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問題


 結局盗賊騒ぎは、ナージャ率いる砂賊部隊(現在、ナージャがサンドストームと仮名付け中)によって一網打尽にされた。


 今は順次シェクリィさんによる説法と聖域の浄化作用で、悪いものを落としてもらっている最中だ。

 ジンガさんが連れてきた村人の中に『修道女』の素養持ちの女性がいたので、今は二人体勢で走り回ってもらっている。


 おかげでハウスツリーで収容施設を新たに作る必要も出てきたし。

 新たに村に入れることになった人達の食料を考えると流石に現在の生産量で追いつかなくなったので、溜めてきたポイントを使って果樹園を大きく増やしもした。


 現在改心中の盗賊達も合わせると、村人の数は百人を超えた。

 樹もガンガン植えているので、そろそろ植樹レベルも上がりそうだ。


 それらの雑務が終わって、今はようやく一息付けたところだ。

 ただ、まだやらなければならないことが残っている。


「盗賊騒ぎは一件落着。村の吸収もとりあえずは終えた。それなら次に考えなくちゃいけないのは……」


「王国からやってきた難民達の村を、どう扱うかだな」


「そう、そこなんだよね」


 僕らがランさんの情報を下に出向き、吸収してきたのは、ずっとこの砂漠地帯で暮らしてきた人達だ。

 今まで辛い暮らしを続けてきたからこそ僕に感謝をしてくれて笑顔ポイントも溜まるし、王国のどことも紐がついていないからから、遠慮なく助けることができる。


 けれど、比較的領地から近いところにある砂漠地帯にできつつある新たな村の場合は、そうはいかない。

 ここ最近、僕の父であるコンラート公爵の圧政と重税、徴兵に耐えられなくなった人達が難民となって、即席の難民キャンプ村が砂漠地帯に作られているのだ。

 生活はかなり苦しいらしいが、それでも根こそぎ持っていかれる公爵領で暮らすくらいならとこちらで暮らす人達がいるのだという。


 彼らに対してどういう対応をすべきか。

 これはツリー村の今後に関わってくる、かなり重要な話だ。

 村に少し余裕が出てきた今が、先延ばしにしてきたこの問題にケリをつけるタイミングだと思う。


 僕はシムルグさん、シェクリィさん、ジンガさん達村の主要メンバーを呼び出し、話をすることにした。



「――というわけです。どうするのがいいのか、皆で意見を出し合えたらと思います」


「すみません、質問をいいですか?」


 事情を説明して広く意見を聞こうとすると、まずシェクリィさんが手を挙げた。


 ちなみにアイラはフルーツティー・リセンブルを色んなフレーバーを混ぜて作っており、ナージャは知っていることを話されているからか半分眠りこけている。

 君達、ちょっと自由過ぎない?


「どうぞ、なんでも聞いてください」


「今まで通り、彼らにツリー村で暮らしてもらうだけではいけないのですか?」


「いい質問ですねぇ」


 僕はどんなことでも懇切丁寧に説明する先生のように柔和な笑みを浮かべる。

 シェクリィさんは不思議そうな顔をしている。

 たしかにこれは王国政治の領分に入るから、わからないのも当然のことだ。


「簡単な話ですよ。今回の村人達は……下手に引き入れてしまうと、後々に王国との問題に発展しかねないんです」

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