第7話 異世界も地球も飯はうまい
ついに街の中へ、城下町の詳しい構図はおいおい説明していきます。
「っと、ここで一旦降りてくれ。」
大きな門の手前で降ろされた。身分証が無いため犯罪者かそう出ないかの確認をするそうだ。
「ここに手を置いてくれ、緑に光れば君たちは晴れてアルフレート王国に入る許可がおりる。」
そう言われて門の横に地球でいう指紋認証の様な台が置いてあったので、言われた通り手のひらを置いてみる。すると台が緑色に輝き出した。
「兄ちゃんすげぇぇぇ!石光ってるぞ!」
「わぁぁ、綺麗ですね~」
「流石お兄ちゃんだね!」
台に手を置いただけで褒められた…。恥ずかしいから大声で話すのはやめなさい。と言っても自分たち以外は居ないのだが(笑)
「よし、では次」
こうして全員の審査が終わり、晴れてアルフレート王国への第一歩を踏み出した。
そこには、日本では信じられないほどの活気が溢れた街が見渡す限り広がっていた。
「おおぉ、お祭りみたいだな。常にこんな感じなのか?」
「この国は人口が10万人を超え世界でも5位、治安もこの世界で3番目に安定しています。私が天界にいた時よりも活気に溢れていますね…。本当になにかお祭りがあるのかもしれません」
一番じゃないのは難民の受け入れもしているせいだろうな。
「お兄ちゃん!美味しそうな匂いがいっぱいするよ!見に行こうよ!」
「兄ちゃん!オーク肉の丸焼きってやつ食ってみてぇ!」
「よしよし、順番に見ていこうか!」
「「わーい!!」」
こうして、異世界初食い倒れツアーを観光するのであった。
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閑話
一方。ここはとある辺境の地
「どうだ、計画の方は」
「は!全て滞りなく順調に進んでいます!」
「よろしい。そのまま続けなさい」
「は!全ては魔神様復活のために!!」
魔神 邪神とも言われ龍神王と同じく、魔を統べる魔王のさらに上の存在。
平和になったこの世界では魔王はめったに人前に現れないため、魔王は存在していないと世間では言われている。人間との戦争ももう1000年以上前であり、今の人々が知るはずもない。
その世の中に魔神様が復活すれば?…
「ふふふ、平和に腐ったこの世の中を我が手で変えてやる…。」
そう言って男は闇に消えていった…。
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「ふぅぅ。食った食ったぁぁ~。」
「はい!どれもとても美味しかったです!私はあのわたあめというものが特に!」
「あ!あたしアイスってやつ!冷たくて甘くて最っ高!!」
「俺は断然オーク肉だな!!あのジューシーな脂と歯ごたえはもう病みつきになっちまった!」
この世界は俺以外にも転移者がいるらしく、そいつらが地球の料理などを広めたらしい。だが今の時代では転移者は俺だけだそうだ。
こうして、各々の感想を述べながら1日目の王都探索は終わった…。
「さて、次は今日泊まる宿探しだな!」
金は龍神王様が貯めていた宝から少しいただいた。大金貨5枚、金貨10枚、銀貨90枚、銅貨30枚だ。異世界転移者の特典としてポケットと呼ばれるアイテムボックスのようなものが送られる。念じるだけで好きなものを取り出し可能との事でとても重宝している。100kgまでなら自由に出し入れできるらしいが、自分のは特別で、女神の加護が宿ったポケットとなっており、いくらでも入るそうだ。アイテムチートだな。
「一応金はあるし、しばらく滞在だから…」
そう言ってぶらついていると、一人の女の子に男3人がたかっているのが見えた。何やら揉め事のようだ。
「おうおう!、どうしてくれんだ!?」
「この服は兄貴が何年も働いてようやく買った 超!高級服なんだぞ!」
「こりゃ弁償だけじゃぁすまねぇよなぁ?」
どう見てもボロい服なんだが…あれか、庶民には理解し難い高級ブランド品なのかもな。観察眼出みてみよう
(商人の服 偽 銀3枚相当の価値がある。そのへんの露店によく売っている)
あ、やっぱパチモンだったか。しかし、下手に手を出して騒ぎになるのも困るな。
…あれ?クレアとルイは…?なんか嫌な予感…
「ちょっとぉ!男3人でこんな小さい子囲んで恥ずかしくないわけ!?」
「そうだぞおっさん!それにその服俺らがこの街回ってる時にも見かけたぞ!露店で!」
あらぁ…。遅かったかぁ…
「何だこのクソガキども!」
「へっへっ、兄貴、こっちの女…なかなかの上玉ですぜ」
「こっちの男もいい男ですぜ…。あぁ^〜ゾクゾクしてきたっす!」
「ふん、おいそこのガキ共、俺たちについてきたらそこのガキを見逃してやろう。ただし、付いて来なかったら…分かってるよな?」
「何するのよ?」
「後ろのガキの店ぶっ壊してやるぜ!2度と建て直せないほどになぁ!」
どこの国にも下衆はいるもんだな。
「友也くん、助けに行かなくてもいいんですか?」
「大丈夫、もうすぐ収まる」
気配察知にさっきの兵士と似たような人物がこちらに来ている。誰かがとっさに通報していたようだ
「お前達!ここで何している!」
どうやら収まりそうだな
「い、いえ!何でもないです!」
「そうか?男3人で子供を脅していたように見えたが?」
「め、めっそうもございません!この通り我々は何もしておりません!」
それ、何かするつもりだったって言ってるようなもんだぞ。
「そうか、この国で争いはご法度だからな。見つけ次第即逮捕だ。分かっているな?」
「はい!ご迷惑をおかけいたしました!」
「おい!ずらかるぞお前ら!」
「「は、はいっす!」」
男達は足早に逃げていった
「た、助かりました!おふた方、それに兵隊さんも!」
「なに!いいってことよ!」
「そうよそうよ!あんなヤツら捕まってしまえばいいのに!なんで捕まえないのよ!」
「済まないな、奴らはよくこの街で弱いものいじめのような事をしている輩でな。だがこの国は直接戦闘を見ていない場合は現状注意で済ませるしかないのだ。」
なるほど、日本の法とすこし似ているな。だからすぐ逃げずに丁寧な対応をとったというわけか。
なかなか賢い奴らだな。よし、そろそろ合流するか
「お前ら、急に飛び出して行くなよ危ない目にあったらどうするつもりだ?」
そんな事は恐らく無いだろうが、兄としては心配なのだ。
「ご、ごめんなさい」
「ごめんよ兄ちゃん」
「まぁお前らが優しいのは俺がよく知っている。ただ暴力の解決はダメだからな?親父とも約束したよな?」
「「はい…」」
「よしよし、次からは気をつけるんだぞ」
いつものように頭を撫でてやる。最近この子達の頭を撫でているとエリシアが物欲しそうに見てくるのは何故だろうか。それはともかく、何事もなくてよかった。
一応あのあとあの子に何か危害を加えようとするならそれなりの対応をするつもりだったが…。まぁいいだろう。終わりよければすべてよしだ。
「み、みなさんは旅の方々ですか?」
「そうだけど?」
「で、では!うちの宿屋ミラージュに寄って行ってください!勿論!部屋もお貸ししますよ!」
おお!それは助かる!
「そうか?ではお言葉に甘えさせて貰おう」
「はい!申し遅れました!私はミミといいます!」
「ミミちゃん!よろしくね!」
「はい!」
女の子同士気が合うようだ。今晩はこの宿に泊まろう。しかし宿屋なのに名前がヨーロッパ風なのは何故だろうか…。まあいいか。
こうして友也たちは、宿屋 ミラージュの世話になることとなった
物語の長さがいまいちわからん。
次は少しエッチですよ…男性諸君