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ギガファウナ


 ギガファウナ討伐隊が結成され、僕らはカリカ平原へと赴いていた。


 陣頭で指揮を執るのは当然ながらトリスタン伯爵。

 彼の領軍と寄親寄子の軍、合わせて二百近い軍勢がやってきてくれている。


 副将はこの僕、ウッディ・コンラートである。

 僕の脇を固めてくれているのはアイラとナージャ。

 後ろにはサンドストームの面々が続いている。

 もちろん全員を連れて行くと治安上の問題もあるので、半分ほどを連れて来ている形だ。


 ウッドゴーレムは収穫袋に入れることができるために収納しているが、樹木守護獣の方は収穫袋には入らない。

 なので僕らの一行は少ない人間とそれの何倍もの動物達という、妙にファンシーな一行となっていた。


「そのようなかわいらしいペットを連れて、どうやらウッディ殿はずいぶんと余裕なようで」


 そんな風に僕らに喧嘩を売ってきた人達もいたが、神経を逆なでされて怒ったファイアキャットが一度黒焦げにしてやるとそれ以降何も言われなくなった。


 あんなに強い魔獣をどれだけ抱えているんだと、むしろ恐れられるようになった。

 魔獣じゃなくて樹木守護獣なんだけど……まあ舐められないならそれでいいから、誤解を解くつもりもないけどさ。


 そして今回は助っ人としてミリアさんやルルさん達ダークエルフの方々と、ファナさんが率いウテナさんやアカバネさんが同行しているエルフ達も共にやってきてくれている。


 ただし、エルフ達の数は少ない。

 未だダークエルフに対する隔意を持つ者も多いため、ファナさんが呼び集めるメンバーをしっかりと厳選したからだ。


 ウテナさんを始めとしてダークエルフに思うところがあるエルフ達も多いみたいだけど、今回は滅多に外に出てこないファナさんが直々に指揮を取るということで彼らの戦意は非常に高かった。


 時折いがみ合ったり、種族の違う者達で喧嘩が起きて両成敗をしたりしながら進んでいくこと二週間ほど。

 僕らはようやく目的地である地脈の吸い出し地点へとやってきた。

 そしてそこに見えているのは――とんでもなく大きい、二足歩行の巨人だった。



「あれが……ギガファウナ……」


「まだこれだけ離れているのにあの大きさ……ツリー村の世界樹よりも大きいんじゃないか?」


 その体色は薄い緑色。

 大きさは……とにかくでかい、ということしかわからない。


 まだ向こうがこちらに気付いていないくらい距離は離れているはずなのに、ここから見てもある程度大きい。

 近づいたら一体どれくらいになるか……下手したら、エルフの里の世界樹サイズかもしれない。


「伯爵、では手はず通りに」


「うむ、任せておけ」


 初撃は、僕らの陣営の中で最大の攻撃力を持つナージャが放つ手はずとなっている。

 僕がウッドゴーレムを収穫袋から出していく。

 この時のために用意しておいたウッドゴーレムの数は、実に1000を超えている。

 その圧倒的な数に、後ろにいる観戦武官達が息を飲むのがわかった。


「これだけ並ぶと壮観だな……ウッディ君が敵に回ることだけは、なんとしても避けなくてはいけないね」


「私とウッディが結婚すれば、そんなことはなくなりますよ」


「なるほど、道理だな」


 目の前に見上げるほどの巨体があるにもかかわらず、伯爵に緊張している様子はない。

 彼が馬車から降りると、その隣にナージャが立った。


「――行くぞ、デカブツッ!」


 ナージャが駆けていくと、ギガファウナに接近を気付かれる。

 けれどそこまで近づけばもはや関係はない。


 彼女がギガファウナの右足へ一撃を放つ。

 そしてギガファウナとの戦闘が、始まった――。


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