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True Love  作者: 碧衣
3/7

~歓迎会~



「「「かんぱーい!!!!!!!!!!!!」」」


今日は、私の歓迎会。


…実は私、20歳を過ぎているにも関わらず、お酒は今日が初めて。


神坂「あれ?碧衣ちゃん、どうしたの?飲んでなくない?」


碧衣「実は私、お酒飲むの初めてなんです…。」


私がそう言うと、皆びっくりしたような顔をした。


神坂「え、そうなの?じゃぁ、今日は初めてのお酒と、歓迎会でWでめでたい日だね!!」


…何がめでたいのか全然分からないけど、まぁちょっとずつ飲めば大丈夫だよね?


私がちょびちょび飲んでいると、神坂さんの部署の部長さんが、


「さて、本日の主役、川瀬さんに自己紹介でもして頂こうかな!!」


と叫んだ。


…え?じ、自己紹介!?!?


「「いいねー聞きたいなぁ!!!!」」

「「お願いー川瀬さんー!!!!」」


皆さんの視線が私に集中する。

…はぁ、やるしかないか。


私は立ち上がり、自己紹介を始めた。


碧衣「えっと、システム管理課の川瀬 碧衣です。出来ればで構いませんが、下の名前で呼んで下さい。」


私がそう言うと、神坂さん以外の皆さんがまたびっくりしたような顔をし、


「「本当に!?!?じゃあ、碧衣ちゃーん!!!!!!!」」


と何故か叫ばれた。


碧衣「あ、ありがとうございます!!趣味は、お菓子作りで、いつも余るので、食べてくださる方を募集中です…。」


「「食べる食べるーーー!!!」」


うん、何かこの合いの手に慣れてきた(笑)


碧衣「えっと、あとは…。」


「はい!質問!!碧衣ちゃんは、彼氏いますか???」


………。あはは、来ると思った……。


碧衣「いません。」


「じゃぁ、俺、立候補しようかな!!」


と、立ち上がったのは、社内一のイケメンと言われてるらしい、製造課の星川さん。


星川「ねぇ、碧衣ちゃん。俺なんてどう?大切にするよ?^^」


星川さんは私の隣に座り、顔を近付けてきた。


…どうしよう。

怖い。怖い。











ぎゅっと目をつぶると、誰かに強い力で引っ張られた。






目を開けると、私は神坂さんの腕の中にいた。


神坂「星川さーん!!!悪ふざけが過ぎますよー!!」


星川「何だよ神坂!!邪魔すんなよー!!」


神坂「と・に・か・く!!碧衣ちゃんはダメです!!!!!!!!!!!!」



神坂さん…私を助けてくれたんだ…。

しかし、近い…。近すぎる。


碧衣「あの…神坂さん…。」


私が神坂さんの顔を見上げると、神坂さんと目があった。


神坂「あっ!!!!!!ごめん!!!!!//////////」


すぐさま神坂さんは気付いたみたいで、私を離してくれた。


「おーい、神坂、セクハラかぁ!?!?」

「碧衣ちゃんになんてことを…」


神坂「ち、違いますよ!!!!!!!!!!」


そう言いながら神坂さんはその人たちのところへ行ってしまい、

私は一人になりたくて化粧室へ入った。


………まだ、顔が赤い。

私、意識してる?


…神坂さんを?


…でも、神坂さんはあれと一緒の"男性"よ?


…そんな訳ない。


そう自分に言い聞かせていると…


「川瀬さん、大丈夫?」


と、管理部の美空 汐莉さんが化粧室に入ってきた。


「あ、大丈夫です。もう戻ります。」


「そっか。…あのさ、もし良かったら私たち、友達にならない?」


……えっ?

私と…美人で人気者の美空さんが?


「事務所、若い人いないでしょう?私、あまり話が合わなくて…。川瀬さんなら歳も近いし話も合うんじゃないかなって!…ダメかな?」


そっか。でも…また裏切られたら?

…でもせっかくのお誘いだし…


「はい。私なんかで良ければ!」


気付くとそう答えていた。


「ほんと!? じゃあ、碧衣って呼んでもいいかな?私のことは汐莉でいいよ!」


「あ、はい、汐莉さん!」


そして二人で皆のところへ戻ると、


「おーい、汐莉ちゃん、碧衣ちゃん、二次会行こうぜー!」


と、汐莉さんの部署の方たちが声をかけてくれた。


「碧衣はどうする?」


「あ…私は帰ります。」


「分かった、じゃあ、気を付けて帰ってね!バイバイ!」


「はい、汐莉さんも!」


そうして汐莉さんと別れ、夜道を一人で歩く。


今日は汐莉さんという友達(?)が出来た。


ただ、男の人は……ダメ。





ダメ。





…ダメなのに、どうして顔が浮かんでくるの…?



神坂さん、あなたの顔が。




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