アイに溺れて
この短編エピソードを見つけて下さった方へ。
皆さんこんにちは。この作品を作らせて頂きました。Shionです。これを機に名前を覚えてもらえたら嬉しいです。今回のお話は身分差のある2人の恋愛物語ではありません。勿論、身分差は有りますが、それ以前に愛を知らないお嬢様と間違った愛しか知らない執事ということがキーワードになってきます。愛といえば結婚などを思い浮かべる方が多いかもしれません。けれど、中には自分だけのものにするために監禁したりすることを愛と勘違いしている人もいます。きっとそれは家庭環境によるものが多いでしょう。今回の鬼灯という執事の家庭環境については、愛を受け取ることができなかった、両親に売られた。そして売られた鬼灯を鈴蘭が買ったという経緯で、この紫陽家の執事として働くことになったということになっています。愛には色んな形があります。それを頭に入れてこの話を読んで頂くとより、鬼灯の気持ちがわかると思います。では、至らない点も多くあるこの作品ですが、最後でじっくりと楽しんで下さい。では、また後書きでお会いしましょう。
ショート文章。
テーマ
《愛を知らないお嬢様と間違った愛しか知らない執事》
執事→鬼灯
お嬢様→鈴蘭
ああ、なんて愛しいお嬢様。
貴女は何も知らないのですね。
親に捨てられたことも、人形としてしか認識されていないことも。
こんなにも美しい青い瞳をしているのに。
真っ白い肌にゼリーのようにプルンとした唇。
髪は雪を連想させるように真っ白だ。
これ程までに美しい女の子をどうして彼等は放っておくのだろうか、僕には理解ができない。
そう頭の中でお嬢様を捨てた両親に怒りをぶつけると、お嬢様が私の服を引っ張って、言った。
—私にアイを教えて。
僕「こんばんはお嬢様。いらっしゃったのですね。」
お嬢「お嬢様は辞めて。鈴蘭とお呼びなさいと言ったでしょう?」
僕「しかし、お嬢様はお嬢様です。」
お嬢「いえ、私はお嬢様ではないわ、お父様やお母様に捨てられた時点で私はもうお嬢様ではない。」
僕「どうしてそれを。」
お嬢「あの、ピアノの発表会の時からずっと気づいてたわ。何をしても観にこない。ご飯も一緒に食べない。話しかけても無視をする。」
お嬢「けれど、私がお嬢様でないと知ったら鬼灯は私から離れるでしょう?」
お嬢「だって鬼灯は紫陽家の執事でしょう?私の執事ではないもの。」
僕「では、何故お嬢様は私に自分はお嬢様ではないということをお伝えに?」
お嬢「それは、私が貴女と2人で屋敷を抜け出したかったから」
お嬢「もう誰かに無視をされるなら嫌なの。我慢の限界なの。」
お嬢「紫陽という見方でしか誰も見てくれない。」
お嬢「私のことを誰もが失敗作という。そんな人生もう嫌なの。」
僕「そうですか。」
お嬢「だから鬼灯。私にアイを教えて。私を愛して。」
僕「分かりました。お嬢様にアイを教えてあげます。」
僕「では、これから私はお嬢様のことを鈴蘭とお呼びしますね。敬語もやめます。」
お嬢「ええ、わかったわ。」
僕「じゃあ、行こうか。屋敷の外へ」
お嬢「今から?!外はもう暗くて危ないわ。」
僕「何を言っているの。鈴蘭。紫陽のものが寝ているときでないと屋敷は抜け出せないよ。」
僕「さあ、一緒に僕と鈴蘭だけの家に行こう。安心して。服も生活用品も全部揃っているから。」
僕「ずっと前からこの日を待っていたんだよ」
お嬢「そうだったの?、」
僕「うん。ずっと僕は鈴蘭をアイしてる。」
僕「ずっと、ずっと、アイしてあげるからね。鈴蘭。」
お嬢「ええ!私も鬼灯とずっと一緒にいたいわ!」
こうして僕と鈴蘭は屋敷を抜け出した。
ああ、ついに願いが叶った。
馬鹿だね。鈴蘭。
本当の愛なんてどこにもないのに。
まあ、いいや。
これから、鈴蘭を僕がいないと駄目な体にしてあげる。
ご飯を食べるのも、着替えるのも、全て僕なしじゃできないように。
外には行かせない。運動は部屋で病気にならないようにメニューを組み立ておく。飽きないように沢山の洋服に、バイオリンやピアノ。鈴蘭が欲しいと思ったものを全て与える。そうすれば鈴蘭は僕から離れない。
隣で嬉しそうに純粋そうな笑顔を向ける鈴蘭を横目に、僕はこれから鈴蘭を僕無しでは生きていけないようにしていこうと思っていた。
本当の愛なんてないよ。
世の中の愛は偽りだらけ。
棘のないような薔薇にもきっと棘はある。
その棘は一度刺さると中々抜けなくて。
いつの間にか棘が刺さっているのが当たり前になる。
きっと、その棘が刺さっているのが当たり前になるともうその棘を抜こうとは思わない。
僕と鈴蘭の家へと向かう夜道を僕の横で歩く楽しそうに歩く鈴蘭。
既に鈴蘭の指にはいくつもの薔薇の棘が刺さっていた。
この短編エピソードを最後まで見て下さった方へ。
最後まで見て下さって誠にありがとうございます。この話は私が初めて携帯で書いた話です。普段は人前には出さず、他のアプリで自分だけの宝物としてとってありますが、今回初めて誰かに見てもらいたいという気持ちが膨れ上がり、投稿させて頂きました。文を書くことを好きになって3年。小説を書こうと思いはじめて1年。小説家という夢を持ちはじめて約半年。まだまだ未熟者で面白くない作品ばかりを投稿してしまうかもしれません。けれどこれも一つの成長日記のようなものとして受け取って頂けたら嬉しいです。では、また次の作品でお会いしましょう。