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異世界転生幻想放浪記  作者: 灼熱の弱火 
堕ちた心と堕ちぬ心
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第67話 ギロンその2

 

「どけ!ウサ・・・・いやレミィ!」

 ガロンは正面に展開されたレミィにスキル【兎の盾(ラビットシールド)】の前に苛立ちが隠せないでいた。


「ダメです、貴方を一人先には行かせません。ディードさんに止めるよういい渡されましたから。」

 レミィはガロンの前に立ち、少し息を上げながらも双剣を構え臨戦態勢になっている。

 あの時ガロンが走り出した後、レミィに追いかける様にディードがお願いしていた。彼女はその願いを聞き入れ即座に追い付こうとするが、追い付いたのは既に2階まで下りた後だった。


「まったく、狼を追いかけるウサギって・・・逆じゃないですか。少しはこっちの話も聞いてください。貴方がアレ(ミミック)に捕らわれると面倒なんです。」

「そんな物なんぞに俺が捕らわれる訳が無い!、早くアイツ(ギロン)を止めないと被害が大きくなる。だからどけ!。」


「どきません!。」

「おのれ!・・・・こうなったら・・・。」

 苛立ちが抑えきれずにガロンは背に背負っている大剣に手をかけ抜刀と共にレミィに攻撃を仕掛ける気でいた。


「多少のダメージを喰らってもここを通させてもらうぞ!。」

 ガロンは覚悟を決め、飛び出すタイミングを図っていた。だが、


「ガロンやめるんだ。」

 遠くからディードの声がガロンの耳に届いた。ガロンは振り向き臨戦態勢のままディードに振り向く。

 ディードは少し呼吸を荒らげながらもガロンに剣を収めるように説得する。


「ガロンよく聞け。今、お前が単独でギロンを討伐しようものならお前達、赤い爪は解散もしくは全員犯罪か特殊奴隷に身を落とされる可能性がある。」

「あ!!何故そうなる?ギロンは既に赤き爪を追放している、リーダーである俺に責が来るのはわかるが、何故全員そうならればならんのだ!。」


「それは・・・今君の・・・その行動が・・・口封じk・・・ぜぃぜぃ、かもしれないから・・・だ。」

 ディードより後方から大きく息を切らしながらファリップとそれを見守る様にリリアが姿を現した。


「俺は口封じなんぞせん!ギロンを止める為だ。アイツをここから生きて連れ出し、裁きを受けさせる!。」

「だけど死んでしまった場合はどうなるんだい?それこそコイツの単独で俺は悪くないと言ってしまえば、言い逃れ出来るじゃないか。」

「俺は断じてそのような事をしない!。」


 ガロンの苛立ちは頂点に達しようとしていた、彼は今すぐにでもギロンの元へ飛び出そうとしている。



「ガロン、良く聞け・・・・ギルド命令だ。この緊急事態の件を指名依頼とする。依頼内容はギロンの確保、そして俺の護衛だ。これは虹の翼との共同依頼だ。拒否すればお前を冒険者殺しの共犯者として連行する。」


「なんだと!それは横暴だ!。」

「今まで横暴な態度でやってきた赤き爪が今更何を言う。いいかこれはお前の為にでもあるんだぞ?。まず1度ダンジョンの外に向かう2名を決める、内容は俺の杖とを持ってくる事、それとココルに指名依頼の事を伝える事だ。俺からの伝言と伝えればギルドはすぐ動く。お前の身の潔白にもなるんだ。従え、悪い様にはしない。」

「ぬぐぅううう。」


 ガロンを苛立ちながらもファリップの言葉を聞く、その顔は苦虫を嚙み潰したような顔だ。ここでファリップがくだらない事を口走ろうものなら、ガロンは容赦なく殴りかかっていただろう。だが彼はその感情を押さえつけ冷静にファリップに問いかける。


「1つ、いや2つ聞く。受ければ赤き爪のメンバー達に何もしないのか?それと、ギロンは俺の手で止めたいが可能か。」

「受ければ赤き爪のメンバーには何もしない。それとギロンはならべく殺さないで捕らえたい。それはお前が受け持っていいもし、それでも止まらなかった場合は・・・・覚悟決めろ。」


 覚悟を決めろ、その言葉の意味はガロンにとっては重くのしかかる言葉であった。

 その言葉の意味は勿論、ギロンの〝死〟を意味する。

 ガロンは一度目を閉じ深呼吸をしゆっくりと目を開ける。そこには先程までの感情だけで先走る彼ではなく、強い意志を持ち覚悟決めたような顔持ちだった。


「気に食わないが・・・・わかった従おう。1度外に出るのは俺とレミィでいいか?往復する時間も最短で済む。それと俺の装備を変えたい。」

「わかった、ここで待っているから必ず合流するんだ。決して一人で行くなよ。」

「・・・ああ。だから一番早い奴と往復するんだ、すぐに戻る。行くぞレミィ。」

「ちょっと勝手に人を呼び捨てにしないでください。それじゃ行ってきますね。」


 ガロンはレミィに声をかけた後すぐに来た道を逆戻りし始めた。レミィは1度ディードとリリアに断りを入れてからガロンの後について行く。その様子を見て、ファリップは大きくため息を吐き愚痴をこぼす。


「まったく、いつもこんなに言う事聞いてくれればいいんだけどねぇ・・・・。」





 ガロン、レミィの2人は1度地上に戻ると目的の人物であるココルを探す。ダンジョンの出入り口では未だに人だかりが出来ている。ディード達が治療した誓いの空の3人もまだここを動かず他のギルド職員からの話をしている。するとそこに赤い珠を包むような感じの杖を持っている女性が居た。ココルだ。


 レミィはココルを見つけファリップの言付けを伝える為に近づく、彼女もまたレミィの存在に気が付いてくれたようで、こちらに向かって来てくれた。

「ファリップさんの杖をお持ちしました、どうぞ。」

「はい、それとファリップさん言付けをお伝えします。この件は指名依頼で、虹の翼と赤き爪が合同で受ける事になります。その様に処理してくれとの事です。」

「そうですか、わかりました。ギルドに戻ってそのように処理いたしますね。それではご健闘をお祈りしています。」

 ココルはレミィにそう伝えると杖を渡し、小走りでギルドに向かった。


 一方ガロンは赤き爪のメンバー達を見つけ、その集団に向かって行った。

「ミロダ、指名依頼だ。内容はギロンの確保、俺の武器を双剣に替える急いで持って来てくれ。」

「ちょ・・・え?ギロンの確保?あ、兄貴一体何を?。」

「急げ!帰ってきたら全部話す、今は時間が惜しいすぐに用意だ!。」

「へっ・・・へい!。」

 ミロダはガロンの言葉に慌ててすぐに行動に出る。ポーターから双剣を受け取りに行ったようだ。

 ガロンは、待っている間に先程ディード達が治療した3人の所に向かう。向こうもガロンが近寄ってくるのを感じ、警戒心を露わにしている。


 ガロンはそんな警戒心を感じつつも3人の間に立ち止まり無言で見つめていた。

「な、なんだよ・・・俺等の無様な姿を見て笑いに来たのか?。それともここで止めを刺しに来たのか?」

 チマがガロンに向って忌々しい目つきでそう問いかける。彼等は未だにギロンが単独で襲ってきたのではなくガロンは首謀者だと思い込んでいる。


 だが、次の瞬間彼等は意外な物を見てしまう。ガロンが突如片膝を付け3人に頭を下げたのだ。

 突如頭を下げ何も言わないまま頭を下げ続けるガロンに、チマ達3人はお互いの顔を見合い、そして戸惑いながらどうしていいのかわからないでいた。少しの間何とも言えない重い雰囲気が流れる・・・だがそれを打ち破ったのもガロンであった。彼は顔を上げチマ達3人に向かった話はじめた。



「信じろと言うのも無理かもしれないが、10日位前にギロンは赤き爪を追放している。だが、この現状を作った・・・いや作ってしまった原因は俺だ。 必ず奴を連れてケジメを付けさせる。必ずだ。」


 そう言ってガロンは立ち上がりダンジョンの方へを向かう。向かうその先にはミロダが双剣を用意して待ってくれていたようだ。ガロンは無言で受け取り再びダンジョンへと向かって行く。


「あ、兄貴待ってくれ、俺等も行く。」

「無用だ、この件はかなり事態を要する。ミロダ、お前は守りは強いが足は遅い。もしギロンと対峙する時はそれが仇になってしまう。これは俺とそこの虹の翼と行く。赤き爪の残りのメンバーはギルドにて待機、1日かかって戻って来なかったら宿で待っていろ。」


ミロダの言葉を冷静に対処し指示を出すガロン。そしてミロダの返事を聞くことなくガロンはダンジョンへと走り去っていった。

 

 レミィはその姿を見つつ彼を追いかけるようにダンジョンに向かって行く。

(意外な所もあるですね、常にそうしていたら、きっと赤き爪はもう少しいいパーティーとして評価されていたのかもしれませんね。)

 そう心の中で呟くレミィだった。




 その後何事も無くガロンとレミィはディード達に合流しファリップに杖を渡した。

「それではこれより、合同依頼を開始する。目的はギロンの確保、可能であれば同じようなトラップを破壊しつつ探索、以上だ。」


 ファリップの言葉と共に一同は頷き彼を中心とした臨時パーティーが発足される。前衛にはガロンとディード、後衛にレミィとリリア、そして中心にファリップ。探索を開始しつつ階層を進む、途中で魔物は襲って来るものの、ガロンとディード2人で対処できる程度の数しか襲ってこなかった。







 そして7階層に辿り着く頃、それは起こった。ガロンが何かを感じ取ったのか、急に立ち止まり次にレミィが武器を構えながら周囲を警戒している。その顔は真剣そのものであり、ここの階層で出るスケルトンとはまた違った気配を感じている様だ。


「何かいる・・・・気を付けろ。」

 ガロンの言葉に周囲を警戒している面々。警戒している中カラカラと音を立ててと歩いてくる音がある。

 この階層のスケルトンだ。それもかなりの数がガロン達前衛の方かやってくる。


「なんだこの数・・・・だが放っておく訳にも行かないな。」

「そうだ・・・・な!?。」

 ディードがガロンの言葉に受け応えようとした時、ディードの左手方向から弾丸のような速度で来る、何かが襲ってきた。ディードはそれを咄嗟に刀で受けたがその衝撃を受け流せずにファリップの居る所まで押し込まれてしまう。



「ハーーーーー!ッハハハ!見つケたぞヤサ男。出会っテ早々だが、黒牙のイい餌になリヤガれ!!。」

 剣を放ったのは両腕が肩まで黒く染まったギロンだった。






今日は何の日かって?

やたら忙しかった25日の金曜日だよ(血涙)



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