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True Love  作者: 碧衣
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番外編~過去~

-6 Years ago-





私が16歳で、携帯を初めて持ち始めたときのこと。


私の家族の仲は良く、恵まれた環境に育ったと思う。


「あー…携帯にもっと曲入れたいなあ…。」


そのころの私の携帯は、親によりフィルタリングがかけられており、

自分の携帯では課金制でしか大好きな音楽さえ入れることが出来なかった。


「あ、そうだ、お父さんの携帯でなら入れられるじゃん!」


この時、家族は皆出かけており、父親が偶然携帯を忘れて行ってしまっていたのだ。


「よし、借りよう!」



そして携帯を開いたが、私はこの時携帯に慣れておらず、誤って偶然来たメールを開いてしまったのだ。




「あ、あれ?メール、開いちゃった…。……!!!!!!!」


そこには…















「明日、碧衣ちゃん送っていくんだ…。大変だね、頑張れお父さん^^

 あ、火曜日、早く逢いたいな♡♡

 おニューの下着履いていくから楽しみにしててね♡」


















と書かれていたのだ…。






「…え?」









確かに明日は部活で家から少し遠いところで練習なので送ってもらう約束。

だけど、何でこの人が知ってるの?

何で私の名前を知ってるの?

何で父親に♡マークを使ってるの?











…この人は…誰…?










「不倫」



私の頭の中に、この二文字が浮かび上がった。




それから私は待ち受け画面に戻し、自分の部屋に戻った。


…信じられない。

父親は、厳しい面もありながら、優しい面も持つ人で、

母親や妹から信頼を寄せられている人であった。


もちろん、私もだった。


…ショックだった。




「男は浮気する生き物」

ってよく聞くけど、

噂だけだと思ってた。



でも、これ間違いではなかったんだね。

その通りだったよ。










もう、男なんて、信じない。

彼氏なんか、いらない。





この出来事があってから、私は男の人が怖くなってしまったのだ。








それからもう一つ。

碧衣の心が傷ついた原因となった出来事があったのだ。




それは、碧衣が専門学校を卒業し、有名旅館に就職したときの事…




その旅館はスタッフが少なく、毎日夜遅くまで宴会等の片付けに追われていた。

そして後日ルールが決められ、次の日が休みの人達が宴会の片付けをする、ということになった。


碧衣はそれを知らされておらず、一度帰ろうとして先輩に怒られていた。



そしてある日…



「じゃあ、帰って良いよ!」


先輩の声がかかり、碧衣は同期と帰る準備をしていた。



「ねえ、もう他の宴会の片付けは終わったのかな?」


「終わったんじゃない?帰ろー!」



そんなやり取りをしていた時、


「ちょっと川瀬さん!!!片付けまだあるでしょ!!!」



と、なぜか私だけ呼ばれた。



「え?」


「え?じゃないわよ…C宴会場、まだ片付け終わってないから!!!」


「は、はい!!」



そして宴会場の片付けが終わり、B更衣室で着替えていたその時、



「ほんと、川瀬さん使えねー!!!!」


と、隣のA更衣室から声がした。

しかも、碧衣が一番仲が良く、尊敬していた先輩方の声だった。


…え、私??


碧衣は固まって動けず、そのまま話を聞くことになってしまった。



「あいつ、何なの?」

「わかんない。でも、ありえないよねー。」

「性格悪いよあれは、絶対。」

「しかも、ビュッフェ行くの嫌だからってフロントに一番最後まで残ろうとしてさ…仕事なめてんの?」



…違う。

私、そんなこと思ってないし言ってない。


ただ、来てないお客様が多数いるのに先輩一人じゃ大変だと思って残っただけなのに…

それに先輩も「ありがとう、助かったわ!」って言ってくれたじゃん…



「マジくそだよね…。」

「やる気ないなら辞めればいいのに…。」

「はあ…。」



何で私ばかりこんなこと言われなきゃいけないの?







…先輩のこと、本気で尊敬してたのに…

信頼してたのに…








それから私は会社でも寮でも一人になり、

会社に行こうとする度過呼吸を起こし、

病院に行くと、すぐさまドクターストップがかかってしまい、会社を辞めた。




それからは自宅で療養し、いい機会だからと親が車の免許を取るよう勧め、

自動車学校に通い、免許を取り、そして就活し、最終的に派遣という形で就職することとなったのだ。





ただ、その時の碧衣は、

親友の日和(ヒヨリ)以外を心から信じることが出来ない人間になっていた…


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