久しぶりに
ナージャにエレメントフルーツを見せてからすぐ、彼女が兵士達を率いて出て行く姿が見られるようになった。
どうやら色々と試してくれるつもりらしく、最近はほとんど毎日エレメントフルーツの催促をされている。
何故か入園もしたいと言われたので、シムルグさんの許可を取った上でオッケーを出した。 どうやらナージャは、果実以外にも色々と試したいことがあるみたいだった。
僕としても、エレメントフルーツの使い道を探すことくらいしかやることがないかもとは感じていた。
交配で作れるものについても一通りは作っちゃったしね。
そして次のレベルアップまでもまだ結構遠いし。
というわけで、僕は余っているポイントをエレメントフルーツの増産に使うことにした。
ナージャ率いる兵士達が不自由なく使える分くらいは日産できるよう、エレメントフルーツ作りに励んだのである。
おかげで今では、シムルグさんの居住領域がかなり広くなっている。
普通の樹を植えてカモフラージュはしているけど、明らかに不自然な感じになってしまっている。
でも無理になりそうになったらまた樹木配置で整えればいいだけだしね。
後先考えずバンバカ樹が植えられるようになったから、なんだか気が楽だ。
「よし、行こっか」
「はい、準備は万端です」
ハウスツリーを出て、唯一木々が生えていない、村の入り口へと向かう。
実は今日は、久しぶりの外出なのである。
ちょっとウキウキしながら出ると、ナージャ率いる戦士団が僕達を待っていた。
――そう、今日の目的は、彼女達の戦闘の様子を見ること。
エレメントフルーツを使うとどんなことができるのか、実際に見せてもらうことにしたのである。
「野郎共、今日はウッディ様がいらっしゃっている!! 気を抜くんじゃないぞ!」
「「「おおおおおおおおおおっっ!」」」
そ、そんなに気合い入れなくていいって。
いつも通りにやってくれるだけでいいんだけどな……。
前の方で張り切っている兵士達についていく形で村を出る。
砂漠に出るのは久しぶりだ。
僕とアイラは植木鉢に入れた小振りな世界樹を持っているので、樹結界に囲まれながら安全第一で進んでいく。
樹結界には魔物避けの効果があるので、僕とアイラは皆から少し離れて進むことにしていた。
ナージャ達は、時折トントンと剣で砂を叩いていた。
聴力に優れる魔物を釣るためだろう。
邪魔にならないように、少し多めに距離を取る。
すると数分もしないうちに、早速魔物が現れた。
「あれは……サンドボアーですね」
「うん、狩ってるのをみたことがある」
以前はたしかナージャ単独で倒していたっけ。
ダンやメグだけだとまだ倒せないとも言っていた気がする。
「今回は私は手を出さん! カディン隊、お前ら三人だけでやれ!」
「「「はっ!」」」
なんて考えていると、三人の兵士達が動き出した。
カディンってたしか、頭を張ってた人だよね……って、元砂賊の人達だけでやるつもりなの!?
……大丈夫なのかな。
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