マネーゲーム
「私を1億で買いなさい」
「おいおいお嬢様が何を言ってる」
「いいから!私を1億で買ってよ!」
「俺にはお前を買う理由がない」
「嘘ね、だったらなぜパパの会社を潰そうとしてるのよ」
「それは……」
「私が欲しいんでしょ?融資か買い占めを止める条件として私を手に入れるつもりなんでしょ?」
俺は何も言い返せなかった。確かにそれもひとつの案ではあったからだ
「私に投資しなさい、そうすれば私は貴方の奴隷として何でもするわ」
「どうやって調べたんだか。確かに俺が手を回してお前の父親が経営する会社を傾かせた。だが小娘が1億程度で何が出来る」
「あら?私の価値はそんなものじゃないわよ。貴方調べが足りないわね」
「なんだと?」
「私のパパがとった経営戦略がことごとく当たったからここ数年の急激な利益に繋がった貴方はそう考えているんでしょ?」「ああそうだな、それがどうした」
「残念だけどそれは間違いよ。この数年あの会社の経営戦略は全て私が決めてパパにやらせてたの」
「どういう事だ?」
「パパは私の操り人形だったって事」
俺は唖然としていた。まさかコイツがそこまでやっているとは思わなかったからだ。だがそれなら話は早い。
「なるほどそういうことか。お前は自分を売った1億で新たに会社を起こし父親の会社を買収して立て直すつもりか」
「ええ、貴方さえ納得してくれればの話ですけど」
「だがわからないな、お前ならこんな事になる前に打てる手がいくつでも有ったはずだろう?それにお前の事だコチラの資金の底も見えてるんだろう?」
「ええ勿論。私が求めた1億それを出してしまえば買い占めは半年が限界ね。もっと言えば当座の現金資産は2億に届かないわよね?」
「正解だ、それで?」
「そこで提案があるの。私はこれから先一生貴方のために働くわ。だから私を買い取ってくれないかしら?」
「ふむ……お前にどんなメリットがある?」
「貴方を手に入れられる」
「それだけか?」
「ええ、私は貴方の事が好きなの他の全てを擲ってでも貴方が欲しいの」
「その為に父親やその会社がどうなっても構わないと?」
「当然でしょう?だって私の目的は最初からたった一つだけだもの」
「まあいいだろう、条件を飲もうじゃないか」
「じゃあ契約成立ね」
こうして俺達は契約を交わした。
「さてこれでお前との契約が成立した訳だが。そんな必要も無かっただろう?それに後1年もすれば迎えに行くつもりだった」
「そうね元より貴方は私の物だもの」
「『1億で私を買え』って俺と同じこと言ってんじゃねえよ」
「わざとよ。これでお互いが相手の物よ」
「しかし親父さんになんて挨拶すれば良いんだよ」
「簡単でしょ『娘さんを下さい』で良いじゃない」
「そうだなぁだがその前に」
ずっと用意してた物を取り出す
「俺と結婚して下さい」
「遅いわよ馬鹿」
そう言ってくちづけた
好きな女の子を1億で買った男がえろい事をする方向のつもりだったんだけどなぁ・・・