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夏の花火の夜  作者: Eigen
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 歩いていると、夏の花火の光景を思い出した。去年の夏、彼女の詩織と一緒に花火大会に行った。

 詩織は心臓の病気だった。僕は彼女と一緒に住んでいた。花火大会に行った夜のことを今でも思い出すのはなぜだろう。

 夜の並木道は、冬の冷たい風が吹いている。歩いているうちに手足が冷たくなっている。 

 街灯の明かりが辺りを照らしている。僕は空を見上げた。雲と月と星が見えた。

 マンションのエントランスを抜け、ポストをチェックし、階段を上っていった。

 ドアを開けると中からおいしそうな匂いがした。

「おかえり」

 恋人の詩織がキッチンから顔を出した。

「ただいま」

「ご飯できてるよ」

「ありがとう」

 僕は背負っていたリュックサックを寝室に置いて、リビングへ向かった。

 僕は大学で講師をしている。詩織とは大学院生の頃に出会った。彼女は生物学の研究者として優秀だった。僕もそれなりに研究はできたが、たぶん総合的な能力は彼女の方が上だったと思う。

 彼女は大学院の博士課程の時、心臓の病気になった。大学を休学し、治療に専念していたが、結局大学を辞めてしまった。僕と彼女は結構仲がよかったので、僕らはその頃から付き合うようになった。

 彼女は大学で秘書のアルバイトを始めた。僕は博士号を取った後、研究員になり、講師の職を得た。僕が講師になったのをきっかけに僕らは同棲を始めた。

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