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パラサイト  作者: ふりまじん
秘密
137/202

130話衝動

レイを北城にとられた私は、下半身に微かに込み上げる衝動に気をとられた。

オシッコをしたい


それは、突然、襲ってきたの排泄衝動だ。

私は静かにドアのノブを再び回し、そして、本当に開かないことを確認した。

排泄衝動は、少しずつ私の頭をしめてゆく。


何とかしなければ。


私は混乱しながら窓を見る。

しょんべん小僧が、窓から元気よく噴水するイメージに体がブルッと震える。

まさか、それはダメだ。

目を閉じて、一度、ため息をつく。

が、行けないと考えると、ますます行きたくなるのは人情だ。


仕方ない。


私は、自分の先行きを尿意と共に決意をした。


窓から外に行く。

そして、便所に行く。


決めてしまえば、あとは行動あるのみだ。

私は用意したリュックをゆっくりと窓辺へ持って行き、そして、手袋をするとリュックを担ぎ、窓を開けた。

ここは二階。

日頃の肉体労働と、趣味の山登りが、この落差を安全だと判断する。


「池上っ!何をしている?」

私の行動に気がついた北城が叫んだが、そのときは、私は窓の出っ張りに上っていた。


ふと、中学時代を思い出した。

中二の頃は、こうして窓から外へと出ては、先生にしかられた。


早退(ふけ)った訳ではない。

たまに、珍しい蝶や甲虫が壁に張り付いたりしていたのだ。


「悪い、やはり、下が気になるから、出掛けてくるよ。」

私は、そう格好つけたが、尿意は私の思考の半分を支配していた。

「ダメだ、今、外に行けば、何が起こるか分からんぞ。思い直せ。」

北城の言葉を私は最後まで聞くことは無かった。

私は窓から手の届く所に雨どいを見つけてそれをつたった。

そして、地上へと着地した。屋敷から漏れる光に鍵を見つけるとそれをとり、衝動にかられるようにトイレへと…向かった。


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