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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

シャワー

作者: 若めのわかめ

 私は仕事終わりにいつもシャワーを浴びる。

シャワーは疲れと共に嫌なことも流してくれる気がするから。

孤独を誤魔化すために、温もりを求めて、今日もシャワーを浴びる。


 今日はいつもより疲れた気がする。

思い返せばミスが多かった。

そのぶん上司に怒られた。

明日会社に行くの嫌だな。

いっそ居なくなってしまいたい。

けれどそんなことは言ってられない。

これが働くということなのだ。


 右手を上げてシャワーを浴びる。


 ああ、温かい。


 いつもより温かい気がする。

きっと疲れているからだろう。

 

 

 全身を包み込むようにゆっくりと雫が落ちていく。

体が少し軽くなった気がする。



 夕飯を作らなければならないことを思い出し、名残惜しいがシャワーを止めようとする。


 しかし左手でいくら探してもハンドルが見つからない。

目を閉じたまま探しているからだろう。

きっと今の私は情けない姿ね、と自分を笑う。


 顔をタオルで拭いてから止めようと、まずシャワーヘッド壁にかけようとした。


 

 しかしゴロゴロと音を立てて落ちた。


 目が開かないのだから当然だ。

少し考えればわかること。

今日は本当に疲れている。

早めに布団に入ろう。

疲れているぶんぐっすり眠れそうな気がする。


 

 眩暈がしてフラフラとその場にへたり込んだ。

もしかすると疲れたのではなく、なにかの病気かもしれない。


 シャワーは止まらない。 



 寒気がしてきた。

きっと風邪をひいたのだろう。

ああ、寒い。


 

 タオルを探すがありそうにない。

このまま意識を失ってしまったら大変だ。

早く顔をふいて救急車を呼ぼう。


 

 そうしてる間にもどんどん体は冷えていく。




 寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い。


 



 右手がなにかに触れた。

 タオルだ。


 顔をふいてゆっくりと目を開けた。



 


 そこには1面に広がった真っ赤な血と、私の左腕が転がっていた。






 



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