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夏の花火の夜  作者: Eigen
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 その日は詩織と部屋で過ごした。詩織は僕に昔の思い出を話してくれた。昔付き合っていた恋人のこともその時、初めて知った。

 夜、ビールを飲みながら、詩織が作ったカレーを食べた。休日の夜はゆっくりと過ぎていく。

 夕食を食べた後、僕らは一緒にお風呂に入った。なんだか奇妙な感じだった。詩織は僕の体を優しく洗い、僕は胸の高鳴りを感じていた。

 僕の体を洗い終わると、今度は僕が詩織の体を洗った。詩織の体は柔らかかった。この美しい肉体は、手術によって救われた。でもいつ消滅するかわからないものだった。生物学を研究しているから、生命の儚さを知っていた。実験でマウスを使うこともあるし、犠牲は仕方がないことだと思っていた。でもこうして詩織の体に触れていると愛しさを感じる。

 僕らは一緒に湯船に浸かりながらキスをした。

「なんだか久しぶりだね」

 詩織はそう言って笑った。

「とにかく治ってよかったよ」

 僕は安心して涙が出そうだった。

 お風呂から出ると、僕らは体を拭き、ベッドで抱き合った。僕は詩織の肉体の温かさを感じていた。今になって思うと、僕はずっと彼女と一緒にいたいのだと思った。

 ベッドの上で横になりながら、僕らは夜がふけるまで話をした。

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