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[完結保証]規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜  作者: 西園寺
海洋国編

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第48話 皇太子の戦い

次話は明日19時に投稿予定です。

王都ヴァルディアの城門が崩れ落ちた瞬間、帝国軍は一斉に動いた。


だが――


アルノー公爵の命令はすでに出ている。


「民間人には手を出すな」


帝国軍はその命令を徹底していた。


兵たちは整然と街へ入り、通りを制圧していく。


家屋を壊すこともない。

民を襲うこともない。


武器を持つ者だけを拘束し、貴族の屋敷や軍施設を押さえていく。


街は恐怖よりも――


困惑に包まれていた。


「……帝国軍だ」


「戦ってこない?」


「民には何もしないのか……」


住民たちは家の窓から様子をうかがう。


帝国軍は一直線に進んでいた。


目標はただ一つ。


王城。


―――


しばらくして。


帝国軍は王城へ到達した。


巨大な黒い城。


魔王城ヴァルディア。


アルノー公爵は剣を下ろした。


「包囲」


帝国兵が城を取り囲む。


逃げ場はない。


やがて城門が破られ、帝国軍は城内へ入った。


広い玉座の間へ進むと――


そこに二人の男が立っていた。



第一王子。

第二王子。


二人はすでに剣を抜いていた。


だが様子がおかしい。


目は赤く染まり、体から黒い魔力が溢れている。


レグナが低く言った。


「……暗力」


アルトもすぐ理解した。


暗力。


人の理性を奪い、力だけを増幅する力。


第一王子が笑った。


「帝国か……」


声が歪んでいる。


第二王子も狂ったように笑う。


「ちょうどいい」


「全員殺してやる」


次の瞬間。


二人の体から黒い魔力が爆発した。


床が砕ける。


兵士たちが一斉に構える。


だが――


第一王子が一歩踏み出しただけで、帝国兵が数人吹き飛ばされた。


第二王子も壁を蹴り、兵を叩きつける。


普通の兵では止められない。


アルノー公爵が低く言う。


「下がれ」


兵士たちが一歩引く。


アルトは前へ出た。


「俺がやります」


アルノー公爵は頷いた。


レグナは静かに言った。


「気をつけてください」


アルトは軽く肩を回す。


「問題ありません」


そして――


歩き出した。


第一王子が吠える。


「ガキが!」


黒い魔力をまとい、一瞬で距離を詰めてくる。


剣が振り下ろされた。


だが。


アルトは動かなかった。


カンッ!


金属音。


アルトは片手で剣を受け止めていた。


第一王子の目が見開かれる。


「なっ……」


アルトは静かに言う。


「遅い」


次の瞬間。


拳が腹に入った。


ドンッ!!


衝撃が広間に響く。


第一王子の体が宙に浮き、壁に叩きつけられた。


石壁が砕ける。


だが第二王子がすぐに襲いかかる。


黒い魔力をまとった拳が振り下ろされる。


アルトは横へ一歩。


拳は床を砕いただけだった。


アルトはその腕を掴む。


そして――


軽く投げた。


ドゴォン!!


第二王子の体が柱に激突する。


巨大な柱が崩れる。


だが暗力のせいで二人はまだ立ち上がる。


狂ったように笑いながら再び襲いかかる。


アルトはため息をついた。


「終わりです」


その瞬間。


アルトの体から膨大な魔力が放たれた。


空気が震える。


床が軋む。


第一王子と第二王子の動きが一瞬止まった。


アルトは一瞬で距離を詰める。


拳。


一撃。


ドゴン!!


第一王子が床に叩きつけられた。


続けて回し蹴り。


バキン!!


第二王子の剣が砕け、体が壁に突き刺さる。


静寂。


二人は完全に動かなくなった。


帝国兵が拘束する。


戦いは――


終わった。


アルトは軽く手を払った。


「終わりですね」


そして空を見上げる。


次の瞬間。


アルトは魔法を発動した。


巨大な魔法陣が空に広がる。


放送魔法が空に広がる。


巨大な魔法陣が王都の上空に浮かび、その光は遠く離れた地方都市や村にも届いていた。


アルトの声は魔王国全土へ響く。


そして同時に――


帝国にも届いていた。


帝都。


皇城。


皇帝は静かに空を見上げていた。


「……始まったか」


側近の貴族たちも空を見ている。


そこに響くのは皇太子アルトの声。


皇帝は小さく笑った。


「やるな、アルト」


魔王国。


王都ヴァルディア。


街の人々は皆、空を見上げていた。


「今の声……」


「皇太子……?」


「帝国が……支配するってことか?」


恐怖の声は少ない。


むしろ困惑が大きかった。


なぜなら。


帝国軍は侵攻してきたのに――


誰も殺していないからだ。


略奪もない。


民間人に手を出す兵もいない。


ただ秩序正しく街を制圧しているだけだった。


アルトの声が続く。


「安心してほしい」


「帝国軍は民間人に危害を加えない」


王都の広場で人々がざわめく。


アルトはさらに続けた。


「税制、法律、行政」


「すべて段階的に帝国制度へ移行する」


「生活は維持される」


その言葉は冷静だった。


支配者の言葉。


だが同時に――


理性的でもあった。


そして。


アルトは言った。


「魔王国の統治は」


少し間が空く。


王城の玉座の間。


帝国軍の兵士たちも静かに聞いている。


アルトは振り返った。


レグナを見る。


レグナは一歩前へ出る。


アルトは宣言した。


「帝国第四の公爵として」


「レグナ・デストを任命する」


王都にどよめきが起きる。


公爵。


それは帝国最高位の貴族。


しかも――


帝国には三公爵しかいなかった。


つまり今。


新たな公爵が誕生したのだ。


アルトの声が響く。


「レグナ・デスト公爵は」


「魔王国全域の統治と」


「海洋戦力の再編を担う」


王都の港町でも人々が空を見ていた。


魔王国は海洋国家。


船と貿易の国。


それを統治する公爵。


それが今決まった。


アルトは最後に言った。


「帝国は」


「魔王国を破壊しない」


「発展させる」


その言葉は静かだった。


だが重かった。


そして。


放送魔法がゆっくり消える。


空に浮かんでいた魔法陣が消滅する。


王城の玉座の間。


帝国兵たちがざわめく。


「第四の公爵……」


「レグナ殿が……」


アルノー公爵は腕を組みながら言った。


「決まりましたな」


レグナは深く息を吐いた。


「……責任が重いですね」


アルトは笑う。


「当然です」


そして言った。


「あなたなら出来ます」


レグナはアルトを見る。


しばらく沈黙してから――


静かに頭を下げた。


「必ず」


「この国を立て直します」


その瞬間。


帝国の旗が王城に掲げられた。


黒と金の紋章。


帝国の象徴。


魔王国は――


この日。


帝国に編入された公爵領デストとして。

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