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第一話:文房具屋にて

見てくださりありがとうございます!

更新しました。


――時は、一時間前にさかのぼる。


 先程叫んでいた人、(ひろ)は、テスト勉強をしていた。


たいして頭が良いわけではないので、テストでいい点数を取るにはある程度勉強する必要がある。


 「あぁ”~、勉強嫌だ」


 と言いながらも、自主的に勉強する紘は真面目で、先生からの信用も厚いような優等生と言われるような人種である。


 「あ、シャーペンの芯なくなった」


 なくなったシャーペンの芯を取り換えようとしたが、プラスチックのケースから出す途中、折れてしまった。


 「むぐぐ……」


 折れたシャーペンの芯を拾おうとしたら、粉々になり、新しいシャーペンの芯を出したら落としてしまい……シャーペンの芯を踏み潰してしまったところでシャーペンの芯がなくなった。


 「おかしい、シャーペンの芯に嫌われたのかな……もはや呪われているレベルだよこれ」


 しかたない、気分転換に走って文房具屋に行くか……と、紘は文房具屋に向かった。




 ● ● ●




 「今日は厄日だ」


 紘は呟いた。


 「まさか、優里亜(ゆりあ)に遭遇するとは……」


 優里亜は紘の幼馴染。


先程呑気にくものことについて話していたやつだ。


 

 優里亜はとても変わっている。極度の変人だ。


紘と同い年なだが、とても中学生には見えないやつだ。


 人を変人だと決めつけるなんて……


と思う人もいるかもしれないので、優里亜について説明しよう。



 まず、優里亜の見た目の特徴。


メガネ、肩までのストレートヘアー、白衣、黒いワンピース、結構美形


これで表すことができる。


 

 一番の特徴はメガネだろう。


一見、普通の丸メガネである。


だがそれは、紘の通う学校の七不思議の一つだ。


優里亜が四六時中書けているそれは、クラスメイトに『光の眼鏡』と名付けられているいる。


とにかく光を反射するのだ。


鏡というわけではない。


漫画で、『眼鏡に光が反射してキランと光る』ような状態が続いているのだ。


その反射で素顔が見えない。


どんな時ところでも光が反射するので、クラスには、邪神が瞳に封印されているから不思議な能力がある『光のメガネ』で目を隠しているんだと主張するクラスメイト(優里亜ファン)も存在する。



 肩までのストレートヘアー。つややかで、漆黒。この長さが邪魔にならず、ちょうどいいらしい。


 黒くてダブっとしたワンピース。その上から白衣。


 


 これらの格好は、紘が優里亜に初めて会った時からずっと同じ出で立ちだ。


 しかし、それらは優里亜の『変人』要素の半分も満たない。



 本当にとんでもないのは、その奇行だ。


 「ふっふっふ」と怪しげに笑いながら、人をなにかの儀式の生贄にしようとしたり、世界征服をしようとたくらんだりする。


最近なんて、近所の野良猫を全身武装させて激化した縄張り争いを観戦して楽しんでいる。


そのような優里亜を表すには、『変人』というレッテルは甘っちょろいくらいだ。


 絶対にかかわらないほうがいい、いわゆる『ヤバいヤツ』である。



 紘はこの幼馴染に、その何かの儀式の生贄にされそうになったこともあった。


 結局、なんの儀式なのかはいまだにわかっていない。わかりたくもない。


 紘は、そんな恐ろしい幼馴染との腐れ縁を、日々、なんとか切れないかと四苦八苦している。が、どれも失敗に終わっている。



 そんな幼馴染にばったり出くわした紘はちょー焦っていた。


 背筋が寒くなり、冷や汗が止まらなくなり、呼吸が荒く…


  背筋が寒くなったのは、外と中の温度差。


  冷や汗ではなく、ただの汗。


  呼吸が荒いのは全力ダッシュしたから。


 優里亜と出くわしたこととは関係なく、夏の暑い中、全力ダッシュで文房具屋まで来たことによる症状なのだが、全て幼馴染のせいにする紘。



 まぁ、とにかく焦った。


 優里亜とこんなところで出会って何があることやら…また生贄にされてはたまらない。


 紘は回れ右、をして店から出ていこうとしたが、後ろから優里亜に掴まれた。


優里亜のメガネが怪しく光った。



 「やぁ、ヒロ。奇遇だね。せっかく会ったんだ、ワタシの実験に付き合ってくれないか?」


 ジッケン、ツキアウ…紘には実験などという恐ろしげなものに参加する気はサラサラない。


 


 しかし、優里亜は右手で紘の首を掴み…この店で買ったであろうカッターを左手に持っている。恐怖しかない。


 脅しているだろう、それは…


 紘は一も二もなく頷くしかなかった…




「チョウドイイ、ジッケンタイガキタゾ…」


店に入る前、そんな優里亜のつぶやきが聞こえていたら、また違ったのだろうか…




 ● ● ●




 紘は、近所の公園まで連行された。


 現在は昼過ぎほど、まだまだ暑い。



 「…で、実験って?」


 ようやく、紘の手を引っ張っていた優里亜の足が止まった。

野良猫を全身武装…

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