第57話 製作
この話は2つの閑話 リリアの憂鬱とお節介兎の話が少し含まれています。
「これが・・・・。」
絞り出すように出た言葉、ディードの持つ手には今完成したばかりの刀が掲げられていた。
白い雲をイメージさせる鞘、そして抜き身の刀身は蒼く、見る角度を変えれば虹の様に色が変わる刀。
柄に黒と青色の糸で編み込まれた柄糸が綺麗に張り巡らされ、均等に菱形の隙間を作っていた。
鍔は丸形、デザインはと雲と虹をイメージした加工が施されている。柄元には鮮やかな琥珀色の玉石のストラップが付けられている。
「まったくとんでもない男じゃ。ミスリルを一から作り出しおって、お主みたいのが増えたら将来店を畳むしかないのぅ。」
皮肉たっぷりにジロエモンが槌を肩に掲げ大きくため息を吐く。だがその皮肉さは嫉妬や妬みではなく、将来自分を追い越していく有望な弟子を見るような目であった。
「あははは、そんな事無いって。これはジロエモンさん達の協力と、この槌があったから出来た物であってまだまだ俺は未熟者さ。」
そう言ってアイテムボックスから取り出し陽の光を浴びて輝いているのは、アイリスに渡された『女神の槌』だ。
「それだけの業物じゃ、銘を与えてもいいじゃろ?お主はその刀に名前を付けるか?。」
「名前はもう決まっているんだ。」
「ほう。聞いてもよいか。」
「『時雨』。」
「ほぅ、いい名前じゃな。」
「でしょ?イメージにぴったりなんだ。ありがとうジロエモンさん。俺の我儘を聞いてくれて。これは一生の宝物だよ。」
「それはこちらもじゃ、出来ればこれからも贔屓にしてくれると助かるわい。」
「それはこちらからもお願いしたい。まだまだ俺の我儘を聞いてもらうからね。」
「程々にしてくれ。お前さん専属の鍛冶師になるとこっちの命が持ちそうにもないわい。」
「あははは、そうだね程々に頼むよ。そう、この時雨みたいに程良い雨の様に注文するよ。」
「まったく・・・・。」
2人は顔を合わせ微笑み合い、互いに拳を突き合わせた。この事がきっかけとなり2人は良き友であり悪友とも言える存在となった。
――――――
話は数日前ディードが頼み事をした時までまで遡る。
「もう一度同じ物を買って来いじゃと?。」
ジロエモンはディードの考えを理解出来ないでいた。確かにその素材は1つに合わせるとミスリルにかもしれない素材だったが、コストが高く錬金術師が必要になってくる。その上いくらミスリルの同じ素材と言われても、小さい物や欠けた物鉱石の魔力が少し抜けれている物まである。
「ああ、これでいいんだ。失敗した風に装ってもう1回買って来てくれればいい。それを頼みたい。」
「なんじゃお主は錬金術師にでも知り合いがいて且つ何か大きな貸しでも作っているか?。」
「あははは、そんな知り合いいないよ。ただね、ミスリルと同じ素材が集まれば加工して同じ結果を生み出せるんじゃないかなって思ってね。」
「それで金貨2枚分を実験に使うと言うのか・・・・・成功する見込みはほとんどないんじゃぞ・それでも良いのか?。失敗するくらいならその素材を別のに使う事もできるんじゃぞ?。」
ジロエモンはディードの願いにやや呆れつつも一応説得を試みる。だが、ディードは笑顔でそれを否定してきた。
「大丈夫、多分失敗しないから。」
笑顔で答えるディード彼はアイテムボックスから槌を取り出し見つめながらそう言い切った。それに対し、4人は不思議そうにその姿を見つめていた。そして彼等はダンジョンに潜り兵士蟻とオークを狩り続けるのであった。
そして兵士蟻の魔核とオークが大量に集まったその日の夜、≪住処≫に訪れ、ファグとアイリスと話をしていた。
「これだけあれば出来るが、後はお前の魔力次第だな。」
「そうね・・・ってか1から作るって発想は正直驚いたわ。」
「そうか?1から作ってなんだか面白うそうだし、あの時に念話でファグに相談しておいてよかったよ。」
ディードはジロエモンが仕入れてきたミスリルになるかもしれない鉱石や鉄をアイテムボックスに入れ、2人に見て貰っていた。
そして2人は地の魔力が少し弱い事を指摘し、念話でダンジョンに潜る前にディードに地の魔核を集める様にと指示していたのだ。それが兵士蟻の魔核である。魔力は少ないが数は多く、地の属性をもつ兵士蟻は材料にうってつけの存在であった。
「魔核を槌で砕きベースとなる素材、今回はその鋼鉄だな。それに魔力を注ぎながら打ち込んでみろ、槌に貯められた魔力でその素材を変質する、そこからどう扱うかはお前次第だ。」
「わかった、それじゃ色々試してみるよ、それじゃ行ってくる。」
「レクチャー代として食い物を寄越せ。まずは―――。」
「オーク何体かあるからそこから持ってけ。」
そう言い残しファグの言葉を遮りディードは≪住処≫を後にする。ファグは言いたいことを打ち切られ少し、しょんぼりした顔をしてた。 それを見てたアイリスがクスクスと笑いファグに話しかける。
「お菓子要求は出来なかったわね。」
「・・・・うん。」
項垂れる銀狼の後ろ姿はまるで、飼い主が出かけて行きお留守番をさせられる犬の様だった。
翌朝。
「まずはコレを強化してみたいと思う。」
そう言ってアイテムボックスから取り出したのは、かつてディードとリリア達が初めて挑んだゴブリンの洞窟で使われた大地の短剣だった。
「それってあの時地面に刺した奴?」
「そそ。あれ以来使う機会が無かったからね。そのままにしておいても良いんだけど、勿体無いから改良しようと思ってね。」
ディードは大地の短剣を少しの間見つめた後、意を決したのかアイテムボックスから大量の兵士蟻の魔核とジロエモンから買い取った大地の結晶を取り出した。
「これから作業に入る。ジロエモンさん手伝ってくれ。ララさんも出来れば手伝って欲しい。」
「「勿論だ。にゃ」」
ジロエモンとララは声を揃え応える。リリアとレミィも手伝おうとしたのだが、作業場には3人程しか入れる余裕は無く人数が増えれば完全に身動きが取れない状態になる。それを案じたのかディードから2人にとって思いも寄らない言葉が出てきた。
「すまない、こっちの作業場は見ての通り狭い。今日は武具を作るのに集中するので今日は冒険家業はお休みって事になる。ごめんね。」
ディードは2人対し手を合わせ素直に謝罪をする。2人はいきなりの休日を言われどうしていいかわからずに困惑していた。
「取りあえずコレを渡しておくね。何か欲しい物があったら買っちゃって。それじゃ作業に入るから。」
そう言って渡されたのは、10枚ずつの銀貨だった。渡された銀貨を手にして互い見つめ合いどうしようか困っている2人・・・・・その困惑している姿にも少し罪悪感を感じつつも工房の奥へと向かうディード。
ポツンと残される2人・・・そして少しの沈黙が流れた後レミィはリリアに話しかける。
「取りあえず私は、・・・・そうですね、寄り道してからギルドでダンジョンの情報を買ってこようと思います。武具の製作が終われば、11階以降と目指すと思うので。」
レミィはどこかに寄り道してから、ギルドでダンジョンの情報を買うようだ。11階からは自分達に未知の領域、知識を入れても全く損が無いと思いレミィは行動するようだ。それはポーター時代に無知で苦労した経験が彼女のどこかに小さな不安を抱えさせているのかもしれない。その小さな不安をさらに小さく、もしくはゼロに近くするために準備を怠らないようにするかのようにも思えた。
「そ、そうね・・・私は・・・・何をしようかな・・・。」
困った顔でオロオロとするリリア、いきなり休みと言われてもどのように過ごせばいいかわからなくなっていた。
「とりあえず街を散策とか、雑貨や服とかどうです?。着替えは少し増やしておいても損はありませんし、まさかディードさんを連れて行くとかはさすがに・・・・・。」
レミィは取りあえず提案する、このまま工房の前で時間を潰すよりは何かした方がいいと促す。
勿論リリアがディード達の邪魔をしないのはわかっているが、ふと休憩なので辺りを見回し彼女が居たら、その後はさすがに集中できないだろうと思っての事だ。
「あ~そうよね~。確かに言われてみればディーと一緒に下着は無理かなぁ。あははは。私は少し散策してみるね。」
レミィに促され促され取りあえずこの場を離れようと思うリリア。確かにレミィの言う通りディードを連れて下着を買いに行くなんて事は、絶対に出来ない。男女の関係になっていない状態でそんな事をすれば、互いに大ダメージを与えかねない(精神的に)
リリアも何か冒険の役に立ちそうな物とかを探しに行こうとその場を離れるのであった。
一方ディードは兵士蟻の魔核を女神の槌で粉々に砕いていた。1つ置いては砕き、また1つ置いては砕きと・・・黙々と作業をこなしている。その作業光景を怪訝な表情でジッと見つめる、ジロエモンとララ。
「ジロさん、あれは何をしてるのかにゃ?。」
「わからん・・・ただ魔核を砕いてるようにしか見えんが・・・・?」
傍から見ればただ槌で魔核を壊しているだけかもしれないが、実際は魔核を砕き槌に魔核から得た魔力を貯めいる最中であった。魔力が溜まっていくと槌は薄っすらと光を帯び、充填されていくのが見えた。
十分魔力が溜まったのをディードは確認すると、今度は金床に鉄の塊を置き槌を振るい始めた。それを見たジロエモンは慌てて止めようと入る。それもそのはず、鉄の塊は冷えたままだ。炉に火を入れる前に叩けばどうなるか結果は目に見えている。
「おぃ!ディード本当にお主鍛冶をやった事あるのか? 何か不思議な事をし始めたと思えば、火も入れていない鉄をいきなり打ち出すなんて、素人以前の問題じゃぞ!。」
「大丈夫、これを見てて。それと相槌を打てるようにいつでも準備してて。」
「何を言っておるんじゃ。そんな打ち方で鉄が伸びるわ・・・け・・・・伸びてる・・・?。」
ジロエモンは鉄の塊を見て驚愕している。ディードが槌を振るう度に鉄の塊が徐々に形を変え伸びてきている。さらにその塊は薄く光を帯び始めいる。まるで鉄の塊自体が意思を持つかのようにゆっくり伸びては戻りを繰り返している。その姿は呼吸をするかのように。
ある程度伸び切った所でディードが大地の短剣の刃を置き、やっとこで掴みながら大地の短剣を包み込んだ。その姿を見てジロエモンは呆れた様な顔する。
「そんな事をすれば、普通なら接続部分が脆くてすぐに壊れるんじゃが、お主のやっている事は訳がわからな過ぎて突っ込み切れんわ。」
「あははは、ごめんね。俺もこうやって製作するのは初めてだから見逃して。もうすぐ1つに合わさるから準備して置いて。」
「むぅ・・・腑に落ちないが・・わかった。」
やがてディードの言う通り大地の短剣と鉄の塊は1つとなり淡い光を放つ。それから2人は短剣を打ち始めやがて数時間後、大地の短剣が大地の剣となって生まれ変わっていた。
「とりあえずこんな物かな?後は鞘なんだけど、どうしようか・・・。」
「それは俺とララがやる、ってかやらせろ。その剣はお前が作ったんだ。コレくらいやらせろ。」
「あ~それじゃ頼もうかな・・・シンプルなのでいいから。」
「おう任せろ。やるぞララ。」
「はいにゃ。」
ジロエモンとララは大地の剣の鞘を作るべく木材を吟味している。するとそこへタイミングよくレミィが工房へと入ってきた。
「こんにちは~。どうです?進み具合は?」
「今1つ剣が出来た所、それで今休憩しようかなと思ってたところなんだ。」
「そうですか。・・・それなら。・・・・ってララさん何してるんですか?。」
「おいしそうな匂いがするにゃ。お昼ご飯の差し入れかにゃ?」
ララが匂いに釣られレミィの持っている袋の匂いを嗅ぐ、それを見たレミィは少し不満そうな顔をし袋をララから遠ざける。
「これは私の服や下着とかが入っている物であげられません。後でディードさんに私の荷物と一緒に入れようと思って持ってきたんです。今さっき外で食事を済ませてきたので匂いが移っているだけですよーだ!。」
そう言うとレミィは舌を出し、ララに『あっかんべー』と言わんばかりな態度を示す。 ララは不思議そうな顔をするが少し考え後ジロエモンの所に戻って行く。 レミィはその場で胸を撫でおろしディードに問いかける。
「ディードさんはお食事は?。」
「いや、まだだよもうそんな時間なのかい?。」
「もうって・・・既にお昼を取るには時間が遅いぐらいですよ?。まだ食べていないのなら今のうちにそこのカフェとかどうです?軽く取って夕飯も取れる様にした方がいいかも。」
「そうだね、レミィちゃん言う通りにしようかな、すぐそこのカフェだよね。」
「ええ、ついでなんですが夕飯は皆で取ろうと思いますので、夕食の材料を買って来ていただけませんか?。出来れば野菜など多めに・・・。」
「んー、わかった。レミィちゃんはここにいるの?。」
「はい、ここで少し休んでそれから下準備とかしておきますので。」
「そっか、それじゃちょっと外に出てくるね。」
ディードはレミィに促されるように工房の外へと外出する。その姿を見て後ろを付けて行こうとしたが、ララに服の裾を掴まれる。振り返るとララは物欲しそうにレミィの顔を見つめ話しかけて来た。
「そろそろその下着、食べ頃を過ぎるにゃ、できれば分けて欲しいにゃ。」
そう、袋を見つめながらレミィに問いかけてきた。ララはその中身が食べ物である事知っていて黙ってくれていたようで、レミィが外出するのであればそれを貰いたいと思いレミィの裾を掴んでいた。
「やっぱりわかってましたか・・・まぁ黙っててくれたのでこれは差し上げますよ。」
「ありがとにゃ。レミィは気遣いの出来るいい子にゃ。」
「褒めたってそれ以上は何も出せませんよ。私も少しだけ席を外すので・・・・。」
「わかってるにゃん。ここにレミィはずっといたにゃ。」
「・・・・・ありがとうございます。」
そう言って、レミィも外へと出て行った。
(・・・お節介の好きなうさぎさんだ・・・まぁそこが初々しくて可愛いにゃ。)
ララはそう思いつつ、レミィから譲り受けた袋を持ってジロエモンの所へ向かう。
ディードはレミィに勧められたカフェへ向かう。すると2人の冒険者だろうか、何やら慌てた様子ですれ違う、手に持っているのは破壊された武器だ。
「くそ、あの女変な武器を使いやがって・・・次に遭ったら覚えてろ・・・。」
「まったくだ。あの女・・・ちょっと綺麗だからって高くとまりやがって、とんだ食わせ者だぜ。」
ディードはすれ違う2人の様子に、心覚えのある女性を思い浮かべていた。
(どう考えてもリリアだよな・・・?)
過ぎ去る2人を見送り視線を戻すと、大きくため息をつき頬杖を突き始めている女性を見つける。リリアだ。
(ナンパされて、しつこくされて激怒したって感じかな?そうなると、この後は一緒に行動したほうがいいのかな?)
ディードはそんな思いをしつつリリアの背後に立つ。先程の件があった為なんだろうか?リリアに近づこうとするディードに警戒の色が濃い。その顔は『今は近づいちゃダメ!』と言わんばかりだ。
そんな店員の心配の他所にディードは静かにリリアの背後に近寄る。その時リリアが独り言のように呟いた。
「ディー・・・・私はどうしたらいい?。」
「そうだな・・・取りあえずここで一緒に軽く食べたら、夕食の材料を買いに行こうか。肉だけじゃ飽きるし。それに野菜も買って来てと頼まれたし。」
リリアの答える様にディードは言葉を返すが、リリアは本人がいると思っていなかったららしく、背後から聞こえてきた返答に驚き即座に振り返る。
「い、いつからそこにいたの?。」
「え?今さっき。近くに寄ったらどうしたらいいって言うからてっきり気づいているものだと?。」
ディードは慌てふためくリリアを不思議そうに見て自分もここで軽食をし買い物に出る事を伝えた。勿論レミィにここを勧められて来た事も伝えてある。 リリアは少し考えつつも一緒に買い物へ同行すると伝える。ディードはそれを了承し、軽食を済ませ買い物に出る事になった。
レミィに頼まれた買い物を終え、工房へと向かう2人だったがふと視界に入った雑貨屋を覗くことにした。
「へー色々あるんだね此処は・・・・。」
「そうね、アクセサリーとか色々あるけれど、冒険者用じゃなくて一般用かしらね。でも装飾は綺麗・・・。あら・・・これは?」
リリアが手に取って見た物は小さな琥珀色の玉石だった。いくつかあり手に取って見ている。
「それは加工の時に魔力が抜けてしまった魔石なんです。魔石の効果は無いですが装飾用やお土産用にいかがですか? どうです?彼氏さん。彼女のプレゼントに?。」
マジマジと見ているリリアに対し、女性の店員さんがチャンスとばかりに勧めてきた。
「かかかか、彼氏じゃないです。仲間なんです。」
リリアは顔を真っ赤にさせ高速で手を振ったが、その手は残像がくっきりと見えそうなくらい高速に振っている。 それを横目で見ながら笑いを堪えるディード。
「そうでしたか。それは失礼しました。でもこちらはおすすめですよ。今ならこの5個をセットで銀貨2枚でいかがでしょうか?。」
「銀貨2枚か元はそれなりに希少な鉱石だったのかな?。ねぇディー?これは私が買ってもいい?。」
「?ああ、構わないけど、どうした?別に俺に断りを入れなくてもいいでしょ?。」
「今ディーは装備作ってるでしょ?完成したらちょっとお洒落にコレ付けてもいいじゃない?。」
そう言って差し出したのは琥珀色をした玉石だった。見方によっては朝焼けの太陽に見えなくもない綺麗な色だった。
「うん綺麗だね。刀が完成したらこれを付けてもいいのかもね。」
「かも、じゃなくて付けてよ。私からのプレゼントって事で。」
リリアは少し恥じらいながら玉石を差し出す。それを受け取り何となく気恥しい気持ちになるディード。
「ああ、ありがとう大切にするよ。」
「ええ、そうしてくれると嬉しいわ。」
「それではお買い上げと言う事でよろしいでしょうか?。」
店員さんの声に彼女は、ハッっと我に返り少し恥ずかしそうに支払いを済ませる。
その後リリアは気恥ずかしさから来るのだろうか、何となく顔を合わせづらかったらしく視線を逸らしつつも工房へと向かって行った。
夕食は5人で団欒と取った。野菜が多め目のシチューを食べ、食後のデザートにクレープを3人から強請られる。苦笑いしながらもディードはそれに応え、彼女達にクレープを振舞った。
その後ディードは、鋼鉄のインゴットに大地の短剣同様に槌を振るう。しかし大地の短剣の時と比べるとその作業量は2倍以上となり時間を要する。やがてインゴット全体に魔力が行き渡り、数々の鉱石を飲み込ませ1つの物質に変化させる頃には既に夜も遅くなっていた。
ディードは翌日も朝から工房に入りミスリルの小太刀を完成させ、最後に刀の製作に入る。
リリアとレミィは3人の邪魔をしないように、郊外の薬草採取や周囲の魔物討伐などをこなしていた。
ディードが武器の製作に取り掛かって3日目の朝、小太刀と刀の刀身が出来上がりその後の柄や鞘などの製作はジロエモンとララの協力もあり、大地とミスリル製の双剣とミスリル製の刀『時雨』が完成したのだった。
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