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番外編 香水 その1

喫茶『カサブランカ』―――――ではなく、近くの公園にて。


大きな公園ではない。住宅街真ん中にポツンとある、小さな公園だ。

ブランコとベンチだけで、夕方のせいか日当たりも悪い。土地も税金も余った市議会が、悩んだ末ひねり出した様な場所だった。


そこに高校生くらいの少年と、彼より少し年上の社会人と思しき女性。二人はブランコに腰掛けていた。


少年は着崩したオーバーサイズの制服にパーカー、ハイカットのスニーカー。"デビュー"したてなのだろう、顔にあどけなさを残している。


女性の方はうなじのあいたオックスフォードの白シャツに、膝丈のスカート、くるぶし上までの赤い靴下、黒タイツ、ヒールの高いショートブーツ。前髪を切り揃えた艶やかな黒髪を、後ろの高い位置で縛っている。落ち着いた所作表情は、その整った顔つきよりもう少しだけ大人びた雰囲気を放っていた。



彼女はブランコに座る事で露出した膝上にスマホを載せ、スピーカーでBGM代わりに音楽を流している。曲は『香水』だ―――――――






「いやあ、好きじゃないなァ」


「そう?」


「いかにも若者向けの、オリコンチャートに入ってるJ-POPって感じ。なーんも考えてない女子高生とかが好きそうな」


「はは、君だって男子高校生でしょう?」


少年は片方の眉をピクリと上げ、食ってかかる。


「俺は映画だって、音楽だって、コダワリを持ってんだぜ。AKBみたいな薄っぺらいアイドル音楽も『香水』も同じでさ、曲にも歌詞にも"深み"が足りないんだよ」


「ふうん………じゃあさ、例えば君は、どんな音楽を聴いてるの?」


「…………」


少年は腕を組み、少し考える。彼女を唸らせるような"通好みのアーティスト"を挙げようとしているのだろう。


「…………」


少年に悟られぬようニヤニヤしながら、彼女は彼がどんなアーティストを挙げるのか予想していた。

きっと、ロックバンドだろう。それもONE OK ROCKの様な"置きに行く答え"じゃない。きっと昔のバンドで、もう解散してて、あまりテレビには出ないけどライブに力を入れていた様な――――


「まぁ……ミシェル・ガン・エレファント……かなっ」


「やっぱり!」

「……やっぱり?」

怪訝そうな顔をする少年。


「あっいや……私も大好きだよ、ミッシェル。どの曲が一番好き?」


「うーん……」


「待って……同時に言おうよ?」

彼女は彼の好みに合わせに行く答えを用意して、ブランコ越しに少年に向き直る。


「せーのっ」


「「デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ!」」


「ええーっ!? すげぇ、俺達好みピッタリじゃん!」


「ふふ……そうだね。キミと一緒で、私も嬉しいな」


そう言って、女は少年に笑いかける。


「えっ……」

「えっ?」


「あっいや……別に」

少年はそっぽを向き、わざとらしく正面を向き"のび"をする。


「でもさ、ミッシェルが好きなくらい音楽を聴いてるなら、きっと『香水』の良さも分かってくれると思うのにな」


「えぇっ……?」








②につづく




いつもご覧いただきありがとうございます。

今回は番外編で、音楽について二人が語っています。


テーマは『香水』ですが、聞いた事は皆さんあると思うので、、、


TMGEの名曲です。私などが薦めるのもおこがましいですが、宜しければ。

https://youtu.be/ay3geLv2Vgs

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