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1 最後の生き残り


不定期更新です。あとがきお読みいただいた上でお楽しみいただけしたら幸いです。

 もうこの地球上に人類と呼べる生物は俺以外いないらしい。何度も昇り、沈む日を見て、ふといつの間にか生存者たちのラジオ、政府からの物資、空を横切る飛行機ー誰かの命を感じさせるものがなくなっていたことに気づいた。



 この地球上に生き残りは、俺だけなのかもしれない。そう思うようになった。



この島国を出れば、もしかしたら生き残りは見つかるかもしれない。しかし、自分の中にはそれは絶対あり得ないという思いがあった。

 俺はこの世界で友達、好きだった人、そして親でさえ見捨てたのだ。


 父も母も最期に言った。

「お前だけは生き残ってほしい。」と


 この言葉だけが今の俺を支えている。泥水を啜ってでも這い上がり、生き残る理由だ。食べ物も水もない、娯楽もない。あるとすれば恐怖だけ。

 繋いでくれた命が今この瞬間奪われるかもしれない恐怖の中で、今日も俺は生き残ることだけを考えている。


 スーパーの食材はすでにつき、見つけられなかった、食べきれなかった食材は腐っている。缶詰ももう尽きるかもしれない。飲料もだ。底が見えている。ロクに睡眠も取れていないからか常に空腹と吐き気に苛まれている。


 それでも、立ち止まるわけにも行かない。


 先日ーいや、本当に「先日」に当たるのかはわからない。高速道路を歩いていた。

 パンデミック当初は車で逃げる人々が多く、渋滞の中でゾンビに襲われる人々が多かった。そのため高速とその付近には今なおゾンビが密集している。行くこと自体躊躇われるのだ。

 しかし、放浪の最中にふと目についた道路標識から俺は一筋の淡い希望を見出した。

 某県。この先にある某県は田舎で人口も少なく山林も多い場所だ。

 山に入ることができれば、ゾンビに遭遇する確率も低いだろう。上流なら綺麗な水を飲めるかもしれない。努力すれば、菜園もできるかもしれない。


 同時に何度も頭によぎる。

 ダメなのかもしれない。

 疲れてしまった。

 この状況で何度頑張ろうと思ってももう無理だ。


 それでも、この淡い希望に縋ってこの人生を終わらせることができればーーーという思いもあった。


 高速道路には入らず下道から迂回して入る。高速道路ならSAはあるだろうが、すでに周りにはゾンビが密集しているはずだ。俺が出てくることを今かと待ち続けるだろう。

 出発の際、ある程度の食料と水はかき集めてきた。


 そして、その時だった。


 山へと続く道の途中、アスファルトが不自然に歪んでいる場所に足を踏み入れた瞬間、視界が揺れた。

 地面が、沈む。


 いや、違う。

 俺が、落ちている。


 音も、重力も、感覚も、すべてが一瞬で失われた。

 暗闇の中で、ふと頭に浮かんだのは、恐怖でも絶望でもなかった。


 ——これで終わりか。


 それが、諦めだったのか、


ゾンビ世界パートはこれで終わりです。

主人公は死ぬまで誰とも結ばれません。

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