二人の想い
神坂SIDE
美空さんに言われてやっと気付いた。
俺は…碧衣ちゃんが…好きだ。
碧衣ちゃんがデートですって言った瞬間、世界が止まった。
碧衣ちゃんに好きな奴がいて、そいつとデートなんだ…と思うと胸が苦しかった。
誰にも渡したくない。
そう思うのは全部、碧衣ちゃんが好きだからだったんだ。
そして碧衣ちゃんがデートの相手と逢う○○○に着いた。
とりあえず中に入り、碧衣ちゃんたちが来るのを待つことにした。
ーそれから数十分経過ー
店員「いらっしゃいませー!何名様でしょうか?」
碧衣「あ、二人です。」
碧衣ちゃん!!!!!
ついに来たかー!!
で、相手は…?
見えた、何か背が高くて細くて、かわいい感じの男…だなぁ。
ってか、ああいうのかタイプなのか、碧衣ちゃんは…。
俺、可愛くもないし、背小さいし、細くない…。
はぁ、何か自信無くなってきたぞ…。
ってか、碧衣ちゃん達、俺の後ろの席じゃん!!
必然的に会話が聞こえてきて、でも次の瞬間、俺は耳を疑った。
碧衣「ねぇ、日和。今日、相談したいことがあったんだけど、聞いてくれる?」
日和…何か女みたいな名前だなぁ…。
日和「うん、どうしたの?」
碧衣「あのね、会社に神坂さんっていう男の人がいるんだけど、その人が今日、他の女の人と喋っているのを見ただけで私、嫌だって思っちゃったの。何でかなぁ?」
…………え?
い、今、何て?
日和「バカだなぁ、碧衣は。碧衣は、その人のことが好きなんだよ。だから他の女と喋ってるの見てやきもち焼いたんだよ。」
碧衣「そっかぁ…。私、神坂さんのこと、好きなんだ…。」
碧衣ちゃんが…俺を…好き!?!?!?!?
ガッターン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
思わず動揺して俺は椅子から滑り落ちた。
店員「キャー!お客様、大丈夫ですか?お怪我などはございませんか?」
店員が大きな声で叫び、大騒ぎになってしまった。
その騒ぎで碧衣ちゃんと目が合ってしまった。
碧衣「えっ!!か、神坂さん!?!?」
神坂「あ、碧衣ちゃん、お疲れ様…。」
碧衣「お疲れ様です。…じゃなくて、どうしてここに!?」
神坂「あ、それは…。」
日和「どうでもいいけどさ、話ならここ出たほうが良いんじゃない?」
日和さん?の提案により、ここを出てすぐのところに公園があったので、そこで話すことにした。
気を利かせてくれたのか、日和さんは帰って行った。
碧衣「あ、あの…。どうしてあそこにいたんですか?」
神坂「えっと…、その説明の前に聞いてほしいことがあるんだ。そっちが先でもいい?」
碧衣「あ、はい…。」
神坂「俺、最初一目見たときから碧衣ちゃんのこと、好きなんだ。良かったら付き合ってくれないかな?お願いします!!」
そう言って俺は頭を下げた。
碧衣「……え……?あ、あの…その…返事の前に、私も聞いてほしいことがあるんです…良いですか?」
それから彼女は、自分の過去を語ってくれた。
…それは、本当に辛く悲しい過去だった。
俺は思わず、碧衣ちゃんを抱きしめていた。
神坂「今までよく一人で頑張ったね。碧衣ちゃん、凄いよ。俺なら耐えられなかったと思う。俺も男だし、信じられないかもしれないけど絶対浮気なんてしない。碧衣ちゃんだけを愛するって誓うよ。それと、どんな時でも碧衣ちゃんの味方でいるし、碧衣ちゃんがもし辛い思いをしているときは支えるし助けになるよ。だから、俺と付き合って下さい。」
碧衣「………はい、よろしくお願いします……。」
こうして俺たちは付き合い始めたのだった。