The first morning
短くなってすみません。
感想お待ちしています。
~ドンドンドン、ドンドンドン~
(うるさいな~。朝から誰だよ)
「剛様、起きてください、起きてください!」
マリーだと思われる声を俺は無視した。もっと寝ていたいし……。
マリーの声はウザいアラームのようにだんだんと声が大きくなっていく。
俺はしばらくドアが叩かれるのを聞いていた。
すると、いきなり静かになった。
(諦めたか……俺をなめすぎたな)
「水の精霊よ、俺に力を貸してくれ。ウォーターキャノン」
~ガシャーン~
俺は自分の方に吹っ飛んできた扉の破片を避けた。メチャクチャな威力じゃん!殺す気か!?普通、人を起こすのに魔法使うか、コノヤロー!
もちろん声の主は、優斗だ。一応、勇者の俺に一般人はそんな事はしない。
「速くしろ、剛!王様が待ってるぞ!」
「そんなの知るか……お、王様?」
(そう言えば、昨日王様に会うってマリーに言われたような……これは、まずいぞ。完全に忘れていた!)
俺は急いで着替え、俺、優斗、マリーは急いで王室に向かう。
走っている途中、
「おい、優斗!ドアを壊す必要はなかったんじゃないか?って言うか、いつ魔法を覚えたんだ?」
「ドアには悪いことをしたが、こうでもしないとお前は起きないだろう」
(ごもっとも。よくご存知で……さすが、俺の事を親友と呼ぶことはある)
「魔法は今朝、マリーちゃんに教えてもらった。朝早だったのに手伝ってくれて、ありがとう」
マリーの顔はトマトのように赤くなった。ここから王室に向かうまで二人はイチャイチャしていた。
(朝からイチャイチャして、目障りなんですけど……出来たら、後にしてくれよ)
「王様、剛を連れてきました」
俺の顔を見て一瞬王様は怯み、ボディーガード達は剣を抜き始めた。
(だから俺は今のところ悪キャラじゃないの。絶対にこの顔で外を歩いたら兵士たちに捕まるな~)
「勇者優斗、ご苦労だった。そこの者……遅い!」
「すみませんでした」
俺は一応謝っておく。後で色々トラブルに巻き込まれても嫌だしね。
(だいたい、この世界に俺を飛ばしたのは誰だよ)
王様は俺なんかに興味を持たせず、優斗に向かって告げる。
「これから勇者優斗……そして、もう一人の勇者に真の勇者としての力を見極めさせてもらう」
(俺の名前も覚えてないくせに……偉そうな気になるんじゃねぇよ)
「それでは、ただ今から試験を始めます」
王様の付き添いの女性(美女)は試験の説明を始めた。さすが王室の人は美女を雇いたがるね。
試験といっても、どうやら自分の手を羽の付いた蛙の頭に乗せるだけらしい。
(気持ち悪ぃ……て言うか、俺の真の力が知られたら俺はどうなるんだ?…………クックック、あの醜い蛙に少し痛い目に遭ってもらいましょうか)
まずは言うまでもなく優斗が蛙の頭に手を乗せた。
蛙は目を閉じながら口を開き、しゃべった。
「これはすごいですぞ。裕様は土、水、火、風、闇、光すべてに適性があります。裕様の魔力は王宮魔術師の約50倍です。さすが我が勇者と言った所でしょうか。皆さんもお気づきだと思いますが、この輝かしいオーラは我々に希望と未来を与えてくれることでしょう」
どうやら優斗は自分のオーラの事について未だに知らなく、蛙にそのオーラの事を説明してもらった。
俺はヌルヌルしていて、とても臭い蛙の頭に手を置いた。蛙はいかにも「こんなやつは私が見る必要もない」と言う雰囲気を出していた。もちろん、この部屋に居る全員の者も。
「それでは、剛様。剛様は…………まさか!」
蛙は真っ青な顔をして俺を見上げた。クソッ、気付きやがったか?
王様や皆の者は何が起きたか分からず、蛙に質問した。
「どうなのじゃ?」
俺は殺気を上手く蛙だけに集中させた。
(絶対に俺の不利になることは言うな、コノヤロー。じゃなきゃ殺すぞ!)
このぐらいで殺気を放った。もちろん、他の人には分からないように。こんなところで、邪悪の力の存在を知られたら、俺の人生はメチャクチャになる。俺の中で勝手に決め付けていた、平和な国……フルータ国にも行けない。
俺は全邪悪なパワーを蛙にぶつける。蛙は青い体をさらに青くして言い放った。
「覚悟してお聞きください。剛様は………………」
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