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自動収穫

「一緒に行くぞ、ウッディ」


「うん、一緒に行こっか」


 ナージャと手を繋いで、村の外れの方へ行くことにした。


 村の中にあんまり密集させて樹を生やしすぎると、通り抜けるのが難しくなってしまう。

 村人の皆に地表に出てる根に足をひっかけて転んでほしくもないので、今は『植樹』を村の外側で使うようにしている。


 おかげでシムルグさんのウィンドマスカット園以外にも、小さな果樹園ができ始めていたりするのだ。


「よし、とりあえずリンゴと……」


 リンゴゾーンに数本ほどリンゴを植え、地面に落っこちているリンゴを食べる。

 砂漠の熱にあたり少し柔らかくなっているが、まだまだ十分美味しい。


 けれどあたりを見回すと、既にぐずぐずに腐っているリンゴや、更に時間が経ち種や芯だけしか残っていないリンゴの残骸達がいくつもあった。


「こう見ると、もったいないと感じてしまうな……」


「全部収穫できればいいんだけどね。収穫さえできれば、アイラの水魔法で冷やしておいたりできるのに……」


 僕の植樹は、一時間に一回果実が実ってしまう。

 そのためちょっと目を離していると次の果樹ができてしまい、元々実っていたものは落ちてしまうのだ。


 細かく『収納袋』に入れるようにしていたけれど、既に中身は結構パンパンになってしまっている。


 種にはなっているし、将来的には新たな樹として生えてきてくれるのかもしれないけど……やっぱりどうしてももったいないと感じちゃうな。


【『植樹』によるレベルアップを強く推奨致します】


「――えっ!?」


「ど、どうしたんだウッディ、そんな驚いて。ま、まさか私が使っている香油がいつもと違うことに気付いて……」


「素養が久しぶりにアドバイスをくれたんだよ」


「――な、なあんだ、そうだったのか! あ、アハハ……(ガクッ)」


 何故だか今にも膝から崩れ落ちそうな様子のナージャを支えながら歩き、ブドウ園へ。

 そして十本目のブドウを終えた時、キラキラと輝く光の板が現れる。


『植樹量が一定量に達しました。レベルアップ! 自動収穫スキル、収穫袋スキルを獲得しました!』




「自動収穫に、収穫袋……?」


 今回は交配や自動植え替えと違い、効果が名前からかなり想像しやすいスキルだ。

 けれどもし本当に僕の想像の通りなら……これで今まで抱えていた問題が、一気に解決できるようになるかもしれない。


 期待で胸をわくわくさせながら、早速スキルを試すことにした。

 まず最初に使うのは、自動収穫だ。


「発動……って、うわあああああああああああっっ!?」


 ドドドドドドドッ!!


 ものすごい勢いで、四方八方から何かが飛んでくる。


「ウッディ、下がれっ……ってこれ、フルーツじゃないか!?」


 ナージャは自分が切り捨てたのがフルーツだということに気付き、その手を止めた。

 そしてその間にも、ドドドドドッとアイラの水魔法に負けないほどの勢いでフルーツが僕の前にうずたかく積まれていく。

 気が付けばフルーツが、小山になって僕の視界を埋め尽くしてしまっていた。


 どうやらこの自動収穫は、僕が想像した通りに果樹から自動で果物を収穫してくれるスキルのようだ。


 であればこの収穫袋っていうのは……。


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