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パラサイト  作者: ふりまじん
秘密
80/202

75話時給1500円

「きゃーっ(^O^)」

と、両手をクロスして胸を隠しながら、秋吉は私から離れた。

その勢いで、転びそうになった私は、何か「キャー」だ、と、腹が立ったが、雇い主にサボりを見つかった衝撃の方が勝って、時計を確認する。


休み時間…だよな、まだ、私はっ。


私は、時計の針に自分の認識を裏付けされて気持ちを落ち着けた。


「すいません。すぐ戻ります。」

一呼吸して、冷静に長山に言った。

長山は、私を軽く見てから、少しいかつい顔で秋吉を睨む。

「秋吉さん、現場で遊ばないでください。」

そう言われて、秋吉は苦笑する。

「…すいません。」

秋吉が直立して真面目に謝った。

私は、慌ててフォローに入る。

「すいません。私が、草柳さんに会いたいと言ったものですから。」

と、言いながら、何か、割りきれない気持ちが込み上げてくる。


そうだ、長山。


長山が、池の話を聞いて、慌てて温室を出ていったりするから、混乱したのだ。

「そうですか…。」

長山は何かを考えるように一度、床に視線を落とした。

「草柳レイさんとは、この方なのでしょうか?」

私は、思いきって聞いてみた。

そう、長山は私の話を聞いて池に向かった。

この…ロボが本当に草柳レイだとしたら、池にいるわけがない。

だとしたら、長山は何に驚いたと言うのだろう?

「はい、そうです。だから、驚きましたよ〜。レイさんが池にいるなんて、池上さんが言うから。」


はあっ……○_○)!!

目眩(めまい)がしてきた。確かに、いま、ソファーに座る彼女が、池にいるなんて言われたら、ビックリするに違いはない。


穴があったら入りたい(///∇///)


私が、恥ずかしさで頭がおかしくなりそうになっていると、長山はぼやくようにこう続けた。


「本当に驚きましたよ。1号を若葉さんが、池に運んだのかと思いましてね。」

「い、1号!?」

だ、ダメだ、1号とか言われると、昭和のロボアニメのオープニング曲が頭を回る。


「確かに、そうですよね?7年前の話ですからね。俺だって学生だったし。

ほら、あの時給1500円でロボットが派遣されたときには、俺、働いてましたから。」

秋吉が懐かしそうに話をする。

その内容に、自分が随分と老け込んだような気がした。


ペッパーくんが時給1500円で派遣されたのは、2015年のことのようです。

その後、2018年には辞めてしまったようですが、2012年、随分と昔の話になったのですね。

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