26話草柳レイ
ため池の水を含んだ涼しい風を浴びながら私はレイと名乗る女性と池を歩いていた。
背丈は170cmはあるだろうか?高い身長もあって手足も長く、ほっそりとスタイルが良い。
髪は肩くらいのストレート。胸はLサイズのリンゴくらいだろうか?
大きさは分からないが、バランスが良いと思う。
Tシャツの上に羽織っているチェニックが風に揺れると引き締まったウエストが浮き彫りになる。
24歳位だろうか?白い首筋に若さを見つけて少し萎縮する。
妹と言うより、姪っ子に年が近い。
私には…合わないな。
馬鹿げた考えに少し驚く。
男女交際なんて面倒なことは、随分昔に卒業したと思っていたのに。この気持ちはなんなのだろう?
私は、自分の気持ちに混乱して一度深く息を吐いた。
「秋吉の奴…全くどこに行ったんだろう。」
私は混乱する自分の気持ちを行方不明の秋吉にぶつけた。
私が寝てしまったので帰ったのかもしれない。が、帰る前に起こしてくれれば良かったのにと、美人に翻弄されながら秋吉に逆恨みをする。
「そうですね。お連れの方、どちらへ行かれたのかしら?見つかるといいですね。」
レイは笑った。
それは、グレープフルーツをみたような、甘酸っぱく爽やかな笑顔だ。
「まあ、見つからなくても…先に帰っただけかもしれませんし、そうだ、レイさんはこの辺りの人なんですか?」
私は話を変えた。秋吉の話より、レイの事を知りたくなったのだ。
「え、ええ…。7年前に。この池に。」
と、言ったレイの顔が少し暗く感じた。
「池…ですか。」
よくわからない不安が胸をかすめる。
池とはどう言う意味だろう?ため池番地みたいな地名だろうか?
「おかしいかしら?ええと…。」と、レイは少し考える。それから、笑顔でこう答えた。
「そうね、漂う…と、言った方があっているかもしれないわ。
私…この池に沈められたの。水中の虫が私の体を貪ったわ。そうして、精霊になったのよ。」
レイはふふっと笑った。
私は、どう彼女を扱えばいいのか混乱した。
レイ、霊?からかわれているのだろうか?
私は、彼女の人並外れた美しさと容姿に、今夜の収録番組を思い返していた。
「失礼ですが…女優さん?ですか。」
私は、申し訳ない気持ちで聞いてみた。
すると、レイは少し意地悪な笑いを浮かべる。
「酷いわ…、わたし、これでもCMとかに何本か出演ているのよ。
草柳レイ。モデルなんだからっ。」
レイはそう言ってくるりと回って、輝くような笑顔で私の心を釘付けにした。
こんな突貫工事の話を探して読んでくれてありがとう。
最近、上手く話が継げなくて、投げ出したくなるのですが、アクセスがあるので頑張ろうと思っています。
もうすぐ、死体花と接続しますが、物語が随分変わってゆく予感がします。