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天才鍛冶付与師?俺の作る武具がゴミな件  作者: のほほん


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第14話

重労働の解体を終え、ソリいっぱいに積まれたグレートマンモスの素材を前に、エドガーは大きく息を吐いた。


「ここからが一番しんどいんだよな…」

ため息交じりに呟く彼の隣で、リリィはまだ少し呆然とした表情をしていた。


「あんなに大きいのに…あっという間だったね」


「ああ。普通の冒険者なら、何人ものパーティーで何時間もかかる相手だ。お前と俺の武器が規格外なだけだよ」


エドガーは苦笑しながら、ソリのロープを肩に回した。雪に足を取られながら、巨大なソリを引いて山道を下るのは、想像以上に体力を消耗する。


「私も手伝う!」

リリィもロープに手をかける。


エドガーの助けになることが、今の彼女にとって何より嬉しいことだった。二人の力が合わさり、ソリはゆっくりと動き出した。雪を踏みしめる度に、キュッ、キュッという音が静かな山に響く。


しばらく無言でソリを引いていたリリィが、ふと思い出したようにエドガーに尋ねた。

「そういえば、エドガーの武器だと、どうしてあんなに簡単に魔物の皮膚を貫通できるの?」


「それはな…」

エドガーは少し考え込み、言葉を選んだ。


「俺の武器は、普通の武器のマナ回路とは根本的に違うんだ。一般的なマナ武器は、マナを一気に流すことで武器の切れ味や硬度を上げる付与を発動させる。武器より付与が前に出る感じだな」

リリィはうんうんと頷き、エドガーの言葉に耳を傾ける。


「だが、俺の武器は違う。マナを流すことで、武器の素材そのものが持つ潜在能力を最大限に引き出すように作ってある。もっと言うなら、武器の内部構造に直接作用して、分子レベルで一時的に付与をかけ武器を変質させるようなもんだ。武器と付与とマナの全てが噛み合って始めて性能を最大限発揮できる」

エドガーの言葉は、リリィにとって少しばかり難解だった。


「んー、よく分からないけど…凄いってこと?」

リリィは首を傾げながらも、素直な感想を口にした。エドガーは小さく笑った。


「まぁ、ざっくり言えばそういうことだ。だから、お前みたいに繊細なマナ操作ができるやつは、その武器の力を最大限に引き出せる。逆に、ローラみたいに豪快なマナ操作だと、武器の繊細なマナ回路が対応しきれず、マナが弾かれちまうんだ」

エドガーは、ローラがエドガーの短剣にマナを流そうとした時のことを思い出しながら説明した。


「じゃあ、ローラさんが私のレイピアを使っても、同じように光らない?」

リリィが純粋な疑問を投げかける。


「ああ、マナが弾かれて光らないだろな。お前のレイピアは俺の工房で、お前のマナ特性に合わせて作ったんだから。でも、ローラが俺の短剣に毎日マナを流して、繊細なマナ操作を習得できれば、俺の武器も使えるようになるかもしれんな」


エドガーは、ローラが短剣を受け取った時のことを思い出した。彼女ならきっと、その試練を乗り越えてみせるだろう。


「そっかぁ…なんだか、不思議だね」

リリィは、自分の武器が持つ特別な力と、エドガーの技術の奥深さに改めて感心した。


「だからこそ、お前は俺の最高傑作なんだよ」

エドガーがぽつりと呟いた。その言葉に、リリィは顔を真っ赤にした。 


「えっ…!?」


「いや、その、冒険者としての才能の話だ」

エドガーは慌てて付け足したが、リリィの顔はまだ赤いままだ。


笑い合いながら、二人は重いソリを引いて山道を下り続けた。麓の村に到着する頃には、日はすでに西に傾きかけていた。


村人たちの好奇の目に晒されながらも、二人は無事に村へと帰ってきた。


「今日はもう休もう。明日は、ギルドに戻るぞ」

エドガーの言葉に、リリィは疲れた顔ながらも、充実した笑顔で頷いた。


初めてのBランク依頼は、彼女にとって単なる討伐任務以上のものだった。自分の武器の秘密、エドガーの技術の深さ、そして何よりも、自分自身の成長を実感できた一日だった。


リリィは今回のグレートマンモス討伐で、自分の武器とマナ操作について深く理解した。今後、彼女の戦闘スタイルや冒険者としての成長にどのような影響を与えるかはまだわからない。

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