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異世界転生幻想放浪記  作者: 灼熱の弱火 
堕ちた心と堕ちぬ心
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第71話 リリアーナ・フィーア・ゾルティア

「ニエノヒメ」

その言葉を聞いたリリアは、全身から力抜けるような感覚に襲われていた。

「あ、あなたは第3王子の家臣・・・・。」

狼狽え、動揺するリリア。それに対しゾクマは逆に彼女の言葉を聞き冷静になれた。



「まさか、本物がここに居るとは夢にまで思いませんでしたよ。一体どんな魔法を使ったのでしょうか?姫様・・・。その様子だと、あの計画は何らかの形で失敗だったと・・・。くくくく・・・これは私にも運が向いて来たと言う事でしょうか・・・。ふふふ、あはははは・・・・あーーっはっはっははぁ!。こんな人間臭い所で飽き飽きしていた所です。さぁ姫様、私と、私と共にあの計画の続きをしようじゃありませんか!! 『贄の姫(にえのひめ)』よ!。」


そう言うとゾクマは左手をリリアに向け指先から数本の肉の触手を放つ。

虚を突かれたリリアは飛んできた触手に対応出来ず、首と両腕を捕えられ、絞められてしまう。


「むぐうううぅぅ。」

両腕と首に触手を巻かれ、締め上げられるリリア。振りほどこうにも触手が思いの外強く、意識を落とされそうになり右手も複数の触手に縛られ剣をあげることすらできない。左手は完全に封じられ杖を強引に引き剥がされる程だった。


「くくくく、まずは現在の状況をよく視させていただきますよ、姫様。『暴虐の瞳(ぼうぎゃくのひとみ)』。」

今度はリリアをじっくり観察するべく、ゾクマは先程と同じく右目に怪しい光を放つ。その魔法は彼女の表面ではなく内部を見る透視魔法。いわばレントゲンだ。

ゾクマはリリアの現在の肉体の状況を確認する。


「ほほう。封印は掛かっているようですねぇ・・・王子様達は一応やってのけた訳ですねぇ。それではどうやって此処に・・・?しかもまだ生娘?・・・。むぅぅ、我が王子の魅了の呪いが付いてない?それに転換も・・・?これはどういう事でしょう。」


暴虐の瞳によって次々と暴かれ出来事を前に、リリアは目の前の触手を振りほどこうと必死に足掻いていた。それに築いたゾクマは少しだけ首を絞めつけていた触手を緩むと共にリリアに話しかけて来た。


「姫様、封印が効いている状態でどうやってあのダンジョンをお出に?本来はあそこで生涯を過ごす予定のはずでしたが?何か変更されてんでしょうか?。」


「そんな事知らないわよ。勝手に私の生涯を決めつけないで欲しいわ。それにアンタなんかに姫様なんて言われたくないわ。」


「そうおっしゃらずに、我が王国の第4王女、リリアーナ・フィーア・ゾルティア様。」

その言葉は、ゾクマの魔霧の麻痺毒で動けない者達への説明を兼ねての言葉だった。

それを聞いたファリップやレミィは驚愕している。


「・・・・わざと説明したわね。」

「いえいえ滅相もございませぬ。この者達は今から先に散って行く命故、リリアーナ様の偉大さをその身に刻み込む為に教えたのですよ。」


「居ない者として扱われていた私が偉大だなんて、皮肉もいいところよね。」


「まぁまぁそうおっしゃらずに、これから貴女様のおかげで魔族がこの大陸を手に入れる事が出来るのです。魔族の歴史に大いなる名で刻まれる事でしょう。」


ゾクマはニヤニヤと邪な笑みを浮かべながらそう言い放つ。

「さて、リリアーナ様にはいくつかお聞きしたい事があります。封印の他には何か呪いのような物は受けませんでしたか?。」


「答えると思ってる?。あんたなんかに?」


リリアはゾクマを睨みつけ吐き捨てる様に話す。呪いを解いて助けてくれたディードの母ファルナの事は、例え魔族の計画に陥れられても喋る気は無いという気迫だ。



「ふぉふぉふぉでしょうなぁ。まぁまた掛ければいいだけの事ですし、実験できるダンジョンもある、そして贄の姫であるリリアーナ様も我が手中、さらには今他の魔貴族達は各自あの計画された事を実行中。くくくく、やはり運が向いてきてる・・・・これでリリア―ナ様を魔物の母にすれば、私の・・私の夢も叶う。ああこれからの事を想像するだけでは納まりきれませぬ!さぁ姫様さっさと準備しましょうか。そして歴史に貴女と共に私の名を刻むのです。」


ゾクマは歓喜し、さらに邪な笑みをリリアに向ける。それはこれからの事を妄想していたのだろうか。



「くっ・・・離しなさい!。誰がアンタなんかと・・・。」

リリアはゾクマの触手を外すべく足掻いている。しかし足掻けば足掻く程触手は硬いロープの様にリリアの身体にきつく巻き付く。


「そうですか・・・まぁ冒険者に別れは不要・・・否、角の無い人間や家畜などに向ける言葉も要りませぬな。それではご退場してもらいましょう。」

そうゾクマは言い放ち、何やら魔法を唱えようとしている。彼の足元には魔法陣が出来始めた時に不意に声が聞こえてきた。



「退場はお前だ!。」


吐き捨てるような思いを込め、ディードはリリアを拘束していた肉の触手を断ち切り、更にゾクマを斬りつける。虚を突かれたゾクマはリリアの拘束は解かれるものの自身の斬撃は回避していた。


ディードはゾクマには追撃をせずリリアに巻き付いている触手を断ち切る。

拘束を解かれたリリアはその場で崩れる様に手をつき呼吸を整えていた。

「あ・・・ありがとうディー。」

「お礼は後だ、今はコイツを仕留める。」


「解毒薬か・・・中々準備がいいな。だがこの状況で倒せると?。」


「ああ、それに今すっごく気分が悪いんだ。お前が人間を実験台にしたように、俺の実験台になってもらおうな。」


ディードはゾクマに刀を向けながらそう言い放つ。

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