0.もしあらゆる災害が起き、戦わないといけない場合
はじめてまともな小説を書きます。
誤字脱字批評待ってます。ドシドシ書いちゃって下さい!
「痛い痛い痛いイタイいたいいたイィィィ!」
「やめろっ! 近寄るなぁああぁあ!」
絶叫。
外で鳴いている蝉の音を掻き消すほどの叫び声を上げるのは、二十歳前後と思われる二人の男だった。
一人はなんらかの爆発に巻き込まれたのか、腰から下にあるはずの身体が繋がっておらず、辺り一面に肉片が飛び散り、地面に這いつくばって泣き叫んでいる。
室内に充満している血液の臭いが鼻につく。
もう一人の男も同じく爆発に巻き込まれたのか、左腕の手首より先が無く、全身に突き刺さった釘や金属片から血を流していた。
男は誰かから逃げようと、痛みに震える脚に鞭打ち、フラつきながらも懸命に歩を進めていた。
しかし、ここは個人経営のネジ工場。ほんの十数歩進んだ所で進路を阻む壁にぶつかってしまう。
武器はない、身体は既に限界で走るどころかこれ以上動くこともままならない。相棒の声も数秒前に途絶えていた。
男は壁に寄りかかって座り込み最期の手段、命乞いを始める。
「た、頼むっ!――人質は返す! もうアンタらを襲ったりしない! と、遠くの街に行って二度とここには近づかない!」
声が震え、幾度も言葉を詰まらせるが、これが最後のチャンス。無様だが、取れる手段はこれしかない。
男は血と涙でボヤけた視界で襲撃者を見つめる。
バイク乗りだろうか、襲撃者は傷だらけの黒のフルフェイスヘルメットで顔を覆い、首から下も同じく使い込まれた黒のバイカースーツに身を包んでいた。
手には血塗れの金槌と、何故か文庫本サイズの本を持っている。
男は考える。
体格ではこちらが勝っている。
命乞いをしてなんとか隙を突き、ヤツに飛びかかり、両手を足で抑える。
その後は足元に落ちている紐を拾い、それで首を絞めてやれば殺せるのではないか?
男の脳内では既に絞め殺した襲撃者から武器を奪い、工場の裏口から脱出する所まで話が進んでいた。
よし、行ける。勝てる!
「お願いします! 命、命だけは助けグベェ!」
男の皮算用は現実という理不尽によって頭から粉砕された。
襲撃者――朝倉 直希は男の頭部に突き刺さった金槌を乱暴に引き抜くと、念の為もう一度頭へ振り下ろした――
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