をして勝つ、シンプルだろ?

ただしさっきも言ったがルールはある。それは教員や生徒会の役員など学校側の誰かを見届け人にする事。要はちゃんと模擬戦をして勝った、という証言をする人物が居ればいい。

教員、生徒会、まぁ風紀委員でも良い、とにかく確実に信頼できる人間にしてくれ。

そして挑まれる人間は正当な理由なく模擬戦を断ることは出来ない。後模擬戦は何回してもOKだ。

模擬戦のルールはいつも授業でやってるやつと同じものだ。聖魔祭でも同じルールだからな」


選抜選手の話が終われば、いつもより少し長かったホームルームが終わった。


(なるほどねぇ…。選抜選手はその座を守るために、選ばれなかった人はその座を奪い取るために。それぞれが更に成長してくれればって事か)


「…ねぇミナト君」


「ん?どうした」


「どうしよう!僕選ばれちゃったよ!!そりゃそうなりたいとは思ってたけどさ、いざ実際にそうなるとなんていうか…」


過去一番の早口が出ているところからアイクがどれだけ動揺しているかが分かる。


「ま、まぁまぁいったん落ち着け。選ばれたって事はそれだけの実力があると認められた証拠だろ?」


「うん、、そうだね。ごめんいきなり騒いじゃって」


思ったよりも冷静になるのは早かったが、そう落ち着いていられる程今の状況は優しくない。


「アイク、ちょっといいか」


「!トロール君。どうしたの?」


「悪いが俺も必死なんだ、受けてもらうぞ。選抜の座を懸けて戦ってくれ」


(もう来たか、確かに模擬戦は何回挑んでもいいルールだったけど…ここまで早く来るのか。と言っても…)


「ミナト君、僕も一戦お願いしていいかな?」


(俺もうかうかしてらんねぇけどな)


アイク、ミナトに戦いを挑みに来たのはまだ二人だけだが、無論他の生徒も様子を伺っている。


ルチアやフレアを狙っている生徒も当然いるだろう。


「良いじゃねぇか、速攻挑みに来るところは好きだ。今日はちょうどこの後剣術実践の授業だからな、そこでミケーレ先生に見届け人になってもらえばいい」


「俺達のとこもそれでいいか?」


「大丈夫だよ、お互いベストを尽くそう」


そう言って二人は握手を交わしていたが、こちらの二人はそうではない様子。


というよりあの二人が少々真面目過ぎるだけだが…。


まぁとにかくこれから選抜の座を懸けた戦いが次々と起きていくだろう。


そしてそれはもう一つのクラスも例外ではない。

今回は第四魔法学園のクラス事情についてだよ!

クラス事情、というか何組だとか人数はどの位だとかだけどね。

まず魔法科に関しては二クラスあって、一組と二組。それぞれ人数は二十二人ずつ。

入試試験の結果で、上位四名がそれぞれのクラスに半分ずつ行くようになっています。

なので成績上位者二名と通常成績の二十名、で一クラスになっています。

今年だと、ミナトとルチアが一組。クロムとサヴェリオが二組に行っています。

因みにミケーレが特異点の話をしていた時に言っていた、「筆記試験満点」というのはサヴェリオ君の事です。

今回は以上!


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