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なろう系コント・漫才 for ゲラゲラコンテスト

コント『なろう作家になろう』

作者: 藤屋順一

『ゲラゲラコンテスト』向けにコントの脚本の形式で執筆しました。

文字数制限の2000文字に抑えるために読みづらくなってしまった点が非常に多いのですが、最後までお付き合いいただければ幸いです。

B:なぁなぁ、Aは将来の夢とかある?


A:なに? 急に


B:いや、もうすぐ進路相談があるしょ?


A:あ〜、進路相談か。う〜ん、なんだろ。普通にそこそこの大学出て、公務員になるのが良いかな


B:夢のないやっちゃなぁ〜!


A:そういうBはなにか夢とかあるの?


B:よう聞いてくれました! 俺、将来小説家になろうと思てんねん


A:小説家ぁ? 大体Bって日本語使えんの?


B:今使ことるやないかい!


A:おお! 本当だ。 ……でも、小説書くのって難しくない?


B:そう! そこなんよ。頭の中にイメージはあるんやけど、なかなか話に纏められんくて、一緒に考えてくれるか?


A:まぁ、ちょっとくらいなら付き合ってあげるけど…… で、どんな話?


B:まず、主人公はブラック企業の社畜で、安月給でこき使われる人生に嫌気が差してるわけや。で、ある日、車に轢かれそうになってる野良猫の身代わりになって死んでまう。


A:あ、なんか読めてきた


B:そして、神様からチート能力をもらって異世界に転送される。ここは何処かとあたりを見回してみると遠くに見える大きなお城から煙が上がっとる。そこで空を舞う術的なスキルで空に飛んで千里眼的なスキルを使って見ると、お城は炎に包まれ、城門からは猛スピードで逃げる馬車、それを追いかける魔物の群れ! 馬は焼かれ、御者は殺され、馬車から美少女が飛び出して懸命に逃げるもすぐに追い詰められる! そこでピャーッと一直線に飛んで行って、魔物の群れに向かって手をかざすとなんかめっちゃすごい魔法が出て雑魚どもを一掃する! で、王女様である美少女の前に降り立ち、いい感じに見つめ合う……


A:それって、いわゆる『なろうけ……


B:いやいや! この話は決してなろう系異世界テンプレとはちゃうからな! 完全に俺のオリジナルや!


A:でも、なかなか良く纏まってるんじゃない? テンプレ的に


B:だからテンプレ言うな。……でも、この後やねんな〜 ライバルが現れてお姫様を奪いに来んねんけど…… そや、俺が主人公演るから、Aはライバル演ってくれる? 設定とかセリフとかは好きに決めてええから


A:え? まぁ、良いけど……


B:じゃあ、俺が雑魚を一掃して王女様の前に降り立ったところで、王女様をさらうためにAが現れるシーンな


A:はいはい。じゃあ、演るよ


B:おう、かかってこいや!


A:……これはこれは王女様、お初にお目にかかります。王族である貴女が国を捨ててお逃げになるとは、なんとも嘆かわしいことだ。この魔剣士ディートフリート・クラインシュミットにご同行願いましょう


B:タイムタイム!  なに? そのディートなんとかって?


A:ああ、ディートフリート・クラインシュミットは裏切り者の烙印を押されて魔王に殺された魔族の父親と元聖女の母親とのハーフの生まれで、魔王の元で人質になってる母親を助けるために魔王を憎みながらも命令に背く事ができない悲しい運命を背負った魔剣士。っていう設定


B:なんなん、それ…… ちょっと待ってや。主人公よりかっこええ設定とか、話としておかしいやん!


A:え〜、君は安月給でこき使われるブラック企業の社畜って設定でしょ?


B:それはそうやけど…… あ〜、くっそ! ホンマ、なんで自分で思いつかんかったんやろ? 絶対あっちの方が女の子の読者に人気でるやつやん。 あぁ、もう! 何とかならんかなぁ。 大体、元々俺の話やし、俺がおらんかったらあのディート何とかってのも生まれんかったわけやし、実質俺が考えたようなもんやんなぁ。それに、あいつ別に小説家目指してるわけでもないし……


A:うわぁ、すごい悔しそう…… ん〜、それじゃあ、死んだ後ディートフリート・クラインシュミットに生まれ変わったってことにしたら? 成長とともに前世の記憶を思い出す感じで……


B:ええの!? Aのネタやのに?


A:良いよ。元々Bの話で実質Bが考えたようなもんだし、別に小説家になろうとも思ってないし……


B:よしっ! そんで、その後はどうなるん?


A:え〜と、チート能力をもらって生まれ変わった君は魔剣士ディートとなって魔王からの命令で王女をさらいに行く、そこで王女を護衛している勇者と王女を賭けて決闘をする。


B:それからそれから?


A:で、その後、お互いに渾身の奥義を打ち合って二人共深手を負い、ディートは残る力を振り絞って王女様を連れ去る。そして、身を隠した森の中で王女様の回復魔法で逆に助けられて話をするうちに二人の間に愛が芽生えて、そこから二人の逃避行が始まる。その後勇者と何度も剣を交えるうちに友情が芽生え、ともに魔王を討ち倒す決意をする。こんな感じかな


B:おーっ! すっげぇ、俺の作品! マジ熱いんちゃう!? コレ絶対売れるわ!


A:はぁ、もう君のでいいから自由に書いていいよ。 ……テンプレだし


B:よし! じゃあ俺、将来ブラック企業でこき使われる社畜になりたいって先生に言ってくる!


A:えっ!? いやいや、小説家になろうよ!?

最後までお読み頂きありがとうございました。

自分でも面白い作品として纏められているか不安ではありますが、ご評価、ご感想などいただければ嬉しく思います。

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― 新着の感想 ―
[良い点] そこに戻っちゃうんだ・・・・(笑) オチがいいですね。
[良い点] とても良かったです! 創作する者として、こういう話は大好きです。ライバルの話がスラスラ出てくる辺りから、特に面白くなっていきました。 なろう系作家になりたいから、なろう系主人公になりたい…
[良い点] キレイなオチ!
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