1 私の誕生日だったのに 雨
9月26日。私の誕生日。
今までで最高の日になるはずだった。
だって・・・
大好きな人と過ごすことになっていたから。
心の天気予報は晴れだった。
なのに・・・
私は一宮実花。中学2年。
私には彼氏がいた。
田原悠。クラスメートで、やさしくて素敵で…。
大好きだった。
私は今日、悠と過ごすことになっていた。
二人っきりで…
「実花っ」
まちあわせしていたビルの前に悠がきた。
午前10時。時間ぴったりだ。
悠は時間に正確なひとだった。
「実花っ早いな。待ったか?」
「ううん。全然大丈夫。うちもいま来たとこっ。」
「そっか。よかった。じゃあ行こうか。」
「うん」
今日は二人で水族館に行くことになっていた。
二人っきりのデート…
それは私にとって幸せな…幸福な時間だった。
時間はあっという間に過ぎ、夜になった。
帰り道、悠と二人で電車に乗っていた。
「実花。寄り道してもいいか?」
「いいよっどこいくの?」
「秘密な。」
こういうところも好きだった。
ついたのは海岸だった。
「実花。誕生日おめでとうっ」
「ありがとう。」
「これプレゼントな。」
開けてみるとそれはハートのネックレスだった。
「かわいいっ」
「気に入ってくれて良かったよ。」
「悠…これからも一緒だよね?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
沈黙・・・
「悠?」
不安な気持ちになり聞いてみる
「実花・・・ごめんな。俺、もう実花と一緒にいられない。」
「え・・・」
信じられない答え。
「好きな人が出来たんだ」
「ウソ。。。ウソでしょ?冗談やめてよ」
受け入れられない…
「本当だよ。ごめんな。」
「じゃあどうして今日こんなに優しくしてくれて…プレゼントもくれて…」
「思い出作り。それだけだよ。いままでありがとうな。もう何も言わないでくれ。」
「…ゆぅ」
名前を呼ぼうとしたら口をふさがれた。
最後に少し微笑みを見せて・・・
悠はいってしまった。
どうして?
ずっと一緒って言ってたじゃん
今日こんなに楽しかったのに。。。
プレゼントだって…くれたじゃん
なのにどうして?
なんで?
好きな人って誰なの?
私の心の天気は一転して雨が降ってきた。
「うわぁぁぁぁん・・・」
涙があふれてくる。
予想していなかった展開。
誕生日。。。こんな最高な日なのに
私はなぜ泣いているのだろう。
どうして…
どうやって家に帰ったのか分からない。
お母さんはまだ仕事。
お父さんも仕事。
1人だった。
悠はもういない…
一人。。。
「悠っ悠~~~~~~~~」
聞こえるはずのない場所にいる悠にむかって
私は一生懸命叫んでいた…
天気は晴れなのに心の天気は…
雨だった。
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