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第72話「あはは、そう言われるとプレッシャーがかかりますね。頑張って考えておきます」

「ロックさん、好きです! お友達からで構いませんので、お願いします! ロックさんと、もっともっと仲良くなりたいです♡」


と、窮地に陥った所を救ったプラチナブロンドのクールビューティー、

エレーヌ・オリオルから、熱く熱く告白されてしまったロック・プロスト。


更に、エレーヌは言う。


「ロックさんは優しく、気配りが出来る素晴らしいな男性です。昨夜は気分転換出来るようにと素敵で美味しいレストランをセッティングして頂き、不安にならないようにと、あのような良いホテルに、私とアルレットをツインルームで宿泊させて頂いた。


更には私とアルレットが帰宅後、外出せず、そのまま自宅で安心して昼食が摂れるように、その後も自炊が出来るようにと、市場でお弁当や食材を買ってくださった。そんな細やかで先々を見越した気配りが出来るから好きなんです」


そう、午前9時前から市場で朝食を摂り、ホテルへ戻り、

チェックアウトした後、解散。

ロックとエレーヌがふたりで、ここまで歩いて来て、結構時間が経っていた。


既に午前11時を回っている。

もうすぐランチタイムだ。


「いや、そんなに大層な事ではないですよ」


そう言いロックは謙遜するが、エレーヌは首を横へ振る。


「いえ! こんなに思いやりのある方は、そして思うだけでなく実行出来る方は滅多に居ません! 先日の食事会も縁の下の力持ちに徹して、グレゴリーさんのフォローをしていましたし、中々出来る事ではないですよ」


「まあ、グレゴリーは俺の弱点をフォローして貰っているので、互いに助け合う間柄ですね」


「互いに助け合う間柄? うふふ、そういう事ですか。おふたりは良いコンビですね」


「ですね! 後、顧問のウスターシュにも大いに助けられています。今回もいろいろアドバイスを貰い、問題の解決に役立ちました」


「そうでしたか! そしてロックさんは冷静沈着で機転も利く方であり、問題の解決能力も抜群ですわ。あっという間に、今回の件を解決してくださった!」


「いえいえ、それ褒め過ぎです。俺だけではなく、今回もグレゴリーが食事に誘ってくれたから、おふたりのピンチに気付くことが出来ました。それに、そもそもエレーヌさん、アルレットさんが勇気を出し、店長さんも全面的に協力してくれたから問題が解決出来たんです」


「うふふ、ロックさんは決して驕らず、おくゆかしいですね」


「いえいえ、俺だけではどうにも……結局、最後は王都衛兵隊に頼ってしまいましたし」


「うふふ、王都衛兵隊の方々とも、あんなに仲が良いなんてびっくりしましたわ」


「まあ、いろいろやりとりしましたので」


「ですか! そしてアルレットから聞いていますが、ロックさんはもう少ししたら、お仕事で王都を旅立ち、しばらくお会い出来ませんよね? だからわがままを申し上げ、心苦しいのですが、明日のお休みの日も会えませんか? 出来れば1対1で!」


と、しまいには懇願されてしまった。


そう言われ、ロックは少しだけ悩んだ。


以前、グレゴリーへ告げた通りである。

もしエレーヌと良い雰囲気となっても、関係を進めないと。


自分がエレーヌと交際し、万が一、トラブったら、

グレゴリーとアルレットの交際へ、悪影響を及ぼすのではないかと懸念したのだ。


しかし、悩んだのは、ほんの一瞬。

ロックは、すぐに返事をする。


ストーカーという酷い災難に遭遇したエレーヌが、自分と会い、気晴らしする事で、

立ち直ろうとする気持ちを大事にしたい、と考え直したのである。


ロックは了解し、微笑む。


「分かりました。こちらこそ宜しくお願いします。俺はこれまで女子の友人が殆ど居なかったので、もしも不器用な部分が出たら、ご容赦ください」


対して、エレーヌも柔らかく微笑み、


「はい! 実は私もこれまで男子が苦手で、まともにお付き合いした事がありません。さすがに仕事の際は割り切って、お客様として、お話が出来ますが」


「え!? そうだったのですか?」


「はい! 今回の件で、私は更に男子が生理的に無理となる、下手をすれば男性恐怖症になるのではと、凄く不安になりました」


「ええっと、それは……心配ですね」


「しかし、全然大丈夫だと思いました! 心配は杞憂に終わりました」


「おお、そうですか! 良かったですね!」


「はい! ロックさんと最初にお会いした時から、今ここまで自然に、そして楽しくお話しする事が出来ましたから、ご心配は無用ですわ!」


エレーヌは、心の底から嬉しそうに言ったのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


確かに……とロックは思い出す。


食事会の際、そして実際に食事をしてからエレーヌは、ロックと自然に、

そして、楽しそうに話していた。


それは、ここまでず~っと変わってはいない。


ストーカー事件が彼女のトラウマにならず、本当に良かったと思う。


「そして驚く事に、今日は自分からお願いして、ロックさんと手までつないでしまいました」


「そうですよね」


「はい! という事は、私が男性恐怖症になる心配は無し。そしてロックさんとの相性がとても良いのだと思います……ロックさんとの相性の方は私の一方的な思い込みかもしれませんが」


「とりあえず安心しました。まあ、相性の方は、これからもっと会って話して、確かめて行きましょう」


「ですね! うふふふ、大いに確かめましょう!」


「ところで、明日お会いする件ですが、俺がエレーヌさんの自宅まで迎えに行きますよ」


「え!? ロックさんに迎えに来て頂ける!? ほ、本当ですか!?」


「はい、本当です。どこかで待ち合わせしてエレーヌさんが声掛けされ、更にナンパでもされたら、メンタル的に宜しくないですよね? なので自宅前まで迎えに行きます。ちなみにエレーヌさんが都合の良い時間は何時でしょうか?」


「いろいろとお気遣い頂き、ありがとうございます! ロックさんのご都合に合わせます」


「では! 明日も今日と同じくホテルで集合した時間か、それよりも早くて大丈夫ですか?」


「全然、大丈夫ですわ」


「では! 時間を有効に使うという事で、午前8時に自宅へ迎えに行きます。そしてワンパターンと言われそうですが、またサフィール中央市場で美味しい朝ご飯を食べましょう。その後のプランも考えておきます」


「わお! また市場へ連れて行ってくださるのですか!? 嬉しいです! ワンパターンなんて絶対言いませんわ!」


ロックの提案を聞き、エレーヌは大喜び。


先ほど市場で朝食を選ぶ際、全員であれも食べたい、これも食べたいと目移りし、

迷いに迷ったからだ。


「おお、良かったです。今朝とは違うもの食べましょうか? 同じものをまた食べても構いませんし」


「やったあ!! さっき食べたばかりなのに、もう凄く楽しみです!」


「その後はこれから考えようと思いますが、エレーヌさんは、どこか行先とか、何をしたいとかの希望はありますか?」


「そう言われると、すぐには思い浮かびませんね。ただロックさんと一緒ならば、どこでも楽しいと思いますのでお任せしますわ」


「あはは、そう言われるとプレッシャーがかかりますね。頑張って考えておきます」


「ありがとうございます! あ、そうそう! いけない! 忘れていました!」


「忘れていた? 何をでしょう?」


「いえ先日の食事会の際、お支払いを優遇して頂いたのに引き続き、宿泊費や昨日の食事などなど今回はロックさん達にご手配だけでなく、全てご負担して頂いたので、つい甘えてしまいました。後で必ず払いますね!」


「いえ、先ほどの俺とグレゴリーではありませんが、助け合いですよ。困った時はお互い様ですから」


「では! 明日は私が必ずご馳走します! 凄く心苦しいので」


……こうして、アルレットの親友で職場の同僚のクールビューティー、

エレーヌ・オリオルと友達以上恋人未満となったロック・プロスト。


自宅前で満面の笑みを浮かべるエレーヌに見送られ、

ロックはオフィスへと戻ったのである。

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