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第59話「はい! ありがとうございます! 安全第一で頑張ります!」

翌日午前10時……再び、ロック、グレゴリー、ウスターシュ、3人の姿は、

冒険者ギルド、昨夜と同じ部屋――小会議室に()った。


ランクアップ後に行われる莫大な報奨金の支払い手続きを行い、

残った3案件の打合せも行うのだ。


昨夜はランクアップ通達の儀式的な要素が強かったから、

やはりいうか、ギルドマスター、サブマスター、業務部長の姿は無い。


ギルドがリディに任せた権限の大きさを物語る。


そんなリディのあいさつとともに、打合せは始まる。


「おはようございます!」


「「「おはようございます!」」」


返事を戻す3人のあいさつは堂々としていた。

既にランカー冒険者の貫禄が身につき始めているのかもしれない。


「改めて依頼完遂の御礼を申し上げます。そしてアガットと同じく、いえ、それ以上の成果を出して頂きました」


リディは先に王都衛兵隊からの報告書を読み込んだ上、

ルナール商会本店へ魔法鳩便で昨日遅く到着した、

アルバン農場長、ダヴィド牧場長作成の報告書にも目を通していたらしい。


「ピオニエ農場の案件ですが、同農場にて、賊22人、ゴブリン110体の捕縛。これのみで依頼は完遂となりますが、更に賊のアジト発見、窃盗品の奪還、証拠品の押収等、こちらがお願いした以上の成果を出して頂きました。よって! まず本報奨金の残金、金貨350枚を。そしてインセンティブは賊22人を生きたままでの捕縛で、金貨440枚、ゴブリン110体を同条件での捕縛で金貨550枚、賊のアジト発見、窃盗品の奪還、証拠品の押収等で金貨500枚、総計金貨1,840枚(1,840万円)をお支払い致します。

ちなみに活きゴブリン110体の売却金は別途ギルドから直接受け取ってください。


そして次にコルヌ牧場の案件です。こちらはオーク1,000体を討伐というとんでもない完遂をして頂きました。またオーク討伐後も牧場周辺をパトロールし、魔物の討伐こそ無かったものの、被害の防止に努めて頂きました。よって! まず本報奨金の残金、金貨400枚を。インセンティブはオーク1,000体討伐で金貨1万枚を、パトロール実施分等々として金貨100枚を、総計金貨1万500枚(1億500万円)をお支払い致します。


また王都衛兵隊からは賊の捕縛、魔物の討伐などの報奨金、

『治安維持向上協力金』として、

金貨500枚(500万円)が支払われておりますので報奨金へ合算致します。


ちなみにオーク1,000体の死骸売却金も先の活きゴブリン同様、

現物と引き換えで、別途ギルドの採集物取引場から直接受け取ってください。


という事で、2案件プラス王都衛兵隊からの治安維持向上協力金を合わせて、

金貨12,840枚(1億2,840万円)をお支払い致しますね」


何と何と何と!!

オーク1,000体討伐、王都衛兵隊からの治安維持向上協力金という、

イレギュラーがあったとはいえ、たった2案件だけでこの報奨金!!


先のアガット案件に続き、「とんでもない金額をゲットだぜ!!」である。


リディの話は更に続く。


「分配はロックさんが4割で金貨5,136枚(5,136万円)、サブリーダーのグレゴリーさんが2割で2,568枚(2,568万円)、顧問のウスターシュさんが2割で2,568枚(2,568万円)、残りの2割、2,568枚(2,568万円)を共用費として別途、クランリーダーのロックさんへお渡しします。


ちなみにもう報奨金の入金は済んでおりまして、ウスターシュさんも居ますから改めてご説明しますと、入金&支払い機能がある所属登録証から、冒険者ギルドで現金は受け取れますし、提携店で買い物や飲食が可能です。ちなみにルナール商会系列の場所、店等では全て使用が可能です」


リディは、

「うふふ、やはりオーク1,000体討伐、これだけで基本報奨金の2倍以上になる金貨1万枚のインセンティブがとても大きかったですね」


と微笑み、


「ピオニエ農場、コルヌ牧場から出ている複数の要望も拝見しました。会頭、副会頭、私、マティアス部長で前向きに検討致します。またアガットからも再び輸送の要望が出ていますし、他にも数多問い合せがあります。


今回だけで、まだ3つも案件が残っているのに、当商会各部門からステイゴールドへオファーが殺到しつつありますね。


会頭と副会頭はやはり専属にしたい!と強く希望していますし、ここだけの話、私も全く同じ気持ちですわ」


と言い、「はあ」と軽く息を吐いた。


そしてリディの微笑みが「呆れた」という感じの苦笑に変わり、


「そして、当商会だけではありません。ステイゴールドの活躍ぶり、評判を聞きつけ、冒険者ギルドへも我々以外の商会、商店からオファー絡みのスケジュール問い合わせが殺到。冒険者ギルドからの直接依頼も検討中です。更には王都衛兵隊から話を聞き、騎士隊、更に貴族までもが、ステイゴールドにとても興味があるとの事なのです。とりあえずルナール商会からの先約が何件かあると伝えておりますが、まさかここまでとは……私の予想を遥かに超えていますよ」


対して、リーダーのロックが挙手をし、代表してコメント。


「リディさん、まずは多額の報奨金、ありがたく頂戴致します。自分達の働きをしっかりと評価して頂き、本当に喜ばしいです。そして嬉しい悲鳴と言えそうなオファーの多さもありがたいです。自分達を応援し、支えてくださる様々な方に感謝し、しっかりとスケジュール調整し、出来る限り多くの依頼を受けたいと思います」


笑顔のロックはスムーズにそう告げたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


報奨金支払い手続きが終わっても、リディとの打合せはまだまだ続く。


「日数が経ちましたので、スケジューリングが済んでいる依頼3件の進行確認をしておきましょう」


「了解です」


「3つ目に遂行する依頼は、当商会系列のラック湖養魚場へ害為す賊、肉食獣、魔物から守る巡回警備で本報奨金が金貨1,200枚。そして、4つ目が同じく当商会系列のグロンドモン鉱山にはびこるゴブリンの排除もしくは討伐で本報奨金が金貨1,000枚。最後の5つ目が、廃村となった旧ダンド村の状況調査で本報奨金が金貨300枚ですね」


「はい! その通りです!」


「依頼書には記載されておりますが、こちらも改めて確認の為に申し上げます。当商会は王都近郊にあるラック湖養魚場で数種類の食用鱒を養殖しているのですが、賊の密漁、肉食獣、魔物の食害が出ておりまして、早急に対処する必要があります。

密漁をする人間の賊はピオニエ農場同様に捕縛。害を為す肉食獣、魔物は排除もしくは討伐をお願いします。


また王都北方に位置するグロンドモン鉱山にはゴブリンが坑内各所で出没。操業が円滑に行えず人的被害も頻発していますのでゴブリンの排除、もしくは討伐をお願い致します。


そして長年の過疎化で残った住民が村長以下全員で王都へ移住。完全な無人状態となった旧ダンド村をリゾート地候補として当商会がご領主様から購入。再開発する為の現状確認に赴いて頂きます。実は不法滞在者が居るらしいとの事なので、その確認と、もし居るようならば排除をお願いしたいのです」


「もろもろ了解です!」


「ラック湖養魚場とグロンドモン鉱山には現地スタッフが居りますので、協力の上、問題を解決して頂ければ幸いです」


「はい! 現地スタッフの方々の懸念が解決出来るよう努力します!」


「お願い致します! 但し! 決して無理はなさらないように。さすがにオーク1,000体討伐を王都衛兵隊からお聞きした時、おふたりの安否を凄く心配しましたので……」


冷静沈着な才女だが、リディもロック達が無事か、大いに気になったらしい。


そんなリディを元気づけるよう、ロックは声を張り上げる。


「はい! ありがとうございます! 安全第一で頑張ります!」


これで打合せは終了。


しかしまだ、手続きは残っている。


「では! ギルド内にある採集物取引場で、革鎧素材として転用化のオークの死骸1,000体、訓練用の活きゴブリン110体の確認と売却を致しましょう。当然、私も立ち会いますわ」


という事で……ロック達は採集物取引場へ移動。


オークの死骸1,000体、活きゴブリン110体の確認をリディ立ち合いにて行い、

『ランクアップの証拠』のひとつとした上、

売却額の金貨2,110枚(2,110万円)も別途受け取り、

これをクランの『共用金』としたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


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