6
その日は詩織と部屋で過ごした。詩織は僕に昔の思い出を話してくれた。昔付き合っていた恋人のこともその時、初めて知った。
夜、ビールを飲みながら、詩織が作ったカレーを食べた。休日の夜はゆっくりと過ぎていく。
夕食を食べた後、僕らは一緒にお風呂に入った。なんだか奇妙な感じだった。詩織は僕の体を優しく洗い、僕は胸の高鳴りを感じていた。
僕の体を洗い終わると、今度は僕が詩織の体を洗った。詩織の体は柔らかかった。この美しい肉体は、手術によって救われた。でもいつ消滅するかわからないものだった。生物学を研究しているから、生命の儚さを知っていた。実験でマウスを使うこともあるし、犠牲は仕方がないことだと思っていた。でもこうして詩織の体に触れていると愛しさを感じる。
僕らは一緒に湯船に浸かりながらキスをした。
「なんだか久しぶりだね」
詩織はそう言って笑った。
「とにかく治ってよかったよ」
僕は安心して涙が出そうだった。
お風呂から出ると、僕らは体を拭き、ベッドで抱き合った。僕は詩織の肉体の温かさを感じていた。今になって思うと、僕はずっと彼女と一緒にいたいのだと思った。
ベッドの上で横になりながら、僕らは夜がふけるまで話をした。