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パラサイト  作者: ふりまじん
秘密
184/202

179話東の果て

“古代エジプトの9柱の一神オシリス…

彼の伝説を調べていて、私は、日本神話との不思議な共通点を見つけたのです。”


頭の中の彼は、話しかける。

オシリス神の物語が私の知らない記憶を呼び起こす。


オシリス神は、兄弟神のセト神に切り刻まれて川に棄てられる。


それを知ったオシリス神の妻イシス神は、夫の体を集めて甦らせるのだ。


日本の黄泉の神、月読神は、誤解による怒りのため、豊穣の神を切り刻んでしまう。


オシリス神は、黄泉の神になる前は、やはり、豊穣の神だったらしい。


記憶の男は、そんな話を太田に酒の席の与太話として話した。


すると、意外な方向に話は転がりだす。


日本人シュメール起源説である。


この説は、17世紀辺りには、既に生まれていたらしいが、発掘が進む1920年代、原田敬吾氏を中心に再燃していた。


太田はこの話を彼にし、太田の主催する会合にも顔を出すようになる。


そこで、様々な人物と知り合い、研究を進めるうちに、ひとつの予想をたてる。


日本による即物神の起源は、古代中東から流れてきた知識と共にあるのではないか…と。


1909年、日本政府は種痘法を公布、天然痘撲滅のワクチン接種が時代の波にのっていた。


そんな時代の流れの中、彼は、見つからないツタンタカーメンの父王のミイラが日本へ流れてきたのではないか、と、予測した。


エジプトのミイラは、没薬やミルラなどの貴重な薬品が贅沢に使われているため、盗掘者によって薬として売買されていた。


それが、本当に日本まで到達するかは分からないが、彼は、そう考えていた。

ミイラとは、病に自ら進んで感染し、自らが抗体と言う名の生き仏と化し、それに触れる人々を守ったのではないか?と。



なんとも、ぶっ飛んだ理屈ではあるが、東北地方の即仏神の伝説を見、聞いて育っていたら、そんな考えにも至るものなのかもしれない。


バラバラにされる神と新たに生まれる作物には、そう言った感染と抗体の物語があるのでは…と、考えたらしかった。



オシリス神は、イシス神によって、切り刻まれた体を修復する。


が、性器だけは見つけることができなかったらしい


マッソスポラのような菌類…


ふと、そんなワードが頭をよぎる。


玉蝉(ぎょくせん)


古代中国では、死体の口に蝉を含ませる習慣があったらしい。

それは、後に、宝石で模した物に置き換わったらしいが、


長いシルクロードを渡るミイラの道中で、蝉を含んだそれらが混ざってきたとしたら………



不気味な考えが頭をよぎり混乱する。


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