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異世界転生幻想放浪記  作者: 灼熱の弱火 
その手を放す者、掴む者
21/221

第21話 トラック

21話です。 よかったら見てやってください。

「なんで・・・これが・・・ここにあるんだ・・・・?」

 ディードは青ざめながら朽ちかけたトラックを見つめている。


「ディード?どうしたの?ねぇ?どうしたの?」 リリアが近寄り軽く揺すってくる。

「あ?・・・あぁ・・・ごめんごめん。こんな物があると思わなくてビックリしたのさ。」

「そう・・?」 怪訝な顔でディードを見つめるリリア。


 ディードにとって、この世界にはあるはず無い物が目の前に現れ動揺が隠せないでいた。


 周囲を見回しても、見間違えじゃない、前世では当たり前のように走っていたトラックだ。

 ディードの前世、高樹にとってはそこまで珍しい物では無かった。



(ナンバーも日本式・・・しかも俺がいた同じ県、一体どうなっている?見た感じかなり長い年月放置されているが?)

(時空震でこっちに車ごと来たって感じなのか。出来れば本人に直接話が聞きたいが・・・)

 考え込むディード


「スーレスさん、このゴーレムの持ち主さんはまだいらっしゃいますか?」

「はい、私の取引先なので存じておりますが、人嫌いで有名な方なので紹介は出来ないですよ。」

「人嫌いか・・・もしかしてこのゴーレム関連で人嫌いになったとか?」

「私には、そこまでちょっとわかりませんねぇ。」




 このトラックが放置されている所を見ると、修理不可能もしくはガス欠だろう。


 ゴーレムというあたり説明出来ない理由もわかる。例え修理する技術があっても、燃料を調達できないし、材料もない、この世界の技術じゃ同じ物は作れない。

 なら何故こんな物を持ってるか?と聞かれれば、魔法の産物としか答えられないのだろうと、苦しい言い訳だが。 


 ディードはこの人物に会ってみたいと思った。 

 どんな人物で、どんな人生を、そしてこの世界での事を知りたいと思った。 


 だが、人嫌いか・・・どうすれば会ってもらえるか考え込むディード。

 人嫌いの理由は何となく察する。もしこれが複製出来て燃料が作れれば、どんな富を生むのか想像が追い付かない。 そんな人達に、うんざりさせられたんだろうなと・・・・

 一人に教えれば、また一人と・・・キリがない



 ディードが少し考え閃く、そうか、()()()()()だったという事がわかれば会ってくれるかも知れないな。

 深く考えていても前には進まない、もしダメであれば他のアプローチか諦めようと。


「スーレスさん、その方との取引は明日もあります?」

「はい、明日私の街へ運ぶ物を受け取りに、どうされましたか?」

「できればその方に見せてほしい物があります。それと書くものをお持ちですが?」

「はい、羊皮紙なら手元に、お手紙とならば色々と・・・・」

「いえ羊皮紙と書くものいただけますか?お支払いもします。」

「書く物は取りあえずお貸ししますので、羊皮紙代だけ2銅貨でよろしいですか?」

「ありがとうございます。」



 ディードは羊皮紙とペンを受け取り、離れた所で足を台にして書き出す。書き出した言葉は1文だけ。

「これを見せて頂いてよろしいでしょうか? もし反応が無ければそれで構いません。」

「これはなんと書かれたのですか?」 「古代語です。ただそれだけです。」

「はぁ・・・よくわかりませんがお預かりします。一応お聞きしますが、相手に失礼な言葉とかではないですよね?」  

「それは勿論です。決して相手を見下したり、罵倒するような内容じゃないです。」

「わかりました。」 





 それから2人はスーレスと別れ、予定していた《緑の宿》へと向かう。

 宿の目印は、家の外枠、パンと酒の看板だそうだ。

 宿へ向かう頃には夕刻に差し掛かっていた。宿のドアを開けると、カウンターに一人女性が立っていた。



「いらっしゃいませ。宿泊ですか?それとも食事でしょうか?」

「ベットが2つの部屋を1つお願いします。」

「はい、連泊でしょうか?。こちらは1部屋食事込みで6銅貨となっております。先払いでお願いします」

「なら3泊でお願いします。」ディードは銅貨を出し支払いを済ませる。

「そろそろ夕飯ですが食事になさいますか?」 「お願いします。」 

「それではそちらの席へお願いします。私はここの女将のコリンと申します。」

「ディードです、こちらはリリアです。よろしく。」 「よろしくです。」


 ディード達は案内された席に座り食事を待つ。しばらくすると料理が出された。 

 肉と豆の煮込み料理にパンと果実を絞って薄めた物だった。味も文句は無かった・・・が

「リリア、さっきからどうしたの?」 「え?いや・・なんでもない・・・」


 リリアが何か言いたそうに、こちらを何度も見てくる。  

 まるでどこぞのゲームのように仲間になりたそうに、何度も見ては俯きを繰り返している。

 いやそうじゃない、わかっているんだ。きっとさっきの事とかだろう・・・どう答えるのがベストなのだろう考える。正直に話してもわかってもらえるとは言い難い。少し意地悪なのだが・・・


「リリア、聞きたい事があるのかい?話なら部屋で聞くけど?」

「う・・・うん。いいの?」

「きっといつか話さないといけない事だと思うから。」

「そう。それなら上に「この宿にディードという名の者が止まっていると聞いたがいるか?」


 やや大きめな声で入って来る兵士がいた、アーガだ。

 ディードは手を振ってアーガに応える。「ここです。アーガ兵長。」

 リリアが席をディード側に座り、アーガを迎え入れる形になる。アーガは促されるように座り、テーブルに着くなり頭を下げる。


「すまない失礼する。率直に言おう。ムレ達の処分が決まった。兵士除名に街を追放されることになった。」

「そうですか、追放ですか。」  

「ああ、すまない。証拠もそろっていて犯罪奴隷に出来なかったのは上の方で揉めてな取りあえず除名と追放で収まった感じだ。」 

「私達はそれで良いと思います。そちらに関しては無知なのでこの街の法で裁かれれば問題ないです。」

 ディードは済ました笑顔で答えたが、心の中では面倒な事が起こりゆる感じがした。


「後はこれだ。」そう言ってアーガ取り出した袋は、テーブルの上に置いた瞬間金属の重なる音がした。

「これは君たちが売る予定だった、オークの肉代と私達の謝罪料も込みで入っている。どうか受け取ってくれ。」 

 袋を差し出されさらに頭を下げるアーガ。後ろにも部下と思われる兵士がいるのにも関わらずに自分たちの非を認め謝罪している、そしてまだ周囲には人が多くはないがいる。 後で酒の肴にでもなりそうだ。


「わかりました、ここは素直に受け取っておきます。どうか頭をお上げください。アーガ兵長。」

「ありがとう、そして迷惑をかける。」 「いえいえ、お気になさらず。」笑顔で受け取るディード。


「要件はそれだけだ。すまないな食事中に・・・」 「いえもう食事も終わりますので。わざわざありがとうございます。」 礼を言うディード、こちらが袋を受け取ったのをみて立ち去ろうとしている。

アーガ達が立ち去ろうとした時に、アーガふと立ち止まり振り返らず問いかけてきた。

「ディード殿、皆は元気か?」

「はい、元気です。少し前に妹も生まれました。元気でやっていますよ。」

「そうか。それを聞いて安心した。礼をいう。」

アーガはそのまま宿を出て行った。 本当はもっと聞きたいんだろが職務中だろうか、自分の信念は曲げないのであろう。ディードはため息をつき。独り言をこぼす。

「本当に硬い人だったなぁ・・・」




外では・・・

「アーガ兵長、お知り合いだったのですか?エルフ族の方々と?」

「いや、彼は初対面だ。父親の方と昔知り合いでな・・・。それと今夜はここも警備対象に入れておくように。ムレ達が報復に来ないとは限らないからな。」

「わかりました。それでは自分たちは警備に回ります。」アーガに敬礼をし見回りにいく兵士たち。


「あいつ等も元気にやってるのか・・・俺も付いていけば・・・いや今更だ。元気ならそれでいい。」

一人詰め所に向かうアーガ。その背中は少し寂しく見えた。



一方宿では宿の女将コリンが話しかけてきた。

「あんた達兵長さんとお知り合いなのかい?」

「まぁそんなところです。頼んでいた物を受け取っただけですよ。」そう言ってディードは袋をしまう。

「そうかい、まぁそれならいいさ。はい、これが部屋の鍵で、2階の角部屋だよ。」


コリンはそう言うとディードに部屋の鍵を渡す。

「ありがとうございます。それじゃ食事も済んだことですし、さっそく部屋に行かせてもらいます。」

「はいよ。そうそう、ここではお酒も出すけどそれは有料だからね、欲しかったらあそこで注文してくおおくれ。」コリンはカウンターの方を指さす。 「ありがとう。」



ディート達は部屋にあがり、それぞれのベットに腰掛ける。

「ふぅ、なんだか久しぶりにベットに座れたかな。まだ村を出て4日位だけど。」

「そうね・・・・やっと落ち着けるのかしら。」

「だね、リリア結構はしゃいでたから疲れたんじゃない?」

「そんなに?はしゃいでるように見えた?」

「結構ね・・・で、そろそろ聞きたいことがあるんじゃないの?」

リリアは少し呼吸を整えて、やがて聞いてきた。


「ねぇディード、今日の貴方を見て来たけど、本当に街に来たことないの?村から狩りや採取以外は出た事ないって聞いたけど。」  やっぱりそう来ちゃったかと思うディード。


「うん、あまり出たことないよ。街には来た事ない。」

「やけに落ち着いてるっていうか知ってるっていうか・・あのゴーレムの事や古代語の事もおかしいの。わたしの知っている古代文字とは違っていた。あれはいつの時代の言葉なの?」


「説明したら信じてくれるかい?」 「教えてくれるの?」

「んー難しい。これを言ってもいいんだけど、信じられなかった場合が怖いんだ。それでも聞くかい。」

そうディードが答えると、言葉に詰まるリリア。 二人の間に何とも言えない空気が流れる。

やがて、


「信じて・・・みる・・。」 意を決したように口にするリリア。

「そうか。わかった。」 彼女の覚悟も決まったみたいだし、話してみようと思うディード。

身体を起こし、リリアの方に向き、話かける。





「俺は、1度死んで、生まれ変わったんだ。元々ここの世界の住民じゃない。」


「・・・・え?・・・・」   まぁそんな反応するよね・・・

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