第七話 ガンナーズ
長らくお待たせしました!
兵士育成学園に入学から2ヶ月が経過した。
初の学園戦争から基本的に何も変わらず淡々とクエストをこなす日々が続いている。
学園に入ったからと言って何か特別のクエストが用意される訳ではないと知った時はなんというか……残念な気持ちになった。
そして今日はついに兵士のジョブをマスターすることができた。
「おめでとう、リュウジくん。」
「おう。ありがとうな。」
入学したての頃からほぼ毎日俺と行動を共にしてきたエリカだが、これでお別れになる。
「で、もう出て行くの?」
「それはまあ、これでも一猟団の団長だしな。団員をいつまでも放っておくわけにはいかないし。」
「それもそうね。」
2ヶ月放置のツケはデカイぜ。
「卒業試験は難しくないらしいからリュウジくんでも平気でしょ。」
「なんだそのいかにも俺がバカみたいな言い方は。」
「え!?」
「驚くな!」
こんなやりとりも今日限りだ。
なんとなく寂しいな。
「その前にやり残したことがある。」
「そうね、私との決着が着いていないわ。」
「ゲッ!?覚えてやがった!」
「コラ!待ちなさい!」
最後の最後まで走る羽目になるとはつくづくついていないぜ!
◇◇◇
「で、結局やり残したことってなに?」
散々追いかけ回された結果目的地には到着した。
「いや、兵士ならこれぐらいは持ってないとな。」
「まあ、否定はしないけどね。」
兵士の持つものそれは、銃である。
今俺たちは研究所の前にいる。
やはり一丁くらいは持っておきたい。
「私的にはスナイパーがいいな。」
「お前に買うわけじゃないからな。」
「え〜。スナイパーで狙撃するリュウジくんかっこいいと思うけど。」
「突スナの俺に敵はいない。」
「…………。」
そんな目で見るな。
「冗談は抜きで、ハンドガン一択だな。」
「なんで?」
「剣と銃を両方持ちたい。」
「…………。」
だからそんな目で見るな。
でも剣の二刀流よりはましだと思う。
「まあ、人の好みにとやかく言わないわ。」
そうしてください。
「何にするの?やっぱり渋くリボルバーにする?流行りに乗ってオートマチック?」
「お前の流行りはどうかしてるぞ。」
「そんなことはない!」
否定された。
「どうするの?私も暇じゃないんだ。」
「暇じゃないけどいつも俺といるよな。待て待て、そんなに睨むな答えるから。結論としてどちらでもない。」
「え?どうゆうこと?」
「それはできてからのお楽しみということで。ネタばらしはつまらないだろ?」
「何それ。」
そんなこんなで完成。
「え?なにこれ?」
驚くのも無理はない。
完成したのが剣だからだ。
「銃を作るんじゃなかったの?」
「ああ、銃を作ったよ。」
「どこからどう見てもあなたが今まで使っていた剣よ。」
「ああ、剣だよ。」
「何それわけわかんない。」
それはそうだ。
俺でも説明がなければ訳がわからなかっただろう。
「なら、確かめるか?」
「え?」
「最後に決着つけていくか?」
心の残りがあっては俺も気分が悪い。
「……受けて立つわ。あの日の屈辱晴らす時よ。」
「そうこなくちゃな。」
学園生活最後の決戦が幕を開けた。
◇◇◇
現在のLvは68。
無駄スキルを叩き上げ無駄無駄ラッシュを夢見た結果、体術をマスターする始末になってしまった。
決闘にはエントランスを使うことになった。
何故かというと目立ちたいというエリカのドM精神に基づいた結果である。
こんなことを言うとデュエル以前に俺の命が危ないから内緒だぜ☆
「準備はいいか?二人とも?」
教官、(プレイヤーらしい)によりデュエルはとり行われる。
「ちなみにこれをリュウジ隊員の卒業試験とする。合格条件は彼女に勝利することだ。」
「え!?聞いてないですよ!!」
「今言ったからな。」
さすが、NPCではできない芸当だ。
「準備はいいか?」
「もちろんです。」
「……次こそは勝つ!」
長い長い学園生活に終止符を!
「戦闘開始!」
合図と共にエリカは一気に距離を詰めて来た。相変わらず素早いな。
「くらえ!!」
剣技、“ブレイバーアヴァランチ”。
俺の使っているアヴァランチの強化版だ。
前にこれでやられたからやり返しているのだろう。
くそ!可愛いじゃねぇか。
しかしそれを技、“いなし”でやり過ごす。
「相変わらず変な戦い方ね。」
「褒め言葉と受け取っておくよ。」
お返しに剣技、“ブーストアヴァランチ”で対抗する。
通常のアヴァランチと違い火属性が付与され威力が格段に上がっている。
「………ッ!」
辛うじて避けられたが実力差はさほどないようだ。
「前回は力を見せずに終わったけど今回は違う。」
そう言うと腰のホルスターから一丁の拳銃を取り出した。
「グロックか。」
たった一丁の拳銃だが一発一発の威力は必殺級の威力を持っている。
「いい加減ネタばらしをしてもらわなくちゃね。」
そういえば忘れてた。
「わかった。俺の銃を見せよう。」
俺は愛剣“バーチカルエッジ”をエリカに突きつけた。
この行動に訝しげな顔をするエリカ。
柄の上側にあるレバーらしきものを押しながら剣を振り上げる。
すると剣は銃に変形した。
「………嘘。」
「俺の武器は、“剣銃"だ。」
「……そういうことね。」
「驚いたか?」
「ええ。……でも倒すだけよ。」
「単純っていいね。」
先にトリガーを押したのはエリカだった。
しかし、FPSで鍛え上げたおれの動体視力を前に弾丸の一発程度なら避けれる。
「次は俺の番だ。」
トリガーを3回連続で引く。
3発程度では避けられる。
なら追加で5発。
さらに追加で6発。
「一体何発撃てるのよ!」
「リロードがない銃は使い勝手がいいな!」
「何それ!」
残弾数無限、リロード無しのチート性能を誇る。ただし威力は低め。
「だったら剣で斬るわ。」
銃の安全装置を付けトリガーを押しながら剣に戻す。
「速い!?」
「ベアリング最高!!」
「これだから。」
笑っていた。
彼女は確かに笑っていた。
きっと俺の顔も笑っているのだろう。
とにかく楽しかった。
ゲームでこんなに楽しくなったのははじめてだ。
だから、お礼として俺の全力をぶつける。
「“獄炎の灯火神”!!」
俺が持っているもう1つの究極剣技。
炎神の如く荒ぶる火に対抗できる技。
「“水天の星女神!!」
対になる属性の剣技がぶつかる。
「はああぁぁぁぁああ!!!!」
「せやああぁぁぁあああ!!!」
直後、周囲は爆発に巻き込まれた。
周りにいた野次馬も巻き込まれたようだ。
激闘の末勝ち抜いたのは……。
「勝者は……リュウジか。」
こうして俺の学園生活は幕を閉じた。
次回は第二章完結です!




