05 変身
屋敷の外へと出た我々一同。
シジミさんが離れた場所へとことこ歩いて、立ち止まってこちらを振り返った。
にやりと笑ったモノカさんが、
いきなりとてつもない大声で叫んだ。
「シブマ1号っ、バトルモードッ」
辺りには、静寂。
微動だにせぬシジミさん、
微動だにせぬ一同、
ひとり、頭を抱えてしゃがみ込むモノカさん。
「……うわぁ……またかよぅ」
とことこ近づいてきたシジミさんが、
モノカさんのそばにしゃがみ込んで、告げた。
「集音装置保護のための大音量カットリミッターが作動した模様なの、です」
「大変なご様子のところをまことに申し訳ございませんが再度のコールをよろしくであります、です」
再び離れたシジミさんに向かって、
マクラちゃんが可愛らしく呼びかけた。
「シブマ1号、バトルモード」
シジミさんの姿を大量のケムリが覆い隠して、
しばらくのち現れたのは、
あれはご存知、
ゴツくてイカつい試作型武装魔車、
シブマ1号!
「と、いう次第なのですっ」
得意げなノルシェさん。
「驚いたっ、ロボッ娘ちゃんだったんですね」
ちょっと言い方がアレだぞ、マユリ。
「早着替えがとってもお上手なのねぇ」
あれは着替えで良いのですか、メリルさん。
「人前で着替えする乙女のためにケムリで人目を遮るとは、さすがだなアリシエラさん」
だから着替えで良いのか、リリシア。
「そろそろシジミちゃんに戻してあげましょうか」
アイネさん、優しいですね。
しゃがみ込んでるモノカさんの背中をぽんぽんしていたマクラちゃんが、ちょっとだけ大きな声で叫んだ。
「シブマ1号、シジミモードっ」
再びのケムリまみれから、
しばらくして現れたのは、
スカートの両端を可愛らしく摘んだポーズのシジミさん。
一同から沸き起こる拍手。
モノカさんからはうつむいてぷるぷる震えながらの拍手。