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パラサイト  作者: ふりまじん
秘密
179/202

174話記憶

宇宙ウイルス……


このパワーワードを雅苗はサラリと言った。

と、いう私も違和感は感じるがアッサリと聞いていた。


ツタンカーメンの副葬品に隕石に由来するものがある。


それは、短剣や宝石で作られたスカラベの飾りなどだ。


隕石と言うと、近代に入ってから騒がれている印象があるが、空から落ちてきた石として、神殿に奉られたりする話はわりとある。

私は、懐かしく学生時代を思い出していた。

私の子供の頃は、昆虫は、独特の進化を遂げていて、それゆえ、宇宙人が送り込んだスパイとか、ナノロボットなんて説が流行った。


私もそんな事を考えた事がある。


が、そんな回想は、雅苗の次の言葉に書き消えた。

「このウイルスが、アミメットと名付けられたのは、ある性質のせいですわ。

彼らと合わずに発病すれば、心臓病にかかりますが、適合すれば、膨大な知識を手にする事ができるのです。」


「膨大な知識…」

私は理解できずに混乱した。

「はい。人の記憶は遺伝するのです。」

雅苗は、サラリとオカルト発言を連発する。

こんな時、ドラマなら、叫んだりするのだろうが、北川の事も心配だし、私もサラリと流しながら先を急いだ。


「信じていませんね?けれど、人の脳はフルで使われているわけではありません。

特に、記憶については、忘れる…と言う機能で膨大な記録へのアクセスを制限されています。」


「いえ、そんなことはありません。」

私は思い出したように同意する。

そう、近年では、虫や、単細胞生物など、様々な研究から親世代に経験した記憶が子世代に受け継がれているのではないか?と言う研究結果が集まってきている。


「近年では、RNAが記憶に関わっている、と、考える学者が主流になってきていますものね。

太田先生もそんな考えをもっていらしたのです。」

確かに、記憶については20世紀中期あたりから、遺伝説を唱える人もいた。

まあ、当時は、シナプスが重要だという説が主流だったが。


「ツタンカーメンの副葬品を調べてからしばらくたったある日、太田先生は、突然、ヒエログリフが読めるようになったそうです。

そこで、人類の記憶は受け継がれているのではないか、と、仮説をたてるのです。」


はぁ…( ̄□ ̄;)!!


私は思わず立ち止まった。


ショウジョウバエが、安全な産卵場所を受け継ぐとか、そんなレベルからぶっ飛んだ内容に、さすがに驚いた。


いや、ヒエログリフがいきなり読めるようになるとか…RNAだって、それは難しいだろう…さすがに。

そう考えながら、昭和の超能力漫画を思い出し、懐かしさも込み上げたりもした。


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