閑話 従姉妹たちはギザ歯のデートを盛り上げたいです。
永倉莉緒
好きな来馬晶は、下ネタに対し照れながら注意してくるあきちゃん。
永倉莉奈
好きな来馬晶は、彼氏と仲良くしてたら頬を膨らませるきばっち。
「第一回! きばっちとおづのっちのデート会議~!」
「わーわーぱちぱちどんどんぱふぱふ~」
「わが姉莉緒よ、盛り上げありがとう」
「気にするな、わが妹莉奈よ」
仰々しい言い回しで話す私達姉妹。
ひっぱりだこメイク、姉の莉緒と、予約パンパン美容師、私、莉奈が二人ともしっかり時間がとれる日は少ない。
限りある地球資源と姉妹時間は大切に。
ということで今日は、大事な話し合いを行う。
「さ! というわけで、今日の議題は『きばっちとおづのっちのデートについて』です!」
「ちょっと、莉奈さんや」
「なんだい、莉緒さんや」
莉緒が私の話を遮ってくる。
「あきちゃんは私も勿論、いや、私こそがあきちゃんを知ってるけどね。その、小角くん? については私ほらあんま知らないから、不利じゃね?」
そう、私はきばっちの彼氏、おづのっちの髪もやってるから、情報あるが、姉にはほとんど接点がない。
「姉ちゃん……姉ちゃんは間違ってるよ!」
「いきなりの否定!?」
「いい? 今、一番大事なことは何?」
「愚問ね……来馬晶という存在を輝かせることよ……」
姉は、ニヒルな笑みを浮かべながら、私の問いに答える。
「私はおづのっちを知ってるから、彼目線で。姉ちゃんはきばっち目線で。そう! 我らが姉妹が力を合わせれば!」
「「最! 強!」」
ハモる。
「では、まず当日のきばっちの格好は」
「「シンプルワンピ一択」」
「あきちゃんは最高の素材よ。シンプル・イズ・ベスト」
「そして、男受け、特にオタク男子には響くはず」
「「決定!」」
ハモる。
「ねえ」
「では、次の議題は、手作り弁当を持っていくべきか」
「ねえ」
「「持っていく一択」」
ハモる。
「ねえ」
「ギザ歯な彼女がかわいい手作り弁当なんてギャップ」
「ねえ」
「「最&高」」
ハモる。
「ねえ」
「ただ、きばっち料理出来ないからなあ」
「ねえ」
「簡単なメニューがいいわね。でも、不器用彼女も」
「「かわいい」」
ハモる。
「聞けー!」
さっきからねえねえうるさいきばっちが叫ぶ。
「どしたの? あきちゃん? そんな大きな声だして」
「いや! 何アタシ無視して話すすめてんの!?」
「えー? でも、元々はきばっちがデートの相談に乗って欲しいって」
「ぐぬ……そ、そうだけど、アタシの意向を無視して進めないでよ。だ、大体ワンピースとかアタシに似合うはずが……」
「「似合う」」
ハモる。
「そういう風にあきちゃんが自分のイメージにとらわれてるから私達が決めてあげてるのよ」
「う……」
「大丈夫、絶対ワンピでおづのっちはおちる」
「ほ、ほんと……?」
すらっとした長身を今日はちぢこませて上目遣いで聞いてくる。
「「かわいいなちくしょう!」」
ハモる。
「さ、というわけで手作り弁当は、たこさんウィンナーね。絶対男はこういうのでおちる」
「私は、おづのっちの漫画好きから、オムライスをおすわ」
「「これでキスまではいける」」
にやにやハモる。
「だー! もういい! かえる!」
きばっちが真っ赤になって帰ろうとするのを姉ちゃんが止める。
ギザ歯食いしばって進むきばっち。
かわいい。
ピンポーン。
チャイムがなると同時にドアがあく。
あいかわらずだなあ。
「おまたせー。あたしはね、やっぱり手作り弁当には唐揚げが必須だと思うの。やり方簡単だから晶でも出来るし、男の子は唐揚げ好きでしょ? あ、にんにくなしね。キスしたいでしょ?」
「ま、ママー! なんで! 来たの!?」
「かわいい娘の初デート成功の為よ。さ、みんなの持ってる小角くん情報出しあいましょ」
「もーやだー!」
さあ、役者は揃った。
では、私達の大好きなかわいいギザ歯ちゃんのにやにやデートを考えよー!
お読みくださりありがとうございました。
良ければブクマ、☆評価をください……。
しかし、それより、誰か、私にギザ歯分をください……。
逆にギザ歯分が欲しい方は
プロローグ三部作
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