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パラサイト  作者: ふりまじん
死体花
39/202

37話 泉

池が見えたところで、私は長山さんを呼んでみた。返事はない。

ため池は、伝説の池では無さそうなので、他を探さないといけない。

道の端の雑草の倒れ方や地面の足跡を探す。

そして、新しく倒された草はらを見つけると私は道を外れて歩き出す。


長靴を持ってきて良かった。蛭には長靴が最強だからだ。

しかし、林は歩きやすく乾燥し、池どころか、水溜まりすら無い状況だ。


長山の名前を呼ぶ。

反応はない。


しばらくすると、雑草の背丈が低くなり、代わりに雑木林になって行く。


少し登り勾配に道があり、私は、その道を上に向かって歩く。

ブナの木の幹の太さに、尊徳先生との関係を推し量る。

もしかしたら、この木々は、尊徳先生の遊び相手なのだろうか?


くぬぎやブナがあり、適度に降り積もった落ち葉や落木に甲虫の…オオクワガタ発見の予感が漂う。


いい感じに腐敗した落木をほじくりたくなる気持ちを押さえ、私は、さらに先に行く。


そろそろ、腰のロープに付加を感じた。

もう少し歩いて見つからなければ、一度、北川の所へ帰ろう。


私は歩く。少し勾配がきつくなり、そこを越えたとき、見えた光景に思わず立ち尽くす。


それは、杉の林に広がる幻想的な泉。

私の立ち位置より1m低い盆地を澄んだ湧き水が広がっていた。


その時、確かに私は伝説の池を見つめていた。


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