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パラサイト  作者: ふりまじん
秘密
54/202

51話 朴念仁

そう考えて、私は、かすかに頭の隅をかすめた考えに、恐ろしさを感じる。


まさか…


嫌な考えが、私の頭を、部屋を支配して行く。


コーヒーを飲んでクールダウンし、一度、別の事を考える事にした。


そう、研究と言えば、あのショクダイオオコンニャクについてレポートがない事だ。


これは違和感があった。

あと、溶生についての文章も見当たらない。


ファイルやレポートを見る限り、雅苗かなえと言う女性は几帳面で、思考の整理に紙を使うタイプに思えた。


もし、夫婦関係に悩んでいたとしたら、文字として問題を書き起こし、解決策を考えるタイプに違いない。



と、するなら、この二つに関わる書類やデーターは、何処かに隠してある可能性もある。


私は、10畳程の書斎を見回した。


隠すと言っても、恥ずかしいから見えないようにしているだけで、

いつでも記録できるように、簡単に取り出せるところに置いてある気がする。


特に、失踪した日は、ショクダイオオコンニャクが開花した日だ。


それについて、レポートをとらないなんて、あり得るだろうか?


いや、それはない。


ローカル局が交渉に来た事からも、職場でも話題になる事を想定していただろう。


そうであるなら、やはり、画像や大きさなど、記録に残そうとしたはずだ。


と、ここで、私は、大変な事を忘れていた事に気がついた。


そう、旦那、

冷たくなった夫婦関係と夫。

浮気の発覚を前にして、いくら絶滅危惧種でも、のんびり観察をするなんて、

あり得るわけがない。


はぁー。


私は、朴念仁ほくねんじんのKY男の自分を自覚して倒れそうになる。


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