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無属性魔術しか使えない魔術師  作者: 401
第一章 奴隷編
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第八話 解放

 で、三年後。


 なんだかんだで。


 処刑である。


※※※※※


 なんかコロシアムっぽい場所。

 観客席にはたくさんの人。

 俺はコロシアムのど真ん中でぽつねんと立ち尽くす。

 目の前には…………なんだ、日本の一般家庭ぐらいの大きさの、真っ赤な西洋風ドラゴンが鎖に繋がれております。


 そして、その鎖が今、解かれようとしています。


 あれからあちこちに買われた。

 俺が生意気だったのと、防御力強化のおかげで罰(ムチで叩かれたり)を与えられても大してこたえてないので、すぐに転売された。

 一所に留まることはあんまりなかった。

 待遇はヒドイもんだったが、防御力強化と回復力強化があればそうそう死ぬことはないし、あの貧乏な家で三年過ごしてきた身としては、今更感が結構した。


 しかし、俺がいくら飄々としているからといっても、ストレスは溜るものでして。


 ついうっかり、この前主人を殴り殺しちゃったんだよね(笑)


 一撃死だったよ。当たりどころが悪かったのかな?


 つーわけで処刑です。

 もともとこのコロシアムで働いていたのだが、今度先述のドラゴンと有名な冒険者(この世界にいる、害となるモンスターを倒して日銭を稼ぐ人。定番だね)がここで戦うらしく、「あ、せっかくだしコイツを使ってドラゴンの戦闘力を見せつけてやろう」という余計な考えにより、俺がこれからパックリいかれようとしています。


 …………別に死の恐怖はない。なんたってもうすでに一回死んでるわけだし。

 俺は今でも魔力トレーニングを続けているが、それだってこのドラゴンに勝てるとは思えない。

 全力で防御力強化したら吐き出されないかな。

 無理か。


 成長期がくるまでは生き延びたかったなあ…………まだ俺六歳だぜ?


 目の前でドラゴンの鎖がガチャガチャと外されていく。

 俺、さっきからもう嫌になってきて地面にごろ寝。


 ついに最後の鎖が外され、ドラゴンが雄叫びをあげる。うるさい。

 ドラゴンはまず観客席に向かおうとしたが、事前に張ってあるバリア的魔法で弾かれる。

 忌々しそうにバリアに爪をつきたてるドラゴン。


 …………うわ、やめてその音。黒板引掻く音とそっくり。


 ついで俺を発見し、ドラゴンが向かってくる。


 …………はあ。

 このまま抵抗せずにやられても観客ウケ悪いだろうし、ちょっとした悪あがきぐらいはしてみますかね。


 意味ないでしょうけど。

 まず立ち上がる。

 次に、基本魔力を右手に全部充填。

 次いで潜在魔力解放。

 潜在魔力は体全体に行き渡らせないと制御するのは難しいのだが、今回は右手に無理矢理充填する。


 あ、足にもちょっと入れておこう。


 そして、ドラゴンの爪が俺に向かって振り下ろされる寸前――――


 ――――跳ぶ。


 地面が大きく抉れ、土石が吹き飛ぶ。

 風を切り裂き、一瞬で接近。

 爪をかいぐぐってドラゴンの腹に。


 そして、拳を叩き込む。


「奥義、汚物消毒拳!」


 技名は適当だ。


 そして唯一鱗の無い、ドラゴンの腹に拳が突き入れられた。




















 ドラゴンは、見るも無惨に爆発四散した。


 …………あれ?

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