106話 ダヴィンチコード
セクシー素数(ーー;)
分からない。北城と言う男も、数学者と言うやつらも…
中学生じゃあるまいし、6の発音にトキメクなんて、50代を突破した日本男児の私には理解できない。
と、いいながら、中学時代の英語のリスニングの試験で6時の発音に、好きな女の子の横顔を盗み見た黒歴史がよみがえったりもする。
いや、私の黒歴史で甘酸っぱくなってる場合ではない!
「これは年号だ。そして、ノストラダムスが関係してる。」
と、恥ずかしい回想の反動で北城に強く抗議した。
「( ̄ー+ ̄)フッ…ノストラダムス…」
「(///∇///)…」
ここで、ノストラダムスを鼻で笑われて我にかえった。
実は、私の方が恥ずかしい事を口走ったのだろうか?
「このしおりにノストラダムスを連想する何がある?」北城は真顔で聞いていた。
馬鹿にされるのも嫌だが、真顔でスルーも痛いものだ。
「これは、2011年、雅苗さんがプロバンスでもらったらしいパンフレット等のコラージュだと思う。」
平常心を心がける。
「そうか、たしか、ノストラダムスは、プロバンスの人間だったな。しかし、それだけでは、説明が弱いな。それに、らしい…とは憶測だろ?」
「そうだ。しかし、長山さんに聞いたところによると、雅苗さんがノストラダムスに興味があったらしい。」
私はそう言いながら、スカラベの話を思い出していた。
イシスのスカラベのミイラの話…北城はどう考えているのだろう?
が、それを聞く機会を私は外した。
「次は『ダ・ヴィンチコード』か…」
と、北城が呟いたからだ。




