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二人と手合わせ

お待たせしました。

今日も短めかと……


 「アレクシア様の息子……本当? 」

 「ああ……俺の名前と、コレが証だ」

 驚いたままだが、未だに信じていなさそうなティファに剣聖の証である腕輪を見せた。

 回りの人には見えないようにして。

 「本当だ……コレ、本物の腕輪」

 腕輪に穴が開くんじゃないかと思えるくらい見つめ時には軽く触って確かめていた。

 「……気は済んだか? 」

 「……うん、ありがとうございます。それと、ごめんなさい……疑ったりして……」

 本当に申し訳なさそうに顔を俯かせていた

 「気にすんな、実際俺はコレが剣聖の証って知ったのは昨日だからな」

 「……え?」

 「半年前に母さん……アレクシアが死んで俺がこの腕輪を継いだんだ。その間母さんから習った業を鍛えてきたんだ……ま、母さんにはまだまだ届かないけどな……」

 「………………」

 俺の話しの最中ティファは絶えず驚いたような顔をしていた。

 「おっ待たせー!……ってあれ?ティファ?どうしたの?」

 丁度話が終わったタイミングで2人前のスープを持ってきた。

 「さぁ?ちょっと前からこんな感じだ」

 「そうなんだ?あ、冷めちゃうから食べて食べて!」

 卵が浮かんでいるスープを冷める前に食べた。

 少し物足りなかったが夕飯がもうすぐらしいから我慢することにした。


 日が落ちようとしていたから一度部屋に戻ろうと席を立つと、ティファに呼び止められた。

 「エルモンドさん、私と手合わせして下さい。」

 「……手合わせ?」

 「はい、剣聖を継いだ方の胸を借りたいから……ダメですか?」

 「……」

 ティファに少し詰め寄られ、上目遣いで見つめられた……美少女にこんな風に頼まれたら断れない。

 「わかった……だが、何処でやるんだ?それに、もう暗くなるぞ」

 「大丈夫、着いてきて」

 ティファに付いて行ったら、泊まっている建物の裏に空き地があった。

 「なるほど……ここなら軽く戦えそうだな」

 「私とアンの特訓場所」

 ティファはどこからか槍を取り出して俺との距離を開けた。

 「…………へぇ」

 ティファの構えはちゃんとしたモノだった。

 「魔法は?俺は使えないから使わないが」

 「……?私も武器コレだけで良い」

 ティファは槍を俺は刀を納刀したまま構えた。

 「……舐めてる?」

 「いや、俺が編み出した業だから気にするな」

 「……わかった」

 鯉口を切り、何時でも抜刀できるようにした

 「……行く!」

 その声と共にティファは地面を滑るように間合いを詰め槍を突き出してきた。

 (想像より速いな……)

 刀を半分鞘から出して槍を受け流して反撃しようと動くと、それよりも速くティファが連撃を繰り出してきた。

 「はっ!やぁ!」

 「…………」

 ティファの攻撃は速いが、攻撃が直線的で分かりやすかった。それにもう、見切った。

 「はあぁあ!」

 大振りの突きをしてきたからその隙に刀を抜き迫って来た槍の先端ときっさきを合わせてティファの動きを止めた。

 「…………私の負け……降参」

 槍をどこかに仕舞いティファは手を上げた

 「満足したか?」

 「うん……でも、全然当たらなかった……」

 「魔物には通じるが……人間には効かないだろうな」

 ティファは「どうして?」と言いたげな顔で見てきた。

 「……答えは自分で見付けないとな?」

 「……ケチ」

 軽く頬を膨らまして拗ねてるティファを促して宿に戻った。

 この後は夕飯を食べて寝ただけでした。



 翌日、朝早めに目が覚めたから軽く運動しようと、昨日の空き地に行くと、先客が居た。

 「アレ?エルモンドさん?早いですね?」

 「目が覚めてな」

 刀を抜き軽く素振りをしてると横目に映るアンがソワソワし始めた。

 「……アン、どうかしたか?」

 素振りを中断してアンの方を向いた

 「エルモンドさん!ボクと勝負して下さい!」

 目をランランに輝かせ手に持っている2本の短剣を構えていた。

 今にも向かって来そうな勢いが目に見えた。

 「はぁ……仕方ないな」

 刀を正眼に構えるとアンは嬉しそうに向かって来た。

 (ティファよりも速い……)

 こちらからは攻めずにアンの攻撃全てを受け流し続けた。

 数分間それを続けていたら、とうとうアンの体力が尽きて地面に横たわっていた。

 「はぁ……はぁ……はぁ……一発、も……当てれなかった……」

 「反応は良いからな……大丈夫か?」

荒く息を吐きながら何度か頷いていたが、見た感じ全然大丈夫ではなさそうだった。

 「はぁ……」

 アンの身体を横抱き《お姫様抱っこ》で抱えた

 「え、エルモンドさん?」

 「足にきてるだろ?大人しくしとけ」

 「は、はい……」

 アンは動きすぎて暑くなったのだろう顔を赤くしていた。

 学園に行くのは明日か……今日は何をするかな……──────

お読み下さりありがとうございます。


ご意見ご感想ご要望等お待ちしております


次回更新は土曜日か日曜日になります

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