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第19話 行く手を阻むもの

 不謹慎ながら『戦争が始まる』と聞いてワクワクしている自分がいる。だがそれはフィクションであることが分かっているからこその感覚だ。ゲームで例えるなら極限までレベルを上げたキャラでこれから敵を殲滅しに行くような高揚感。恐らくこれが正解だろう。別れ際にディノが「力を貸して欲しい」と言っていたようにこのキャラのスペックからすれば戦争が起こっても悲惨な目に合う可能性は低い。むしろ戦局を左右するほどの活躍をするだろうし、バッサバッサと敵をなぎ倒すこともあるだろう。しかし、もしこれが逆の立場で自分がやられる側だったらそうはいかない。それに戦争は悲惨だということを理解しているつもりでも、どれだけ他国の争いによって傷ついた人達の情報に触れたとしても、それは所詮、一瞬の『認識』に過ぎない。心を痛めるのはほんの一時でそれが実感としていつまでも残ることは無い。

〔なんだかなぁ……これが漫画だと分かってるから緊迫感が無いのかもな〕

 この漫画の世界でしか生きられない者にとって戦争は一大事なのだろう。が、これがストーリーを盛り上げるためのものであることを知っている自分にはイベントのひとつに過ぎない。そのあたりの温度差はある。

 デココ収容所を出て半日ほど飛び続けたところでミーユが聞いてきた。

「バーグに寄るミョ?」

『いいや。止めておこう』

「どうしてミュ? 隊長さんたちにあいさつした方がいいミョ?」 

『もしかしたらディノ達が脱走したことがバレているかもしれない。だとすると不審者を国外に逃がさないよう通達が出ているかもしれないからな』 

「ミョミョ! それはマズいミュ」

 確かにクーリンの持つ情報が漏れるのはジョイルスにとって不都合極まりない。本国は秘かに戦争準備をしていることが敵国に知られるのを防ぐ為に口封じを図ってくるに違いない。

『バーグはスルーしてデーニスに向かうぞ』

「了解したミュ!」

 だが相変わらずカバドラゴンのスピードは上がらない。多分このペースだとデーニスに着くまでにニ、三日はかかるだろう。無論、邪魔が入ることも想定しておかなくてはならない。

〔フィオナたちは無事に国外に出られたのかな……〕

 ふと、フィオナの顔が思い浮かんで気分が滅入った…。


   *  *  *



 丸一日は飛んだだろうか。しかしジョイルスを出るにはまだしばらくはかかりそうだ。身体のコントロールはとっくに戻っていたが特にすることもなく暇な時間をやり過ごすのに苦労していた。人目を避けて飛んでいる為、周りの景色も代わり映えしない。

(いい加減、空からの風景にも飽きたなあ……)

 さっきからずっと半分眠っているような感覚だ。目に入ってくる情報は上滑りして意識には触れてこない。ずっと上の空だ。そんな具合でさらに1時間ほど飛んだ。と、ふと変わった光景に出くわした。

「なんだこれ?」と、思わず声が出た。

 それは奇妙な岩の群れだった。黄緑色の緩やかな丘が広がる中、黒い岩がまるで放牧されたみたいに群れをなしている。それもひとつひとつが『こけし』のような形をしていて人が手を加えたようにも見える。だが、その大きさは一個あたり最低でも5階建ての高さぐらいはありそうだ。たまに上空から何とか団地を撮影したという映像を目にすることがあるがそれに近い。

(なんかあの岩の上に乗ってみてぇ)

 そんな考えが浮かんだものの我ながらガキっぽい発想だなと少し照れた。するとタイミング良くミーユが提案する。

「あそこで休憩するミュ?」

「え? ああ、そうだな」

「カバちゃん、だいぶ疲れてるミョ」

 確かにカバドラゴンも飛びっぱなしでスピードが落ちている。

「よし。じゃあ、あの岩に近い所で下りよう」

「了解だミョ」

 そこで高度をぐっと下げる。こけし岩の長い影が黄緑色のキャンバスに伸びるさまを見下ろしながらゆっくりと岩の群れに近付いていく。が、その時に例の感覚が襲ってきた。

〔うぉっ! マジかよ!〕

 背筋がピンと緊張して身体の自由が奪われるということはこのキャラのターンを意味する。それは物語が進行する合図であり、同時に自分がバトルの『とばっちり』を受けることも確定する。そして予想通りアクシデントが発生した。突然、視界が遮られたのだ。

『何だ!? ……水、だと?』

 視界に飛び込んできたもの。それは巨大な水柱だった。無論これが自然に湧き出たものでないことは明白だ。幾ら低く飛んでいたとしてもこの高さまで水が吹き上がることはまず無い。それにさっきまで眺めていたこの丘には不釣合いな水の量だ。

〔ちょっ! これってまさか?〕

 はじめはこの身体が出した魔法かと思った。ニーコミ村で敵のドラゴン兵を蹴散らした後で使った技を思い出したからだ。が、次々と下から突き上げてくる水柱の群れは、まるでホーミング機能がついているみたいに我々の行く手を阻もうとする。

「ミョミョ~! 危ないミョ!」

 ミーユは必死でカバドラゴンを左右に操る。が、我々が進みたい方向にことごとく先回りされている。なのに直撃はひとつもない。

〔遊ばれてる? てか警告?〕 

 水鉄砲のような勢いで下から噴出す水柱の大群に行く手を完全に阻まれてしまった。これ以上空中で右往左往するわけにもいかず丘に着地するしか選択の余地は無かった。

 

 何とか丘の上に着地してミーユが「もうやだミョ!」と喚きながらカバドラゴンにしがみつく。身体の方はといえばグルリと周辺を見回し、そしてある一点を見据えた。

『……』

 それはコケシ岩のてっぺんだった。

〔あれは……エスピーニ?〕

 ぽつんと岩の頂上に立つ銀髪の男。それはまさしくこの身体の兄、エスピーニ将軍だった。

『兄上……』と、ため息のように身体が呟いた。

 いつの間にか水柱の攻撃は止んでいた。多分、あれはこの男の仕業なのだろう。

銀髪の男エスピーニは岩を飛び降り、こちらに向かってゆっくりと歩き出した。

「許せ。弟よ」

 それが彼の第一声だった。

『……』 

「ダンクロフォード。悪いがこの先には行かせない」

『押し通る、と言ったらどうなさいます?』

「……力ずくで止める」

『正直……兄上とは戦いたくありません』

「ならば自分も本音を言おう。これは兄として最後の頼みだ。弟よ。この国に留まり、我と共に戦ってはくれぬか? お前ほどの水使いを失うのは余りに惜しい」

『それはこの国の軍人としてのお言葉でしょうか? それとも……』

「両方だ」

『……無理です。自分には、もう……』

「分かっている。すまん。聞くまでもなかったな」

『行かなければならんのです。なぜか分かりませんが、今はこうするしかない……そう確信しております』

「そうか。ならばそれでいい。お前の信じる道を行くが良い。だが、敢えて自分はお前の前に立ち塞がろう」

『やはり、そこを通してはもらえませんか』

「すまんな。本国からの命令には逆らえん」

『兄上こそ……真の敵が何か分かっていながら……なぜです? なぜ闇帝と戦わないのですか!』

「それ以上言うな。前にも言った通りだ。自分はジョイルスの軍人としての使命を全うするだけだ」

『……私は、私は兄上を失いたくない』

「まだ言うか! そのような配慮は要らぬ。これは信念を賭けた戦いだ。その結果がどうなろうと後悔はしない。お前もそうだろう? だから全力で来い! 容赦はせん」

 そう言うとエスピーニはスラリと背中の青白い剣を抜いた。やはりこれも長い。が、この身体が持っている大剣とは幅が違う。どちらかといえば鳥の羽を連想させるようなしなやかなフォルムだ。

『やはり戦うしかないのか……』

 そう苦しげに言葉を搾り出した身体が今どんな顔をしているのかは分からない。が、意を決したのか身体は無言で背中の剣をすらりと抜いた。

 互いに剣を抜いた状態で睨み合う。風が二人の間をすり抜けた。まるでこの地に何百年と佇むコケシ岩のように両者ともに微動だにしない。

 先に動いたのはエスピーノだった。エスピーノは左手を横に突き出して「デルマジカ!」と呪文を唱える。するとその手の先に水の玉が『キィィ……ン』と、出来上がっていく。それは物凄い勢いで膨張して、ついには身長の数倍までの大きさになった。その間わずか数秒だ。

〔デカい……てか大きくなるのが早い!〕

 エスピーノは出来上がった水の玉をすっと自らの正面に誘導すると「ジャクレンガ!」と、叫びながら剣を玉に突き立てた。それを見て〔何の儀式だよ〕と思った瞬間、まるで孔雀が急に羽を広げたみたいに水の玉が変形し、それが一斉にこちらに向かって飛んできた!

『クッ!』と、身体が防御の体勢をとる。ここは『メマジカ!』の呪文で分厚い水の盾を張って対抗する。が、飛んできたのは水の刃、というよりも鳥の羽のような形のものが次々と盾に突き刺さってくる。

『こ、これは!?』

 身体が驚くのも無理は無い。この水の羽は一見すると脆そうだがそうではない。羽の形状を保ったまま、水の盾をジリジリと貫いてくるのだ。

『水の密度がまるで違う!』

 そんな事を言っている間にも羽は次々と盾を侵食してくる。そして盾を突破した最初の数枚が『ズバババッ!』と、身体に突き刺さった!

〔いっ! い、いた……〕

 この痛み! ひとつひとつがやたらと重い。ずっしり重い痛みだ。まるでドリルで穴を開けられているようだ。しかもそれが同時に複数個所で…。

〔マジで穴開くって!〕

 想像を絶する痛みに発狂しそうになったところで身体がふんばる。

『ディグマジカ!』

 たったそれだけの呪文ですっと痛みが和らいでいった。

〔助かった! てか、やればできるじゃん!〕

 何をどうやったのかは知らないが羽の攻撃がぱたっと止まった。

 それを見てエスピーニがニヤリと笑う。

「ほう。水を無力化したか。流石だな。ならば……これならどうだ!」

 エスピーニはバックステップで下がりながら「クルトゥマジカ!」と、またもや聞いたことの無い呪文を唱える。

〔今度は何だ?〕

 エスピーニの放った技に注目する。が、飛んできたのはドッジボールぐらいの大きさの球が一発だけだった。濃紺の球は真っ直ぐにこちらに向かってくるが、その軌道を見極めれば楽に避けられそうだ。

〔思ったより地味な攻撃だな〕

 が、それは甘かった。途中で球は二つに分裂。さらにそれぞれが二つに分裂。そんな具合で倍々に増えていく。

〔ちょっ! 増えすぎ!〕 

 分裂する度にひとつひとつの大きさは半減するようだが濃紺の球は禍々しく、当たるととんでもないことになることは容易に想像できた。

『クッ!』

 身体は急加速で横方向に逃げた。さらに動きながら水の盾を連続で作り、何重にもした状態で敵の攻撃に備える。それとほぼ同時に分裂した濃紺の球が四方八方に飛び散る!

〔ちょっ! 何発かこっちに来るぞ!〕

 濃紺の球は想像以上に強烈だった。ピンポン球ぐらいの大きさしかないくせに豪快に地面を抉り、コケシ岩を貫通する穴を空け、触れる物すべてを削り取った。あれが水で出来ているとは到底、信じられない。まるで小さなブラックホールだ!

『何という貫通力……』

〔感心してる場合じゃねえ!〕 

 濃紺の球が三発こちらに向かって来る!

『ぬぉおお!』

 身体は手に力を込めて盾でそれを受けようとする。が、何重にもした水の盾は軽く突破されてしまう。そこで身体はギリギリに引き付けてから横っ飛びでそれを避けながら『ツゥマジカス!』の呪文を唱えた。すぐさま縦横、斜め、斜めと四つの刃が放たれる。濃紺の球をすかしてのカウンター攻撃だ! 

大きくて鋭い水の刃が猛烈なスピードで敵に襲い掛かる。が、エスピーニは冷静に『ツゥマジカス!』と同じ呪文で返す。するとこちらが放った刃が相手の放った刃と衝突して消滅してしまった!

〔え!? 嘘だろ……〕

 身体が放った水の刃はすべてエスピーニの『ツゥマジカス』に迎撃され、打ち消されてしまったのだ。

『バカな……なんという精度』

 瞬時に同じ技を返してきただけでなく、こちらの刃に正確に当ててくるその精度……これは実力がある証。

 身体が半ばムキになって『ツゥマジカス』を連発する。それこそ無数の刃がランダムに放たれる。が、エスピーニの姿が見えなくなるぐらいに撃ち込んだ刃はことごとく打ち消されてしまう…。

〔おいおい……兄貴メチャ強いじゃん〕

 なんだか心配になってきた。客観的にみて相手の方が押している。そこで何とか身体が追撃を試みる。

『ドルマジカス!』

 それは水の粘性で敵を足止めする技だ。続いて『グラマジカ!』で水の魚雷を連続して発射する。すかさず身体は剣を前方に突き出してダッシュ&ジャンプで一気に畳み掛ける。

 予想通り、エスピーニは剣で水の魚雷をなぎ払い楽々と攻撃をいなす。が、足元を固められているせいかその動作は上半身に力が入りすぎているように見える。そこを上空から身体の一振りが襲い掛かる。

『メルマルク!』

 聞いた事のない呪文だがその一言で剣の軌道にオーラがかかったように見えた。と、同時に『ガゴッ!』と、鈍い音がして地面が割れた。その振動が衝撃波となって周りに広がる!

流石のエスピーニも「むぉっ!」と、剣で防御の姿勢を取るが後方に吹き飛ばされる。

〔直撃はしてないけど……手応えはあったぞ!〕

 身体は着地と同時に再び構えを取り、次の攻撃準備に入る。これで終わった訳ではないらしい。そう思っていたらやはり土煙の中からエスピーニが姿を現した。

「なるほどな。風の属性もマスターしているということか」

『……やはり簡単にはいかないか』

「先ほどの水弾は火の属性を応用したものだろう。うまく技を使う。流石、我が弟だ」

 そう言うエスピーニの台詞はお世辞ではないのだろうが、それを楽々交わす彼も相当の実力者だ。その口ぶりから推察するにエスピーニにはまだ余裕がある。むしろ身体の方が一杯一杯のように感じられる。

 肩で息をしながら身体が『フォル・マジカ!』と、叫ぶ。すると足元から無数のヘビが出現した。

〔水で出来た『蛇』! これは水の女神さまが使っていた技だ〕

 地面を覆いつくすヘビの大群が自分の足元からゾゾゾとエスピーニの足元に向かっていく。エスピーニは大きな連続バックステップでそれを交わそうとするが、ヘビの大群はそれを追尾する。さらに身体が剣を振って『デルグマジカ!』と、唱える。これで剣から出たエネルギー弾が数十発、ホーミング機能でエスピーニに向かって飛んでいく。これも次々と交わされるがエネルギー弾は彼の周りで膨張して敵の行動範囲を狭める効果を発揮した。それでも決定打にはならない。ついに身体は『グラマジカス!』と、渾身の技を繰り出した。これは四天王のソヤローを葬った技。空から落とす無数の氷柱だ!

 下、中、上と3方向からの猛攻! 氷柱が『ズドド……』と、地面に降り注ぎ、エネルギー弾が破裂、地面を覆うヘビが一斉に自爆。もう訳が分からない位の爆発。まるで爆発のオーケストラだ。

〔凄え! 今までのおさらいかよ!?〕

 ちょっと興奮してしまった。これだけの大技を一遍に叩き込んだら流石に倒しただろうと確信したからだ。しかし身体はまだ警戒している。そして『クッ!』と、呻いて宙を見上げる。

〔嘘だろ……これでもダメなのか?〕

 ぞっとした。そしてバトル漫画特有の『お約束』が脳裏を過ぎった。幾らこちらがパワーアップしてもさらにそれを上回る敵が際限なく登場する…。その度に絶望的な気分にさせられるのだ。

〔てことは……やっぱり……〕

 こうなったら開き直るしかない。そして逆に信じるのだ。正義は勝つというお約束を!

『……な、なんという』

 煙の中から現れたエスピーニの姿を見て身体が脱力した。無理も無い。コケシ岩の上に立つエスピーニは未だにピンピンしている。それどころか両脇にとんでもないものを従えている。

〔あれは!? 水のドラゴン?〕

 間違いない。エスピーニの両隣に控えるのは水で出来たドラゴンだった。まるで氷細工の精巧なモデルのように二頭のドラゴンはメリハリのあるフォルムを持っていた。

〔こっちが出した蛇もどきとは比べ物になんねぇ……〕

 驚くべき力としか言いようが無い。透明度が高いので一目では分からないが注視してみるとそのリアルな造形に絶句するしかなかった。確か女神さまも水で出来た兵隊を操っていたがここまではっきりとした形ではなかった。ドラゴンの羽、キバ、爪、そして鱗まで! その細部にわたっての造形がしっかりと作りこまれている。例えるならエスピーニのドラゴンが達人の作った氷の彫刻なら、この身体が出した蛇は炎天下で溶けかかった素人の作品だ。

 エスピーニがこちらを見下ろしながら言う。

「水とは実に素晴らしい物質だ。この世界に決して欠くことが出来ないものでありながら使いようによってはこれほどまでに強力な技となり得る……」

 戦いの最中にそんな台詞を吐くとは……よほど自信があるのだろう。

〔なんだよ。水は芸術だとか言い出すんじゃねえか? 確かにそのドラゴンは凄いけどさ……〕

 透き通ったドラゴンというのも妙なものだ。まるで本当に生きているようにすら見える。敵の物ながら、あれがどのように動くのか興味が湧いてきた。

 エスピーニがすっと右手を挙げると右側のドラゴンが首をもたげて雄叫びをあげた。続いて彼が左手をかざすと今度は左側のドラゴンが首を振って威圧するような仕草をみせた。

〔それぞれの手でドラゴンを操るのか?〕 

 のん気にそんなことを考えていると次の瞬間、左右のドラゴンが急降下でこちらに迫ってきた。そして右のドラゴンが口から水鉄砲を放つ。それは消防車の放水のように太くて勢いのあるものだった。

〔飛び道具!?〕

 身体が水鉄砲の軌道を見切ってそれを避けようとした時、今度は左のドラゴンが前足の爪で引っ掻き攻撃を仕掛けてきた。

『ツッ!』と、身体が寸前でそれを交わす。すると空を切った爪は地面を『ジャッ!』と抉り、くっきりとした四本の筋となって緑に爪痕を残した。

〔もしあれが直撃してたら……確実に頭がもげる!〕

 ドラゴン達の俊敏な動きに戸惑う。水で作られた物なのに、まるで自分の手足のように自在に動かしてくるとは!

〔どうすんだよ……こんなのマジで相手してたら幾ら命があっても足りねえぞ!〕

 萎えそうになるのを必死で堪えながら身体の反撃を信じる…。


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