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パラサイト  作者: ふりまじん
秘密
98/202

91話浮上

本を開いて、私は混乱していた。


探偵の案件なんだろうか?

シケイダ3301

ダン・ブラウン著作の『インフェルノ』

若葉溶生との結婚

AIロボ、草柳レイの育成。


雅苗がしている事は、一貫性がなく、フラフラと流行りものを追いかけているように思える。


虫探偵シンゲンの謎だとしたら、そんなに関わってはいられないな。


私は本棚のファイルに視線を向けた。


やることは、沢山ある。

それなりの成果はあげないと。


私はあせる気持ちで本を置き、雅苗の資料に目を通した。


が、作業をしながらも、あの、雅苗の謎が気になった。

確かに、流行りにのってるのかもしれないが、シケイダ3301やら、『インフェルノ』なんて、小学生の興味をそそるだろうか?


ふと、そこで自分の記憶の曖昧さが気になった。

あの映画、『インフェルノ』は、もっと最近ではなかったろうか?


検索した。


日本の公開は、2016年。12年に失踪した雅苗が話題には出来ない。

思い違いを疑った。が、念のために書籍を検索した。

映画『インフェルノ』の原作は、アメリカの小説家、ダン・ブラウン先生の作品をもとにしていて、

『ダ・ヴィンチコード』

『天使と悪魔』

『インフェルノ』

と、主人公ラングドンの3部作となっている。


ここで、書籍は2013年に出版されていたのが分かった。


微妙だな(-"-;)


2012年に失踪したのだから、2013年出版の『インフェルノ』は、関係ない気もする。が、父親がアメリカに在住歴があり、知り合いの多い彼女なら、出版前に、噂くらいは聞いた事があるかもしれない。


ここで、『インフェルノ』の結末が映画と原作で少し違うことが分かった。


どちらにも、人工の殺人ウイルスが登場するらしい。が、映画の方が爆破とか、派手なシーンが満載…らしい。


ここで、また、『ウイルス』のワードが飛び出し、嫌な気持ちにさせる。


雅苗さんは、生物学を学び、父親の雅徳さんは遺伝子を研究していた。


遺伝子組み替え…と、一言で言っても、70年代〜80年代は、DNAの情報を発見することに熱中した。


そして、90年代になると、知り得た情報を応用したくなる。


今までは、治療が不可能とされた遺伝子の異常でおこる病気の治療を、遺伝子を取り替えることで可能にようと考えたのだ。


伸びて使えなくなったカセットテープのデーターを切り張りして作り替えるように、

正常に動作しない遺伝子を切り取る『ウイルス』と正しい動作をする遺伝子を張り付ける『ウイルス』を使うことを考えたのだ。


この考え方は、基本的には当たっていたが、世紀末には死亡事故もおこった。


そこで、医者たちは慎重に考える事になるのだが、

2003年、中国が初めて遺伝子治療薬の承認をすると、研究が進み始める。


そして、この年を前後して、SARSウイルスのパンデミックが発生するのだ。


その翌年、2004年に、『トミノの地獄』の都市伝説が噂される。


80年近く過ぎた古い詩が、パンデミックと共に人々の意識によみがえってきたのだ。


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