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54話 日記
雅苗の日記は、まるで暗号のようだった。
位置画面に、手書きの文字が数か国語の単語が使われ、どこからか集めてきた画像を切り張りしていた。
これは、日記と言うより、コラージュのようだな。
私は、若い娘の移り気な気持ちを視覚化したような日記に混乱した。
そして、日記に意味を見いだせなかった私は、それをしまおうかと考えた、
が、キーボードを操作しようとした瞬間、手が止まった。
あのしおりのセミ…周期ゼミの画像が張り付いている。
気になって、それに触れると、そこが大きな画像の境目であることが分かった。
その画像を移動させると、隠された本当の日記が姿をあらわした。
雅苗さんは…お茶目さんだなぁ(´ヘ`;)
私は、話したこともない雅苗と言う女性のイタズラっぽい笑顔を思い浮かべた。
が、書いてある内容を見て、そんなお茶目な雅苗のイメージが一転した。
そこには、整然とした文章で、若葉溶生の病気についてかかれていた。