第一話 美少女(笑)
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其処は、沢山の光が舞う平原。誰しもが美しいと感じるであろう、美しい平原。
其処に、一人の少年と少女が立つ。幻想的な光景でありながらしかし、それは悍ましさを感じさせる光景でもある。
何故ならば、少女からは光が溢れ出ているから。その光が、少女の魂そのものである事が分かってしまうから。
少年は悲しげに、少女は自虐的に笑っている。しかし、どんな話をしているかまでは分からない。
そんな状態が少し続いた後、少女から溢れる光の量が一斉に増す。その後、少女は跡形もなく消えて行った。
ーーーまるで、世界から存在ごと消されてしまった様に。
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「またこの夢か………。」
そんな言葉を発しながら、僕は誰も居ない部屋に呟く。最近いつもこの夢を見る。しかし、よく分からない事なので、僕の頭から自動消去される。僕の名前は水島亮。どこにでもいる普通の高校生である。しかし、普通でない点を挙げるならば頭が良い事、運動神経が良い事。そして、最後はーーーーー
「たのもー!!!」
そんな言葉と共に、家の扉が勢い良く開かれる音がする。いつも思うがやめてほしい。煩いし煩いし煩いから。
そんな事を思いながら僕は階段を降りる。必然的に出会うであろう、僕の悩みの種の顔を思い浮かべながら。
「いつも思うけどやめてくれません?煩いから。」
「無理!!!」
「さいですか……。はぁ」
こいつの名前は杉並あずさ。なんて言えばいいかな、最悪。どこを見てもその感想しか思い浮かばない。
だってさ、幼馴染みなんだよ、一応。それでさ、変に顔も良いし猫被ってるからさ、人気なのよ。でさでさ、僕は顔良く無い訳よ。ね?分かった?僕は学校ではいつも嫉妬の視線を感じてるの。
ストレスだったらありゃしない。だから僕は恨みも込めて、こいつを美少女(笑)って呼んでる。
「今凄く失礼な事考えただろう?」
「簡単に言えばお前のせいで友達出来ないし居心地悪いしで、やっぱり美少女(笑)って迷惑なんだなって」
「私一人と友達沢山、一体どっちが大事なの!」
「友達」
「まさかの即答!?!?」
いつもの朝である。こいつと会話して、やはりいつも通りだと感じる。いやー、今日は普段と同じように過ごせるだろう。
「まあ良いです」
「前言撤回。今日は何かあるわ」
そうなのだ。こいつ、粘着するタイプなのでいつもはもっとねちっこい。そいつが簡単に引き下がるなど世界の終わりではなかろうか。
「なんで!?私いつも通りだよ!?」
「全然いつも通りじゃない。寧ろ天変地異の前触れだと言われた方が納得する」
「私だってこーゆー時もあるんですっ!!!」
ぶりっこかな?そんな事を思いながら、僕の騒がしい朝は過ぎ去っていく。
この日が、僕の人生の最大の分岐点になる日だと知らずに。