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じぃん

「ランさん達が戻ってきましたよ!」


 兵士達をまとめてくれているダンが、ずざざざざっと砂を巻き上げながら報告してくれる。 『剣士』の素養持ちなだけはあり、ナージャに次ぐ実力を持っているらしいけれど、見た目は純朴な村人そのものだったりする。


「よし、報告ありがと」


 僕とアイラで、ランさん達を出迎える。

 屋敷と入り口との間の距離もほとんどないので、ちょっと歩けばすぐに彼女達の姿が見えてきた。


 けれど……あれ?


「なんか人、増えてない……?」


 ぐしぐしと目を擦るが、何も変わらない。

 夢幻を見ているわけではなさそうだった。


 ランさん達の後ろに、明らかに人が増えている。

 一、二……確実に十人以上はいそうだ。


「どうしたんですか、ランさん」


「色んな村を行き来しているうちに、今の村を出て行きたいって人達が結構な数居まして。私達の食糧事情的にギリギリになるくらいの人数を連れてきたんですよ。ウッディ様が以前、移住希望者は大歓迎って言っていたので連れてきたのですが……ご迷惑でしたか?」


「いやいや、まさかまさか!」


 笑顔ポイントも増えるし食料は余ってるから、村人が増えるのは大歓迎。

 ブンブンと首を振ると、ランさんが明らかにホッとした顔をする。

 どうやら彼女自身、ちょっと不安に思っていたようだ。


 ランさんと『白銀の翼』に守られるように固まっているのは、外套を羽織った集団だった。

 しっかり数えてみると、人数は合わせて十三人。

 年寄りから若い子まで、年齢も性別もバラバラだ。


 彼らが……初めての移住希望者ってことになるのか。


 じぃんと何かが胸の奥からこみ上げてくるものがあった。


 僕のことを認められたみたいで、僕のしてきたことは間違っていなかったのだと言われたみたいで……不覚にも瞳が潤んでしまう。


「どうして砂漠の中に、こんな森が……?」


「見て、果物がいっぱい生ってる! あれ、食べていいのっ!?」


「おお、ここは天上の楽園かの……」


 見れば皆、物珍しげな様子で村を見渡している。

 安心してください。

 ここからはこの場所が、あなた達の居場所になるんですから。


 なるべく怖がられないよう、にこやかな笑みを浮かべながら手を叩く。

 そして僕に集中した視線を受け止めながら……


「初めまして、僕はこのツリー村の領主をしているウッディと言います。皆様、ようこそツリー村へ。これから末永く、よろしくお願いします」

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